肺 塞栓 心電図。 肺血栓塞栓症

肺血栓塞栓症

肺 塞栓 心電図

血栓ができる原因 血管を詰まらせる血栓は何が原因で発生するのでしょうか。 静脈の損傷 血管の内側は血管内皮によって覆われています。 何らかの原因でこの血管内皮が損傷していると、その部分で血液が固まり血栓ができやすくなります。 長期的な点滴や輸血、骨折した際に血管が損傷する事が多いようです。 体質 生まれつきの体質で血栓ができやすい人がいるようです。 特発性血栓症と呼ばれるもので、20代以降で発症する事が多く、入院などによる長期間の臥床などの際に血栓ができやすくなります。 血流の悪化 長期間の臥床や座った状態での長時間の移動、ケガなどの負傷で脚を動かせない状態にある時などには筋肉の収縮が行われず、心臓へ血液を送る機能が低下し血液の流れが悪化します。 通常は何らかの疾患やケガにより、長期間脚を動かせない場合に血栓ができやすくなりますが、稀に車や飛行機、電車などでの移動の際にも血流の悪化が起こり血栓ができる事があるそうです。 また女性の場合、妊娠中や卵巣の腫瘍などによっても腹部の静脈が圧迫され、血流悪化に繋がることがあると言われています。 肺塞栓症の症状 肺血栓症になると現れる主な症状をご紹介します。 息苦しさ 肺塞栓症の代表的な症状の一つです。 肺動脈が詰まる事で血液中の酸素濃度が低下すると、心臓が身体へ必要な酸素を送り出そうとするために脈拍も増加します。 一方で肺は多くの酸素を取り込もうとするため、呼吸の回数も増えて息苦しさを感じるようになり、普段ではなんともなかった階段や坂でも息切れを起こすようになります。 胸痛 息を吸った時に、胸に鋭い痛みを感じる事があります。 肺動脈が詰まっている事で、肺動脈内部の圧力が上昇したり、心臓を取り巻く冠動脈への血液が減少する事などにより痛みが生じるとされています。 痛みの他、圧迫感や不快感といった症状が現れる事もあるようです。 失神 血管が詰まり、心臓からの血流が減少する事による血圧低下や神経反射によって、失神やショックを起こし意識を失う事があります。 症状が重たい場合は突然死に繋がる可能性もある危険な症状です。 脚の腫れ 肺塞栓症の原因である血栓は主に脚の静脈で発生していると言われています。 脚に血栓ができる疾患を「深部静脈血栓症」と言うのですが、この深部静脈血栓症の症状である脚の腫れや痛みなどの症状が、肺塞栓症の患者にも多く見られるようです。 脚の腫れは他の病気にも見られる症状ですが、腫れが片足に現れている場合は深部静脈血栓症の可能性が高く、肺塞栓症に繋がりやすいと言われています。 他にも、顔面蒼白、冷や汗、血痰、発熱などの症状が現れる事もあります。 肺塞栓症の検査 医師は患者の症状の他、手術暦や長期の臥床、遺伝や体質から肺塞栓症の診断を行います。 肺塞栓症は深部静脈血栓症などの前兆が見られれば診断は比較的容易となるそうですが、症状が現れず目立った特徴が無い事が多い病気です。 また、胸部X線による血管影の変化や心電図検査での異常などから判断する事も困難であり、肺塞栓症は診断の難しい病気の一つとされています。 検査方法 まずは血液検査を行います。 血液検査でDダイマーの値を確認し(血液中に血栓があると高い数値を示します)、異常値である時や肺塞栓症の疑いが高い場合には、更に精密検査が実施されます。 CT検査 造影剤を注入し、肺に達した後スキャナーで血管の画像を構成して血栓の有無を確認します。 肺塞栓症の画像検査で多く使用される方法で、検査時間も短く大きな血栓の場合には正確な結果を得られる事が特徴です。 肺血流スキャン 少量の放射性物質を静脈内に注入し、肺への血流の供給状態を確認します。 血栓がある場合や肺気腫などの病気がある場合、血流の減少が起こり異常となって現れます。 検査時間が長い事や肺塞栓症以外の病気も反映されると言う特徴があります。 また、一般的に肺換気スキャンと言う検査も同時に実施されるようです。 特殊なガスを吸い込みスキャナで酸素の取り込み状態を確認します。 この二つの検査結果を比較する事で肺塞栓症かどうかの判断をする事が可能です。 肺塞栓症の治療 肺血栓症の治療は重症度や他の疾患、実施する医療機関などにより方法が異なります。 抗凝固療法 血液が固まりにくくするヘパリンなどの薬を用いて、血栓の予防や拡大の防止を行います。 ヘパリンは静脈から注入し、短時間(24時間)以内に効果が現れるよう量を調整します。 他にワルファリンと呼ばれる坑凝固薬を使用する事もあります。 ワルファリンは経口により取り入れ、長期間の使用が可能となっています。 効果が現れるまでに時間がかかってしまうデメリットがありますので、治療開始の数日間はヘパリンと併用で使用する事があります。 抗凝固療法は血栓の原因によって治療期間が異なります。 静脈の損傷などによる一時的な要因の場合は約2~3ヶ月、長期の臥床などの場合は数ヶ月~半年程度と言われていますが、何度も再発を繰り返すような遺伝的要因が強い場合には生涯にわたり治療を続ける必要があります。 血栓溶解療法 発生した血栓を分解して溶かす方法です。 ストレプトキナーゼや組織プラスミノーゲンアクチベーター t-PA などの薬が用いられ、肺塞栓症が命に関わるほど重篤な場合に実施されます。 妊娠中や脳卒中患者、手術後間もない場合や出血しやすい人などには使用できないという注意点があります。 手術による血栓の除去 症状が重い場合、医療機関によっては手術による治療が行われます。 主にカテーテルと呼ばれる細い管を肺動脈に挿入して、血栓を除去する方法が用いられます。 血栓を除去する方法 カテーテルによる血栓の除去はいくつかの方法がりますのでご紹介します。 血栓の吸引 血管内の血栓を直接吸い取る方法があります。 この方法で血栓を吸引できれば症状が大きく改善し、効果が大きい方法とされています。 血栓の破壊 血栓を破壊してしまう方法で、破壊された血栓の表面積を増やす事で、血栓を溶かす薬の効き目を大きくする効果が期待できます。 血栓内への薬物投与 血管内に挿入したカテーテルの先端から薬剤を圧力をかけて吹き付ける事で、点滴による投与よりも高い効果が期待できるとされています。 外科手術 肺塞栓症が重篤であるか、何らかの理由で薬物の投与やカテーテルによる治療が行えない場合には外科手術により血栓を取り除く治療が行われる事があります。 肺塞栓症の予防 肺塞栓症を起こさないための予防法をご紹介します。 基本的には肺塞栓症の原因となる血栓の発生を予防します。 日常生活での予防 特に体質的に血栓ができやすい人は、普段から血栓が発生しないような行動を心掛ける事が重要です。 積極的に身体を動かすようにし、乗り物による長時間の移動などでは2時間に一回程度歩き回るようにすると良いでしょう。 こうする事で脚のポンプ機能を働かせ血流を改善し血栓の発生を予防します。 また定期的な水分の補給や、深呼吸なども効果があるとされています。 物理的な予防 弾性ストッキングや弾性包帯により脚を圧迫し続ける事で、静脈のよどみを減少させて血流の改善を行います。 自身の使用目的にあった圧力やサイズのものを、担当医がしっかり考慮し選ぶ必要があります。 また、病状や他の病気などで、立ち上がったり歩き回る事が難しい場合、脚に巻いたゴムチューブに機械で間欠的に空気を送り込み、周期的に圧迫させて血流の改善を行う方法があります。 ですが既に深部静脈血栓ができている場合、その血栓がはがれ、血流に乗って流れてしまう事で、肺塞栓症の原因となる恐れがありますので注意が必要です。 手術での予防 下大静脈フィルターと言う器具を使い、深部静脈血栓が剥がれ肺へ流れてきた血栓を捕らえ、肺塞栓症を防ぐ方法です。 下大静脈フィルターには永久留置型と非永久留置型の二種類があり、日本では深部静脈血栓の再発防止の観点から、非永久留置型が勧められているようです。 まとめ 肺塞栓症について簡潔にポイントをまとめました。 肺塞栓症は肺動脈に血栓が詰まり、場合によっては死に至る病です。 移動中などに急に発症したものはエコノミー症候群とも呼ばれ、テレビなどで度々取り上られています。 脚にできる深部静脈血栓や血栓ができやすい体質が主な原因とされています。 血管や肺の状態を確認する方法により、肺塞栓症の検査が行われますが診断は難しい病気とされています。 主に薬や手術によって血栓を除去する治療が行われます。 脚のマッサージなど、血流の改善により血栓の予防を行います。 【最後に】 肺塞栓症は移動中や車中泊などの際に突如発症する事もあり、身近に潜む病気の一つと言えるでしょう。 ですが、検査での発見が難しい他、場合によっては死に至る厄介な病気でもあります。 特に血栓ができやすい体質の人は、日頃から予防を心掛けた行動をして発祥のリスクを減らす事が大切です。

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肺塞栓症を心電図で診断できるのか

肺 塞栓 心電図

肺塞栓症とは,典型的には下肢または骨盤の太い静脈など,他の場所で形成された血栓による1本以上の肺動脈の閉塞である。 肺塞栓症の危険因子は,静脈還流を障害する状態,血管内皮の障害または機能不全を引き起こす状態,および基礎にある凝固亢進状態である。 肺塞栓症の症状は非特異的であり,呼吸困難,胸膜性胸痛などに加え,より重症例では,ふらつき,失神前状態,失神,または心肺停止などがみられる。 徴候もまた非特異的であり,頻呼吸,頻脈に加え,より重症例では,低血圧などがみられることがある。 肺塞栓症の診断は,CT血管造影,換気・血流比シンチグラフィー,またはときに肺動脈造影により行う。 肺塞栓症の治療には,抗凝固薬および,ときに血栓溶解薬による血栓の溶解または外科的除去がある。 抗凝固療法の禁忌がある場合は,下大静脈フィルターを留置すべきである。 予防法には,抗凝固薬の投与,入院患者の下肢への機械的圧迫装置の装着,これらの併用などがある。 初期評価では,パルスオキシメトリー,および胸部X線を行うべきである。 心電図,動脈血ガス分析,またはその両方が,その他の診断(例,急性心筋梗塞)の除外に役立つ可能性がある。 胸部X線は通常非特異的であるが,無気肺,限局性浸潤影,一側の横隔膜挙上,または胸水を示すことがある。 血管影の局所的な消失(Westermark sign),末梢の楔形陰影(Hampton hump),または右肺動脈下行枝の拡張(Palla sign)などの古典的な所見は示唆的であるが,一般的ではなく(すなわち,感度が低く),特異度は不明である。 胸部X線もまた肺炎の除外に役に立つ。 PEによる肺梗塞は,肺炎と間違われる可能性がある。 パルスオキシメトリーは,酸素飽和度を評価する迅速な方法である;低酸素血症はPEの1つの徴候であり,さらなる評価が必要である。 は肺胞気-動脈血酸素分圧(A-a)較差(ときにA-a gradientと呼ばれる)の増大または低炭酸ガス血症を示すことがある;これらの検査のうち1つまたは両方によるPEの検出感度は中程度であるが,いずれの検査も特異度は低い。 動脈血ガス分析は,呼吸困難または頻呼吸があり,パルスオキシメトリーで検出される低酸素血症がない患者で特に考慮すべきである。 血栓量(clot burden)が少ない,または代償的過換気によって,酸素飽和度は正常である場合がある;動脈血ガス分析でp CO 2が極めて低ければ,過換気と確定できる。 PEの臨床確率(clinical probability)は,病歴および身体所見と心電図および胸部X線所見を併せて評価する。 Wellsスコア,改訂ジュネーブスコア,またはPulmonary Embolism Rule-Out Criteria (PERC)スコアなどの臨床予測スコアは,急性PEが存在する可能性の評価に役立つことがある。 これらの評価システムは,多様な臨床因子に点数を割り付け,検査前のPEの確率(検査前確率)に名称をつけてその累積スコアを対応させたものである。 例えば,Wellsスコアの結果はPEの可能性が高いか,または可能性が低いかに分類される。 しかしながら,PEの可能性が他の診断より高いかどうかの判断は,やや主観的である。 また,経験豊富な医師の臨床判断が,このような予測スコアと同等の,またはより高い感度をもつ可能性もある。 1つまたは複数の症候(特に呼吸困難,喀血,頻脈,または低酸素血症)が臨床的に,または胸部X線により説明できない場合は,おそらくPEの可能性がより高いと考えるべきである。 しかしながら,胸部X線所見が正常またはほぼ正常で,基礎に重大な肺疾患がなければ,感度の高い検査である。 また,状態があまりに不安定なためにCTを施行できない患者には,血流シンチグラフィーは持ち運びで施行できるため有用である。 画像結果が完全に正常であれば,ほぼ100%の精度でPEを除外するが,確率が低の場合,PEの可能性は依然として15%である。 血流欠損は,その他の多くの肺の病態(例,COPD,肺線維症,肺炎,胸水)でも起こる可能性がある。 不均衡を示す血流欠損でPEに類似している所見は,肺血管炎,肺静脈閉塞症,およびサルコイドーシスなどでみられる場合がある。 初期抗凝固療法およびその後の抗凝固維持療法は急性PEの患者に適応となり,新たな血栓の形成はもちろんのこと,血栓の伸展およびさらなる塞栓を予防する目的で行われる。 出血リスクが低いとみなされる限り,PEが強く疑われる場合は常に,急性PEのための抗凝固療法を開始すべきである。 あるいは,診断され次第速やかに抗凝固療法を開始すべきである。 小さな,亜区域レベルの血管内の塞栓(特に無症状で偶然発見された塞栓)の治療における,便益および害の可能性は現在のところ不明であり,害が便益にまさるという可能性が懸念されている。 しかしながら,それでも現在のところ治療は推奨されている。 抗凝固療法の主要な合併症は出血であり,入院中は出血がないか患者を注意深く観察すべきである。 初期抗凝固療法 静脈内投与による未分画ヘパリンは,半減期が短く(出血の可能性が通常より高いと考えられる場合に有用である),プロタミンで中和できる。 未分画ヘパリンの初回ボーラス投与後,APTTが正常値の1. 5~2. 5倍となるようプロトコルに指定された用量でヘパリンの点滴を行うべきである( )。 そのため,未分画ヘパリンを投与する際は,入院が必要である。 さらに,未分画ヘパリンの薬物動態は比較的予測が難しく,結果として抗凝固作用が過剰な時期と過少な時期がしばしば生じるため,頻回の用量調節が必要となる。 それにもかかわらず,多くの医師がこの未分画ヘパリンの静脈内投与を好むが(特に血栓溶解療法の施行または検討時,もしくは患者に出血リスクがある場合),その理由はもし出血が起きたとしても,半減期が短いために投与中止後すぐに抗凝固効果が消失するためである。 フォンダパリヌクスはさらに新しい第Xa因子拮抗薬である。 急性DVTにおいて,ヘパリンまたは低分子ヘパリンの代わりに使用できる。 また,表在静脈血栓症の患者において,再発を予防することが示されている。 転帰は未分画ヘパリンを使用した場合と同様と考えられる。 長所は,1日1回または2回の固定用量の投与で済むこと,抗凝固効果のモニタリングを行う必要がないこと,また血小板減少を起こすリスクがより少ないことなどである。 出血はワルファリン治療の最も頻度の高い合併症であり,65歳以上の患者,ならびに併存症(特に糖尿病,最近の心筋梗塞,Hct 1. 出血は,ビタミンK2. 5~10mgの静注または経口投与にて止血でき,また緊急の場合は新鮮凍結血漿または,新しい濃縮製剤(第II因子[プロトロンビン],第VII因子,第IX因子,第X因子,プロテインC,およびプロテインSを含むプロトロンビン複合体濃縮製剤)を用いて止血できる。 ビタミンKは,紅潮,局所痛,およびまれにアナフィラキシーを引き起こすことがある。 アルテプラーゼ(組織プラスミノーゲンアクチベーター[tPA]),ストレプトキナーゼ,またはウロキナーゼによる全身的な血栓溶解療法は,急速に肺血流量を回復するための非侵襲的な方法であるが,長期的な便益が出血リスクに明らかに勝るわけではないため,議論がある。 にもかかわらず,血行動態が損なわれている患者,特にそれが重度である患者には,全身的血栓溶解療法を行うべきであることをほとんどの専門家は認めている。 亜広範型PE患者における全身的血栓溶解療法による生存率の改善を証明したランダム化臨床試験は全くないが,一部の専門家は血栓溶解療法を推奨しており,多数または大きな血栓,非常に重度の右室機能障害,著明な頻脈,有意な低酸素血症,およびその他の付帯所見(下肢の残存血栓,トロポニン陽性,BNP高値など)が認められる場合は特に推奨される。 その他の専門家は,広範型PE患者にのみ血栓溶解療法を施行している。 その他の手技には 過流型カテーテルを用いた塞栓除去術(catheter-directed vortex suction embolectomy)があり,ときに体外バイパスと併用される。 この手技は,より径の大きいカテーテルを必要とし,吸引した血液を静脈内(通常大腿静脈)へ戻さなければならないという点で,全身的血栓溶解療法およびカテーテル血栓溶解療法とは異なる。 下大静脈,右房,または右室通過血栓(thrombi-in-transit),ならびに極めて近位の急性PEの患者が対象として最適である。 静脈-動脈の体外式膜型人工肺(ECMO)は,他にどのような治療法を用いているかにかかわらず,急性PEの重症患者におけるレスキュー処置として利用することができる。 外科的塞栓除去術は,血栓溶解療法が禁忌の場合に考慮すべきである;そのような場合には,外科的塞栓除去術の前に過流型カテーテルを用いた塞栓除去術が考慮され,また設備および専門知識の有無にもよるが,試行されることもある。 外科的塞栓除去術によって広範型PE患者の生存率は向上するようであるが,広く利用可能なわけではない。

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心電図クイズ

肺 塞栓 心電図

血栓ができる原因 血管を詰まらせる血栓は何が原因で発生するのでしょうか。 静脈の損傷 血管の内側は血管内皮によって覆われています。 何らかの原因でこの血管内皮が損傷していると、その部分で血液が固まり血栓ができやすくなります。 長期的な点滴や輸血、骨折した際に血管が損傷する事が多いようです。 体質 生まれつきの体質で血栓ができやすい人がいるようです。 特発性血栓症と呼ばれるもので、20代以降で発症する事が多く、入院などによる長期間の臥床などの際に血栓ができやすくなります。 血流の悪化 長期間の臥床や座った状態での長時間の移動、ケガなどの負傷で脚を動かせない状態にある時などには筋肉の収縮が行われず、心臓へ血液を送る機能が低下し血液の流れが悪化します。 通常は何らかの疾患やケガにより、長期間脚を動かせない場合に血栓ができやすくなりますが、稀に車や飛行機、電車などでの移動の際にも血流の悪化が起こり血栓ができる事があるそうです。 また女性の場合、妊娠中や卵巣の腫瘍などによっても腹部の静脈が圧迫され、血流悪化に繋がることがあると言われています。 肺塞栓症の症状 肺血栓症になると現れる主な症状をご紹介します。 息苦しさ 肺塞栓症の代表的な症状の一つです。 肺動脈が詰まる事で血液中の酸素濃度が低下すると、心臓が身体へ必要な酸素を送り出そうとするために脈拍も増加します。 一方で肺は多くの酸素を取り込もうとするため、呼吸の回数も増えて息苦しさを感じるようになり、普段ではなんともなかった階段や坂でも息切れを起こすようになります。 胸痛 息を吸った時に、胸に鋭い痛みを感じる事があります。 肺動脈が詰まっている事で、肺動脈内部の圧力が上昇したり、心臓を取り巻く冠動脈への血液が減少する事などにより痛みが生じるとされています。 痛みの他、圧迫感や不快感といった症状が現れる事もあるようです。 失神 血管が詰まり、心臓からの血流が減少する事による血圧低下や神経反射によって、失神やショックを起こし意識を失う事があります。 症状が重たい場合は突然死に繋がる可能性もある危険な症状です。 脚の腫れ 肺塞栓症の原因である血栓は主に脚の静脈で発生していると言われています。 脚に血栓ができる疾患を「深部静脈血栓症」と言うのですが、この深部静脈血栓症の症状である脚の腫れや痛みなどの症状が、肺塞栓症の患者にも多く見られるようです。 脚の腫れは他の病気にも見られる症状ですが、腫れが片足に現れている場合は深部静脈血栓症の可能性が高く、肺塞栓症に繋がりやすいと言われています。 他にも、顔面蒼白、冷や汗、血痰、発熱などの症状が現れる事もあります。 肺塞栓症の検査 医師は患者の症状の他、手術暦や長期の臥床、遺伝や体質から肺塞栓症の診断を行います。 肺塞栓症は深部静脈血栓症などの前兆が見られれば診断は比較的容易となるそうですが、症状が現れず目立った特徴が無い事が多い病気です。 また、胸部X線による血管影の変化や心電図検査での異常などから判断する事も困難であり、肺塞栓症は診断の難しい病気の一つとされています。 検査方法 まずは血液検査を行います。 血液検査でDダイマーの値を確認し(血液中に血栓があると高い数値を示します)、異常値である時や肺塞栓症の疑いが高い場合には、更に精密検査が実施されます。 CT検査 造影剤を注入し、肺に達した後スキャナーで血管の画像を構成して血栓の有無を確認します。 肺塞栓症の画像検査で多く使用される方法で、検査時間も短く大きな血栓の場合には正確な結果を得られる事が特徴です。 肺血流スキャン 少量の放射性物質を静脈内に注入し、肺への血流の供給状態を確認します。 血栓がある場合や肺気腫などの病気がある場合、血流の減少が起こり異常となって現れます。 検査時間が長い事や肺塞栓症以外の病気も反映されると言う特徴があります。 また、一般的に肺換気スキャンと言う検査も同時に実施されるようです。 特殊なガスを吸い込みスキャナで酸素の取り込み状態を確認します。 この二つの検査結果を比較する事で肺塞栓症かどうかの判断をする事が可能です。 肺塞栓症の治療 肺血栓症の治療は重症度や他の疾患、実施する医療機関などにより方法が異なります。 抗凝固療法 血液が固まりにくくするヘパリンなどの薬を用いて、血栓の予防や拡大の防止を行います。 ヘパリンは静脈から注入し、短時間(24時間)以内に効果が現れるよう量を調整します。 他にワルファリンと呼ばれる坑凝固薬を使用する事もあります。 ワルファリンは経口により取り入れ、長期間の使用が可能となっています。 効果が現れるまでに時間がかかってしまうデメリットがありますので、治療開始の数日間はヘパリンと併用で使用する事があります。 抗凝固療法は血栓の原因によって治療期間が異なります。 静脈の損傷などによる一時的な要因の場合は約2~3ヶ月、長期の臥床などの場合は数ヶ月~半年程度と言われていますが、何度も再発を繰り返すような遺伝的要因が強い場合には生涯にわたり治療を続ける必要があります。 血栓溶解療法 発生した血栓を分解して溶かす方法です。 ストレプトキナーゼや組織プラスミノーゲンアクチベーター t-PA などの薬が用いられ、肺塞栓症が命に関わるほど重篤な場合に実施されます。 妊娠中や脳卒中患者、手術後間もない場合や出血しやすい人などには使用できないという注意点があります。 手術による血栓の除去 症状が重い場合、医療機関によっては手術による治療が行われます。 主にカテーテルと呼ばれる細い管を肺動脈に挿入して、血栓を除去する方法が用いられます。 血栓を除去する方法 カテーテルによる血栓の除去はいくつかの方法がりますのでご紹介します。 血栓の吸引 血管内の血栓を直接吸い取る方法があります。 この方法で血栓を吸引できれば症状が大きく改善し、効果が大きい方法とされています。 血栓の破壊 血栓を破壊してしまう方法で、破壊された血栓の表面積を増やす事で、血栓を溶かす薬の効き目を大きくする効果が期待できます。 血栓内への薬物投与 血管内に挿入したカテーテルの先端から薬剤を圧力をかけて吹き付ける事で、点滴による投与よりも高い効果が期待できるとされています。 外科手術 肺塞栓症が重篤であるか、何らかの理由で薬物の投与やカテーテルによる治療が行えない場合には外科手術により血栓を取り除く治療が行われる事があります。 肺塞栓症の予防 肺塞栓症を起こさないための予防法をご紹介します。 基本的には肺塞栓症の原因となる血栓の発生を予防します。 日常生活での予防 特に体質的に血栓ができやすい人は、普段から血栓が発生しないような行動を心掛ける事が重要です。 積極的に身体を動かすようにし、乗り物による長時間の移動などでは2時間に一回程度歩き回るようにすると良いでしょう。 こうする事で脚のポンプ機能を働かせ血流を改善し血栓の発生を予防します。 また定期的な水分の補給や、深呼吸なども効果があるとされています。 物理的な予防 弾性ストッキングや弾性包帯により脚を圧迫し続ける事で、静脈のよどみを減少させて血流の改善を行います。 自身の使用目的にあった圧力やサイズのものを、担当医がしっかり考慮し選ぶ必要があります。 また、病状や他の病気などで、立ち上がったり歩き回る事が難しい場合、脚に巻いたゴムチューブに機械で間欠的に空気を送り込み、周期的に圧迫させて血流の改善を行う方法があります。 ですが既に深部静脈血栓ができている場合、その血栓がはがれ、血流に乗って流れてしまう事で、肺塞栓症の原因となる恐れがありますので注意が必要です。 手術での予防 下大静脈フィルターと言う器具を使い、深部静脈血栓が剥がれ肺へ流れてきた血栓を捕らえ、肺塞栓症を防ぐ方法です。 下大静脈フィルターには永久留置型と非永久留置型の二種類があり、日本では深部静脈血栓の再発防止の観点から、非永久留置型が勧められているようです。 まとめ 肺塞栓症について簡潔にポイントをまとめました。 肺塞栓症は肺動脈に血栓が詰まり、場合によっては死に至る病です。 移動中などに急に発症したものはエコノミー症候群とも呼ばれ、テレビなどで度々取り上られています。 脚にできる深部静脈血栓や血栓ができやすい体質が主な原因とされています。 血管や肺の状態を確認する方法により、肺塞栓症の検査が行われますが診断は難しい病気とされています。 主に薬や手術によって血栓を除去する治療が行われます。 脚のマッサージなど、血流の改善により血栓の予防を行います。 【最後に】 肺塞栓症は移動中や車中泊などの際に突如発症する事もあり、身近に潜む病気の一つと言えるでしょう。 ですが、検査での発見が難しい他、場合によっては死に至る厄介な病気でもあります。 特に血栓ができやすい体質の人は、日頃から予防を心掛けた行動をして発祥のリスクを減らす事が大切です。

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