フレーム ワーク 思考。 【10分でわかる】デザイン思考とは?概要や欠点、役立つフレームワークをご紹介

勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践

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この記事に辿り着いたあなたなら「ロジカルシンキングとは何か? 」あるいは「ロジカルシンキングを身につけたい」と考えていることだろう。 今やロジカルシンキングは、多くのビジネスパーソンにとって必要不可欠なビジネススキルだ。 現に書店ではロジカルシンキング関連の本が溢れ、ほとんどのビジネススクールではロジカルシンキングの講座が用意されている。 また、巷で開催されているロジカルシンキングの研修も、活況を呈しているようだ。 今やビジネスにおいて「マスト」とされるロジカルシンキングだが、ここであなたに質問だ。 ロジカルシンキングは、あなたの仕事の「どのような局面」で「どのように」活用すべきだろうか? もしあなたが一冊でもロジカルシンキングの本を読んだことがあるなら、以下のような文章を目にしたことがあるはずだ。 ロジカルシンキング本によくある解説• 人は皆、いつか死ぬ。 ソクラテスは人だ。 これはロジカルシンキングの論理展開の一つである「演繹法」を説明した文章だが、あなたはロジカルシンキングを「ソクラテス」で説明されて、果たしてロジカルシンキングを仕事で活用できるイメージが湧いただろうか? もしあなたがロジカルシンキングに対して「わかっちゃいるけど、使いこなせない」とお悩みなら、それは「なんのために」「どのような局面で」「どのように」ロジカルシンキングを活用すべきか、実践のポイントが掴めていないからだ。 巷にある多くの書籍は、ロジカルシンキングを「ロジカルに」説明しようとするがあまり、やや教科書的な解説となりがちだ。 そのこと自体は「厳密性」という意味で素晴らしいが「ロジカルシンキングの活用局面」のイメージが湧きにくいのが欠点だ。 「わかっちゃいるけど、仕事での使い方がわからない」 もしあなたがそう感じているのなら、今あなたに必要なのはソクラテスではない。 「ロジカルシンキングの使い方」に対する理解だ。 よって、今回は「ロジカルシンキングとは何か?」はもちろん「ロジカルシンキングの実践のポイント」についても解説する。 また、合わせて「ロジカルに物事を考えるためのフレームワーク」や「ロジカルシンキングを鍛えるトレーニング手法」についても、例を交えながらわかりやすく解説する。 一方で、ロジカルシンキングは、ややもすれば「金科玉条の万能薬」のように語られがちだが、致命的なデメリットが存在する。 しかし、もしあなたが「ロジカルシンキングのデメリット」を理解し、うまく逆手に取ることができれば、ロジカルシンキングだけでは辿り着けない新しい世界に踏み出すことも可能になる。 今回は、そんな「ロジカルシンキングを逆手にとる方法」についても解説しよう。 お知らせ:このブログから書籍化。 ロジカルシンキングとは ロジカルシンキングとは-1:筋道立てて考える思考法 まずは「ロジカルシンキングとは何か?」について解説しよう。 「ロジカルシンキング」とは、その名の通り「ロジカルに(論理的に)」「シンキング(考える)」ことを指す。 「ロジカル」とは「物事が体系的に整理されており、話の筋道に矛盾がないこと」であり「シンキング」とは「考える方法」であることから、ロジカルシンキングとは「物事を体系的に整理し、筋道立てて矛盾なく考える思考法」と定義できる。 そしてその和訳が「論理的思考」だ。 「ロジカルシンキング」とは ? 物事を体系的に整理し、筋道たてて矛盾なく考える思考法のこと。 ロジカルシンキングとは-2: ロジカルシンキングの2つの意味 上記の「ロジカルシンキングの定義」をご覧になれば、ロジカルシンキングには大きく分けて2つの意味が存在することに気が付けるはずだ。 購入頻度 という3つの要素に分解できる。 これは、• 売上高=「全体」• 購入客数・客単価・購入頻度=「部分」 に当たるため、包含関係となる。 また「広告宣伝をすれば、ブランドの認知度は上がる」という例では、• 広告宣伝をすると=「結果」• ブランド認知度が上がる=「原因」 なので「原因と結果」の因果関係に当たる。 このように、ロジカルシンキングは「全体」と「部分」そして「関係」を整理して、物事を筋道立てて考える思考法といえる。 構造化スキルを磨くには ロジカルシンキングとは-3: ロジカルシンキングとクリティカルシンキングとの違い よくロジカルシンキングと混同されやすいのが「クリティカルシンキング」だ。 ロジカルシンキングが「物事を体系的に整理し、筋道たてて矛盾なく考える思考法」であることは、すでに解説した。 しかしロジカルシンキングは「筋道の立て方」は教えてくれても「前提の置き方」を教えてはくれない。 別の言い方をすれば「前提の置き方」次第で、その後の「筋道」は無数に存在することになる。 また、ロジカルシンキングは論理を展開する際の「切り口」を教えてくれるわけではない。 例えば、先ほどは「売上高」を、• 購入客数• 客単価• 購入頻度 という切り口で分解したが、分解の切り口を変えれば売上高」を、• 市場規模• 市場シェア で分解することも可能だ。 このように、全体を部分に分解する際には無数の切り口が存在するが「切り口の選び方」自体に正解はない。 一方で、クリティカルシンキングは「物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度」のことを指す。 クリティカルシンキングを身につけるには ロジカルシンキングのメリット:5つのビジネススキルが向上する ロジカルシンキングは、あなたに多くのメリットをもたらす。 具体的には以下の5つのビジネススキルが向上することだ。 分析力が向上する• 問題解決能力が向上する• 提案力が向上する• コミュニケーション能力が向上する• 仕事の生産性が向上する 以下、一つずつ解説していこう。 ロジカルシンキングのメリット-1:分析力が向上する ロジカルシンキングのメリットの1つ目は、分析力が向上することだ。 世の中に現れる現象の多くは、様々な要素が複雑に絡み合っており、ただ漠然と「全体」を捉えただけでは有益な示唆を得られにくい。 世の中の現象を正しく分析するには、それらを全体として捉えるだけでは不十分であり「個々の要素を吟味し」さらに「それぞれの関係がどうなっているのか?」まで深掘りしていく必要がある。 もしあなたがロジカルシンキングを向上させることができれば、様々な現象や問題に対して、• 適切に要素を分解し• 要素間の関係を見極め• 適切な判断や対応策を導き出す ことが可能になる。 分析力を身につけるには ロジカルシンキングのメリット-2:問題解決力が向上する ロジカルシンキングのメリットの2つ目は、問題解決力が向上することだ。 「問題」は、発生場所を特定できなければ焦点が絞れず、無数の解決策のすべてを試さなくてはいけなくなる。 このような「絨毯爆撃」ではいつ成果が出るかがわからず、時間も労力も大きく浪費してしまう。 また「問題」には、かならずそれを生じさせている原因が存在する。 そして原因に対して解決策を講じない限り、すべての施策は対処療法止まりとなる。 その結果、原因が取り除かれていないのだから、施策の成果は限定的となり、いずれ同じ問題が再燃してしまう。 これらを踏まえれば「問題解決」には、• 問題の発生場所の特定(全体と部分の包含関係)• 問題の根本原因の特定(全体と部分の因果関係) の2つを捉える能力が必要不可欠になることはご理解いただけるはずだ。 もし、あなたがロジカルシンキングを向上させることができれば「ロジックツリー」などの論理的思考のフレームワークを用いて、ロジカルに問題の発生場所を特定し、根本原因を突き止めることができるようになるはずだ。 問題解決力を身につけるには ロジカルシンキングのメリット-3: 提案力が向上する ロジカルシンキングのメリットの3つ目は、提案力が向上することだ。 ビジネスの世界では、あなたが思っている以上に企業や部門、立場によって人の考え方は大きく異なる。 このような状況の中であなたの提案を通すためには、それぞれの人たちの立場や考え方に左右されない「ロジック」を駆使して、提案内容を筋道立てて説明することが必要不可欠となる。 そのために、ロジカルシンキングの世界には、提案や報告の際に使える「ピラミッドストラクチャー」というフレームワークが存在する。 あなたの提案を「好き嫌いの世界」ではなく「良し悪しの世界」に持ち込みたいなら、ロジカルシンキングを鍛えるメリットは大きい。 提案力を身につけるには ロジカルシンキングのメリット-4:コミュニケーション能力が向上する ロジカルシンキングのメリットの4つ目は、コミュニケーション能力が向上することだ。 コミュニケーション能力は「相手の主張を正確に理解する能力」と「あなたの主張を正確に伝える能力」の2つで成り立っている。 もしあなたがロジカルシンキングを鍛えることができれば、• 全体の中で、相手はどの部分のことを伝えようとしているのか?• 何を根拠に、どのような主張をしているのか? を正確に見抜けるようになる。 そのため、相手の主張を理解する際に「イシュー(論点)のズレ」や「事実と意見の混同」が起きにくくなる。 また、あなたの主張を伝える際にも、• 全体の中で、今はどの部分を伝えるべきか?• 自分の意見を、どのような筋道で伝えるべきか? などのイシュー(論点)やロジックを考えられるようになり、コミュニケーション能力が飛躍的に向上するはずだ。 コミュニケーション力を磨くには ロジカルシンキングのメリット-5:仕事の 生産性が向上する ロジカルシンキングのメリットの最後は、仕事の生産性が向上することだ。 間違った問題設定は、間違った仮説を生む。 そして、もし業務がかなり進んだ段階で間違いに気づけば、問題設定にまで遡って再検討する必要が生じてしまう。 いわゆる「手戻り」といわれる現象だ。 ロジカルシンキングには「イシューツリー」という思考のフレームワークがあるが、もしあなたがロジカルシンキングを鍛えることができれば、仮説を立てる前にイシューツリーを使い「そもそも本質的な問題は何か?」を見極めることができる。 そうすれば、その後の仮説立案や仮説検証に無駄がなくなり、仕事の生産性は大きく向上するはずだ。 「帰納法」とは ? 複数の実例を挙げ、それらの共通点を導き出して結論を出す頭の使い方 帰納法の例 例えば、以下の例が「帰納法」の頭の使い方の具体例だ。 上記の例のように、• 複数の実例を挙げ• 実例をもとに共通点を見出し• 共通点を根拠に結論づける という頭の使い方をするのが「帰納法」の特徴だ。 帰納法のロジックがしっかり成立しているかどうかは「なぜならば」という接続詞を使って論理展開を逆算してみることで簡単にチェックできる。 例えば以下の要領だ。 気を付けてもらいたいのは、帰納法は複数の実例から共通点を見出して、それを根拠に結論づける頭の使い方である以上、• 複数の実例自体に間違いがある場合• 複数の実例から共通点を見出す際にロジックの飛躍がある場合• 共通点から結論に至る筋道にロジックの飛躍がある場合 には破綻する。 よって「帰納法」を使った頭の使い方の場合には、必ず「なぜならば」という接続詞を使ったロジックチェックを怠らないようにしよう。 帰納法を実践する局面 仕事において帰納法を実践する局面は「複数の周辺環境から」「方針を導き出す」局面だ。 決められた方針(ルール): 女性らしさを表現できる敏感肌用美容液に参入する。 方針(ルール)に当てはめる事実: 敏感肌に悩む女性は、現在ドラッグストアで美容液を購入している。 結論(アクションプラン): よってメインの販売チャネルをドラッグストアに据えるべきだ。 決められた方針(ルール): 女性らしさを表現できる敏感肌用美容液に参入する。 方針(ルール)に当てはめる事実: 敏感肌に悩む女性は、ファッション誌の閲読率が高い。 結論(アクションプラン): よってメインのプロモーションメディアをファッション誌に据えるべきだ。 仕事における演繹法の使い方は「方針(ルール)にプランを当てはめ、右か左か、あるいはGoかNo Goかの結論を出す」局面だ。 しかしここまでお読みになればお気づきの通り、演繹法は「すでに方針が存在し、かつその方針が正しいこと」を前提にしている。 逆を言えば「方針」自体が間違っていれば、方針に当てはめて導き出す結論も間違ってしまうことになる。 ロジカルシンキングのフレームワーク 続いては「ロジカルシンキングのフレームワーク」の解説に移ろう。 料理に例えれば「帰納法」や「演繹法」が「料理の進め方の要領」だとしたら、ロジカルシンキングのフレームワークは「料理の材料や道具」に当たるものだ。 ロジカルシンキングのフレームワーク-1:ピラミッドストラクチャーとは あなたは上司や同僚から「なぜその結論に至ったの?」と聞かれて「なんとなくです!」と答えられるだろうか? ことビジネスにおいては、なんらかの結論を述べる際には、その根拠を示さなくてはならない。 ピラミッドストラクチャーとは「結論」と「結論に至った根拠」をピラミッド状に表現したフレームワークを指す。 通常は「結論」を頂点に、複数の根拠が下層に配置されピラミッド型の構造になるため「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれる。 ピラミッドストラクチャーは「複数の事実」を通して「一つの結論」に導くことから「帰納法」でロジックを構成する際に有用なフレームワークだ。 もしあなたが、なんらかの「結論」や「方針」を主張したい時は「帰納法の頭の使い方」を意識しながら「ピラミッドストラクチャー」のフレームワークに当てはめて説明しよう。 そうすれば「なぜその結論や方針に至ったのか?」という質問に対して、根拠を含めた説得力のある説明ができるようになるはずだ。 ピラミッドストラクチャーの詳しい解説は ロジカルシンキングのフレームワーク-2:ロジックツリーとは ロジックツリーとは、決められたテーマをツリー状に分解することで選択肢を広げ「問題の発生個所」や「問題を引き起こしている原因」あるいは「問題解決の方法」を洗い出すのに適したフレームワークだ。 今回は、3つのロジックツリーを簡単に解説していこう。 ロジックツリーの種類-1:要素分解ツリー 要素分解ツリーとは「全体」を「部分」に分解していくロジックツリーを指す。 よって、要素分解ツリーは「全体と部分」の包含関係を表すことになる。 問題解決では「問題の発生個所を特定する」という用途に使われたり、マーケティングでは「ターゲット設定を検討・分析する」という用途に使われることが多い。 構造化スキルを高めるには ロジカルシンキングを習慣にする方法:ロジカルシンキングのトレーニング ロジカルシンキングは、誰でも身につけることができる「思考技術」だ。 そしてロジカルシンキングが才能や資質の話ではなく「技術」である以上、そこには再現性が存在する。 つまり「方法と手順」を身につければ「誰でも」「例外なく」ロジカルシンキングをマスターすることが可能だ。 もしあなたが「ロジカルシンキングを仕事に活用できない」と悩んでいるなら、今すぐ実践できるロジカルシンキングのトレーニング手法を紹介しよう。 ロジカルシンキングのトレーニング手法-1:メールを使って「帰納法」をマスターする まずおすすめしたいのは「日々のメール」を活用したロジカルシンキング(帰納法)のトレーニングだ。 例えばプロジェクトメンバーとミーティングをセットしたい場合、あなたはただ漫然と以下のようなメールを送ってはいないだろうか? 帰納法の詳しい解説は ロジカルシンキングのトレーニング手法-2:報告書を使って「演繹法」を鍛える 続いておすすめしたいのは「日々の口頭報告」や「報告書」を活用したロジカルシンキング(演繹法)のトレーニング手法だ。 あなたがビジネスパーソンなら、必ず「上司」がいるはずだ。 そして節目節目のタイミングで「上司に報告する機会」が存在していることだろう。 しかしあなたは日々の上司への報告の中で「報告がうまくいくかどうかの基準」を考えているだろうか?もし考えていなかったら、これを機会に「報告がうまくいく基準」を念頭に置きながら上司に報告する習慣をつけよう。 例えば以下の通りだ。 技術を身につけるには、ひとつの基本技が身につくまでひたすら繰り返すことが重要だ。 ぜひ「日々のメール」や「上司への報告の機会」をうまく味方につけて、ロジカルシンキングをトレーニングする習慣を身につけて欲しい。 演繹法の詳しい解説は ロジカルシンキングのデメリット 冒頭で「ロジカルシンキングには致命的なデメリットも存在する」ことについて触れた。 しかし、もしあなたが「ロジカルシンキングのデメリット」を理解し、うまく味方につけることができれば、ロジカルシンキングでは辿り着けない新たな世界に踏み出すことができる。 以下、解説しよう。 ロジカルシンキングのデメリット-1:「前提」の置き方次第で正解が変わる 論理は「前提」「推論」「結論」の3つのプロセスで成り立っている。 そして「ロジカルシンキング」といえば、ややもすると「推論の妥当性」や「結論の良し悪し」に着目しがちだが、真に重要なのは「前提の置き方」だ。 「前提」を間違えば「推論」や「結論」はすべて間違うことになる。 逆を言えば「前提の置き方」次第で、ロジカルシンキングの「正解」はいくらでも変わる。 そしてロジカルシンキングは、帰納法や演繹法など「推論の仕方」は教えてくれるが「前提の置き方」は教えてくれない。 前提を覆す思考とは ロジカルシンキングのデメリット-2 :裏付けとなる事実は無数に存在する ロジカルシンキングは、事実の裏付けが伴って初めて説得力を持つ。 しかし、ある主張に関する事実は無数に存在する。 そして無数に存在する事実全てを収集し、検証することは物理的に不可能だ。 だとすれば、あなたの主張に対する「根拠」は、無数の事実の中から特定の事実だけを選ぶことになり、その選び方にあなたの恣意性が入ることになる。 よく「ロジカルシンキングは客観的である」といわれるが、それは幻想にすぎない。 だとすれば「ロジカルシンキング」を絶対の存在と盲信するのではなく、主張に合理性を持たせるためのツールとして捉えることが重要だ。 仮説思考を身につけるには ロジカルシンキングのデメリット-3 :論理を展開する「視点」は無数に存在する ロジカルシンキングによく登場する手法が「要素分解」だ。 そして要素分解をするには、必ず「視点」が必要となる。 例えば「売上を増やすには?」という問いに対して「要素分解の視点」を考えてみよう。 ざっと挙げると、以下の通りだ。 地区別に要素分解(=視点)して、売上が低い地区の売上を増やす。 顧客の年代別に要素分解(=視点)して、売上が低い年代の売上を増やす。 商品別に要素分解(=視点)して、売上が低い商品の売上を増やす。 客数と客単価で要素分解(=視点)して、どちらかを増やす。 新規顧客と既存顧客で要素分解(=視点)して、どちらかの売上を増やす。 … ここまでお読みになればわかる通り「売上を増やす」という目的に対する「要素分解の切り口」は無数に存在する。 そしてどのような「切り口」を想定するかは、結論を出すあなたが想定している「仮説」に依存する。 ロジカルシンキングは「要素分解が必要だ」とは教えてくれるが「要素分解の切り口」までは教えてくれない。 「要素分解の視点」は、ロジカルシンキングとは別の能力だ。 要素分解の視点を身につけるには ロジカルシンキングのデメリット-4 :因果関係が未来にも成立するとは限らない ある問題が存在しているとき、問題を生じさせている原因を特定することができれば、その原因を取り除いたり、変化させたりすることによって問題を解決することができる。 これがロジカルシンキングにおける「因果関係」の一般的な使われ方だ。 しかし変化が大きい現在においては、過去に成立した因果関係が将来も成立する保証はどこにもない。 今後は、過去の延長線上の未来を「想定」するよりも、過去とは異なる未来を「創り出す」ケースが増えてくる。 そのようなケースでは、ロジカルシンキングはほとんど意味を持たない。 必要なのは、未来を見通す洞察力だ。 洞察力・コンセプト力を磨くには ロジカルシンキングのデメリット-5 :ロジカルシンキングは意思決定には使えない ロジカルシンキングの最大の誤解は、それが意思決定の方法であると考えられていることだ。 ロジカルシンキングは意思決定のための「材料」を提供してくれるが、それだけで意思決定はできない。 もし論理だけで決められることがあるとすれば、それは人でなくてもできる意思決定だ。 解くべき問題を可能な限りロジカルに考え抜き、考え得る選択肢を並べたところで、前提条件が少しずれただけで結果は大きく変わってしまう。 複雑な現実を単純化・抽象化し、意思決定をしやすくするためにロジカルシンキングは必要不可欠だ。 しかし最後の最後、その結果を元に適切な判断を行うためには、意思決定者の高い見識が求められることを肝に銘じておこう。 ロジカルシンキングを逆手に取る方法 ロジカルシンキングの弱点を整理すると、下記の通りになる。 「前提」の置き方次第で「正解」が変わってしまう。 「事実」が無数に存在し、裏付けとなる事実の選び方に恣意性が入ってしまう。 論理を展開する「切り口」が無数に存在し「仮説」に依存してしまう。 因果関係が未来にも成立するとは限らない。 ロジカルシンキングと意思決定は別物。 ここまでお読みになって、あなたは「ロジカルシンキング=使えない」と感じてはいないだろうか?しかしそう考えるのは早計だ。 ロジカルシンキングのデメリットを理解するということは、別の見方をすれば、そのデメリットを逆手に取る視点を手に入れたということでもある。 前提は疑ってみるべき• 事実を疑い「例外」に着目してみるべき• 人とは違う切り口で物事を捉えてみるべき• 因果関係を疑ってみるべき• 「価値観」や「信念」に基づいた意思決定も検討すべき ロジカルシンキングを「ロジカルに」検証すると、様々なデメリットが見えてくる。 しかし、そのデメリットを逆手に取る視点が持てれば「ロジカルシンキングを越えた」思考スキルを手に入れるチャンスとなる。 それはつまり、当たり前を当たり前に考えない「イノベーティブ発想」であり「価値創造力」だ。 ビジネスに必須の思考法とは お知らせ:このブログから書籍化。 現在は「VUCAの時代」といわれるように、一寸先の未来すら読みにくい時代だ。 また、インターネットの発達によって情報が氾濫する近年は、情報のスピードに追いすがるのが精いっぱいとなり、情報ひとつひとつの「意味合い」や「解釈」が難しくなっている時代ともいえる。 しかしそんな時代だからこそ、数ある情報の中からいち早く重要なものを見抜き、左脳と右脳の両方を駆使して未来の仮説を見出す能力が求められる。 巷には「ロジカルシンキング」や「仮説思考」など様々な思考法が存在するが、重要なのは「思考法の理解」だけでなく「思考法の頭の使い方の理解」だ。 どんなに優れた思考法も「どのような局面で」「どのような手順で」「どのような頭の使い方をすればいいか?」がわからなければ優れた仮説は立てられず、実務に落ちない。 本書は、外資系コンサルティングファームと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、左脳と右脳を駆使してシャープな仮説を立てる際の「頭の使い方の手順」や「トレーニング方法」あるいは「習慣化する方法」を解説している書籍だ。 おかげさまでや、等、数多くのメディアで取り上げていただいた。 Amazonレビューでも、• 事例が多いので、理屈だけでないコツや感覚が身に付いてくる実感がある• R25の自分でも、読後すぐにインプットした内容を行動に移せる• ここ5年で読んだ本の中で、一番実践的な名著 など、ありがたいコメントを頂いている。 もし、あなたが「ロジカルな仮説を立てるための頭の使い方が知りたい」と思うなら、ぜひ本書をチェックしてみてほしい。 ロジカルシンキングの本|おすすめ書籍4冊 締めくくりに、あなたにおすすめできる「論理的思考能力を高める本」を紹介しよう。 選定した基準は下記の通りだ。 以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。 実際に戦略立案実務や事例共有に役立っているロジカルシンキング関連書籍。 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるロジカルシンキング関連本。 もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。 ロジカルシンキング本おすすめ書籍-1:ロジカルシンキング 本書は、ロジカルシンキングを学ぼうと思ったら誰もが通るベストセラーであり「ロジカルシンキングの名著」だ。 著者である照屋氏はマッキンゼーのエディターとして活動した経験を持っており、マッキンゼーを一躍有名にした書籍としても知られる。 本書は「ピラミッドストラクチャー」や「MECE」「So What? 」など、今では当たり前のように使われるビジネスパーソンの「基本作法」を、日本に普及させた名著と言ってよい。 この書籍は多くのビジネスパーソンにとって「ロジカルシンキングの登竜門」的位置づけと言って良いだろう。 もし、あなたが「理解」を越えて「ロジカルシンキングを使いこなしたい」なら、ぜひ一読を勧めたい必読書だ。 ビジネスの現場では、レポーティングや業務メール、あるいは提案書など「自分の考え」を文章に落とす局面は多い。 本書は、ベストセラーとなったバーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」の翻訳者が著した、日本人向けのロジカルライティングの書籍だ。 ロジカルライティングは、ロジカルシンキングと異なり、常に「相手」を想定しなければならない。 本書の特筆すべき点は、ロジカルシンキングを「相手に合わせて」「文章に落とす」実行可能な方法論を、徹底的にわかりやすく解説してくれていることだ。 ビジネスとは、突き詰めれば人と人との間にある営みだ。 しかし「自分が伝えたいことをロジカルに伝える」ことはできても「相手が知りたいことロジカルに伝える」ことができる人は、そう多くない。 もし本書を手に取れば、あなたは「ロジカルシンキングを相手に伝わる形に変換する」スキルを身に付けることができるはずだ。 ロジカルシンキング本おすすめ書籍-4: 賢さをつくる もはや正解が存在しない現在では、ロジカルシンキングを越えて「どのように視座・視野・視点を切り替えて」「物事を捉えるか?」が問われてくる時代だ。 本書は「具体」と「抽象」の往復運動を「頭の良さ」と定義した上で、• ロジカルシンキングは、物事を論理的に深掘りしてくタイプの思考法だ。 しかしそれに加えて本書が提示する「具体と抽象を往復する思考法」を身につけることができれば「自由自在に発想を広げる」ことが可能になる。 もしあなたが「論理的思考は得意だが、概念を捉えるのが苦手」と感じているのなら、ぜひ一読をお薦めする。

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思考力を上げるにはシンプルなワークで十分です【ゼロ秒思考:赤羽雄二】

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昨今、ビジネスを取り囲む環境はますます複雑性を増しています。 そうした中、情報を整理して分析したり、それをベースに意思決定を行ったり、さらにそれを人に伝えたりということが、より難しくなりつつあります。 雑多な情報をなんとなく眺めていても、その情報群がどのような意味合いを持つのかを把握することは難しく、そこで立ち止まっていては、生産性は上がりませんし、時には間違った判断をしかねません。 たとえば、50人の人員を擁するある部門のパフォーマンスが伸び悩んでいるとしましょう。 そこで、部員たちのスキルレベルとモチベーションレベルについて、簡単な定量調査に加え、ヒアリング調査を行ったところ、以下のような意見がよく見られました。 「とにかく管理職は仕事が忙しそうで、十分なコミュニケーションがとれない」 「仕事にやりがいがない」 「MBO(目標管理)はよいと思うが、実施者によるばらつきが大きすぎる」 「部門内の業務分担が不適切と感じる」 「上司の言っていることとやっていることが合致していない」 さて、あなたなら、ここで集まった情報をどのように整理し、分析につなげるでしょうか? 一番悪いパターンは、目立つ意見だけに着目して、対症療法的な施策を打つことです。 たとえば「管理職の仕事が忙しい」というコメントが目立ったからといって、管理職にサポート人員をつけるという対症療法を行ったとしても、それが奏功するとは限りません。 むしろ、そのサポート人員の管理に時間がとられ、管理職の仕事がさらに忙しくなるようでは本末転倒です。 ポイントは、全体を俯瞰的に捉え、問題の構造をより立体的に把握することです。 その際、仮に定性コメントが300件あったとしたら、それをランダムに並べてみてもあまり有効な仮説は得られないでしょう。 そこで登場するのが、 フレームワークを用いて情報を整理し、意味合い(課題や解決策に関する仮説など)を考えるという「フレームワーク思考」です。 フレームワークとは日本語にすれば 「枠組み」です。 「モレやダブりがないように」意識しながら、何らかの枠組みを設けて情報を整理すると、全体の俯瞰が容易になり、意味合いも引き出しやすくなるのです。 それにより意思決定や施策の適切さやスピードも格段に上がります。 今回のケースであれば、 ・リーダー、組織文化の問題 ・業務付与・目標設定に関する問題 ・部員のスキルに関する問題 ・部員のモチベーションに関する問題 ・権限やリソースの問題 ・職場環境の問題 などの枠組みを作り、情報を整理した上で、全体を俯瞰します。 そうして、最も大きな問題と思われる個所や、各要素間のバランスの悪い個所を見極めていくのです。 情報量が増せば増すだけ、こうしたフレームワークを用いることで業務の効率性は高まるのです。 ゼロベースもいいけれど… 巨人の肩に乗ろう! さて、先の ・リーダー、組織文化の問題 ・業務付与・目標設定に関する問題 ・部員のスキルに関する問題 ・部員のモチベーションに関する問題 ・権限やリソースの問題 ・職場環境の問題 という枠組みは、職場の問題を整理する際のフレームワークとして、今回、私がオリジナルに考えたものです。 オリジナルのフレームワークは、それを考えること自体が勉強にもなりますし知的トレーニングにもなるので、能力開発という意味ではお勧めです。 一方で、現実の問題解決の場などにおいて、毎回、テーマに合わせて分析のための枠組みを一から考えるのでは効率は悪くなってしまいます。 そこで知っておくといいのが、 定番のビジネスフレームワークです。 たとえば、 事業戦略についてヒントを得たいのであれば、「3C分析」というフレームワークが非常に有効です。 これは、事業に関わる事象を、 市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)という枠組みでまとめるもので、これを用いれば、たとえば「競合のことを考えるのを忘れていた」というミスを避けることができますし、ビジネスに関する効果的な示唆についても仮説を立てやすくなります。 あるいは、 業界の魅力度を知りたいというのであれば「5つの力分析」というフレームワークが非常に役に立ちます。 この「5つの力分析」をしっかり行えば、「儲けにくい業界に参入して、努力のわりに利益を上げられない」という落とし穴を避けやすくなるのです。 またあるいは、 マーケティングで市場へのアプローチを考える際には、「4P」が有効です。 4Pは Product(製品)、Price(価格)、Promotion(コミュニケーション)、Place(チャネル)のことで、ターゲットやポジショニングに合わせてこれらの整合性をとりつつ具体的な施策を考えると、マーケティングの効果が高まることが確認されています。 こうした定番のフレームワークは、経営学者がアカデミックな研究に基づいて提唱したものもあれば、コンサルティング会社がコンサルティング活動の実践を通じて開発したものもあります。 いずれにせよ、どれも「先人の知」が詰まったものです。 ビジネスに限らず、あらゆる人間の営みについて言えることですが、先人の知恵を活用するのと、ゼロベースで一から考えるのでは、スピードや効率性に格段の差が出てきます。 囲碁や将棋で定石(定跡)を知っている人と知らない人が対戦するシーンを想像しても、それは明らかでしょう。 長年の実証にも耐え、その有効性が認められた先人の知恵を知っておくことは、ビジネスパーソンが業務効率を上げる上で非常に有効なのです。 ビジネスの基本フレームワークは 世界で戦う必要条件 さらに言えば、こうしたフレームワークはいまや世界のビジネスリーダーの常識となっています。 その理由の一つは、世界のビジネスリーダーの多くが、経営大学院などで経営学を体系的に学習していることにあります。 経営大学院では、たとえば経営戦略論であれば、先の3Cや5つの力分析はもちろんのこと、ほんの一部をとりだしても、「アドバンテージ・マトリックス」「バリューチェーン」「3つの基本戦略」「ビジネスモデル」「戦略キャンバス」「VRIO」「PPM」「アンゾフの事業拡大マトリックス」などといった定番フレームワークを、何回も何回も授業を通じて教え込んでいます。 先ほどの囲碁将棋の例に例えれば、何十あるいいは百数十の定石(定跡)が徹底的に頭に叩き込まれているのです。 そうしたリーダーたちと競争をする際に、 「自分はそうしたフレームワークは知りません」ということでは、圧倒的に不利な立場から戦わなければならなくなってしまいます。 勝てる可能性はかなり低くなるでしょう。 グローバル競争が激しさを増す昨今、世界のライバルが知っている定石(定跡)を自分も知っておくことは必要条件といっても過言ではないのです。 ただ、フレームワークを学ぶ際には注意点があります。 ビジネスフレームワークは有効なツールですが、往々にして多くのビジネスパーソンは、その表層的な「型」だけを見て理解したつもりになりがちです。 忙しいビジネスパーソンにはやむを得ない部分もあるのですが、フレームワークの「型」だけを知っていても、有効な示唆は引き出せませんし、時としてそれは誤った結論を招きかねません。 最低でも、ある程度は他人に説明できる程度にはフレームワークに対する理解を深めることが必須です。 フレームワークの多くは理論的な背景を持っています。 たとえば先述の5つの力分析であれば、産業経済学の裏付けや実証研究があるのです。 単に5つの箱を並べるのが5つの力分析の趣旨ではありません。 業界のダイナミズムなども意識した上で、業界の収益性に影響を与える経済性等に迫っていかないとこの分析の意味がないのです。 フレームワークの学習に当たっては、まずは使いどころや背景にある論理、他のフレームワークとの関係等を押さえることが第一歩です。 新刊書籍では、ビジネスパーソンが必ず押さえておきたい50のフレームワークを厳選して紹介・解説しています。 まずはここに載っているフレームワークから学び、実践で活かしていただけたらと思います。 その上で余裕ができてきたら、それぞれのフレームワークの原典に当たり(例:5つの力分析であればマイケル・ポーター教授の著書『競争の戦略』)、より根源的な理解を深められることをお勧めします。 それが結果として、骨太の理解を促し、ビジネスの力を高めることにもつながるからです。

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知らないと恥ずかしい思考法の基礎の基礎!フレームワークの目的は、欠点をみつけることと客観性を得ること!

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新入社員の報連相研修で、受講者が「目的思考」をより深く実体験し、レベルアップするためのワークについて解説します。 * * * 仕事ができる人は『目的思考』を身につけている 「新入社員の報連相研修で伝えておきたい3つの重要ポイント」について連載していますが、は『仕事の意味・目的を考える』について、その重要性をお伝えしました。 振り返りのポイントは、次の3点です。 1)仕事ができる人は『目的思考』を身につけている 2)部下は、上司の言った通りの事をやらせていると、上司の言った通りの事しかしなくなり、やがて上司の言った通りの事も出来なくなる 3)仕事ができる部下を育てている上司は、部下が自分の仕事の進め方を自立的に工夫するよう、考えるクセを付けさせている 今回は、新入社員の報連相研修で、受講者が『目的思考』をより深く実体験するためのワークについて解説していきます。 「名札の目的は?」~目的思考を実体験するための研修ワーク(その1) 新入社員の報連相研修で受講者に目的思考を実体験してもらうためのワークとして、まず一つ目に紹介するのは「名札の目的は?」というワークです。 このワークを行うためには、受講者には研修の最初から名札を付けてもらう必要があります。 受講者に付けてもらう名札は、安全ピンで服に留めるタイプのものではなく、必ずヒモで首にかけるタイプのものを使用します。 そして、名札のヒモは事前にあえて一番長くしておきます。 研修が始まったら、講師は受講者に「名札を書いて、首にかけてください」とだけ伝えます。 このとき講師は「相手に見えるよう、ヒモを短くしてください」とか「大きな文字で書いてください」とは説明しません。 すると受講者は名札を付けますが、ヒモが長くて身につけた名札が机に隠れてしまったり、見えづらい小さな文字で書いていたり、身につけた名札のヒモが捻じれて名札が裏返し(白紙側)になっていたり、という状態になりますが研修はあえてそのまま進行します。 研修が進み、1回目の休憩を取り終えたあと、講師はおもむろにホワイトボードなどに「名札の目的は?」と大きく書き、受講者に「名札の目的は何でしょう?少しグループで意見交換をしてください」と促します。 各グループで話し合うと、「名札は、相手に自分を知ってもらうため」とか「コミュニケーションをとりやすくするため」とか「相手に安心感を与えるため」といった意見が出てきます。 そして受講者は話しながら、自分たちの今身につけている名札が相手に見えない状態であることに気がつき、自主的に自分の名札を直しはじめます。 そこでワークは終了です。 ふり返りとして、講師からは次のポイントを説明します。 「間違い探し」~目的思考を実体験するための研修ワーク(その2) 目的思考を実体験すためのワークの二つ目は、以前でご紹介した「間違い探し」のワークにもう一工夫をして行うものです。 その一工夫とは、ワークの達成条件を複雑にするというものです。 間違い探しのワークでは、基本的に名札のときと同様、必要なシートを配布した後「ルール1.自分の紙を直接相手に見せてはいけません」「ルール2.制限時間は30分」「ルール3.ワークを達成したグループは、私に報告に来てください」という、ルールだけを受講者に伝え、ワークの意味や目的(ワークの達成条件)はあえて伝えずに開始します。 受講者は渡されたシートが間違い探しであることに気がつき、お互いに情報交換を行って間違いを全て探し出し、講師に報告に来ます。 しかし、間違いを全て見つけてもワークは達成できません。 なぜならワークの達成条件は「間違いをすべて見つける」ことではないからです。 どういう言うことかというと、例えば間違い探しの絵が「動物たちがサッカーをしている絵」だったとして、ワークの達成条件は「間違い探しに出ている動物の種類を全て答えなさい」や「ゼッケン6番8番11番の動物は、それぞれ何をしているか?」といった、間違い探しとは全く別なところにワークの達成条件があるからです。 ワークの達成条件(仕事の意味目的)は何ですか? このワークで制限時間内にワークを達成する受講者は一割にも届きません。 それは受講者がこのワークを達成するためには、受講者自身が講師に「このワークの達成条件は何ですか?」と、自ら「ワークの達成条件」(仕事の意味目的)を確認することが絶対条件となっているからです。 受講者は間違いを全て探しても、講師からは「違います」としか言われないため、もっと細かな間違いが隠れているのではないかと頻繁に報連相を行います。 しかし、いくら細かな部分に目を凝らしてもワークを達成することはありませんので、受講者たちのモチベーションは徐々に低下し、やがて制限時間をむかえてワーク終了となります。 ワークの終了後、振り返りとして講師は次のポイントを伝えます。 ・目の前に仕事があると、人はその仕事の意味や目的が分からなくても、とりあえずは手段思考で動いてしまう ・最初はそれでも仕事を楽しくできるが、やがて仕事は行き詰る ・自分に与えられている仕事の意味や目的を理解していなければ、求められている成果には繋がらないし、やがては自分のモチベーションもコントロールできない状態に陥る ・皆がワークの後半に受けたモチベーションの低下とストレスは、実際の仕事でも皆に訪れるし、そのときは今回のように制限時間で区切って答えを教えてくれる人はいない。 手段思考で仕事に臨んでいる人は、そのとき今回のワークで経験した何倍ものストレスを数か月間受け続けることになるし、当然自分のモチベーションもコントロールできなくなる 受講者には、そのポイントを伝えた後、さらに感想共有をしてもらい、ワークは終了となります。 知っていることと、していることは違う 受講者は研修中の座学や名札のワークなどで十分に目的思考の大切さを理解しています。 ですが、いざ目の前に仕事(研修中はワーク)が発生すると「あらためて仕事の意味目的を考える」ことや「仕事の意味目的に立ち返る」ことを忘れ、目の前の仕事に没頭します。 まさに『手段思考』と言えるでしょう。 私はよく受講者に、『知っていることと、していることは桁違い』という言葉を贈ります。 人は知っていると、ついできている気になってしまうものです。 受講者には、頭で知っていることと、実際に自分が実践できることは一桁違うということを、ワークを通じて実体験してもらうことが大切です。 目的思考を実際の仕事に役立ててもらえれば、新入社員の報連相は必ずレベルアップすることでしょう。 延堂溝壑(えんどう こうがく) 本名、延堂良実(えんどう りょうま)。 溝壑は雅号・ペンネーム。 一般社団法人日本報連相センター代表。 ブライトフィート代表。 成長哲学創唱者。 なお、本稿は糸藤正士氏に著作権のある『真・報連相』を、著作権者の承認を得て使用している。

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