あした の ジョー 最後。 あしたのジョー(アニメ・漫画)のネタバレ解説まとめ

矢吹丈

あした の ジョー 最後

ちばてつや…寡作の漫画家 ちばてつやは手塚治虫よりほぼ10年後の生まれであり,1938年生まれの石森章太郎,松本零士と同じ世代ということになります。 漫画家としてデビューしてから10年ほどは少女マンガと少年マンガの両方の世界で活躍するという珍しい経歴をもっています。 ちばてつやはほぼ40年にわたり執筆活動を続けましたが,その間に発表した作品はwikipedia に掲載されている範囲では27作品に留まっています。 人気漫画家の範疇では手塚治虫や石森章太郎を「多作の人」の代表とするならば,ちばてつやは「寡作の人」の代表ということになります。 その中で下記のような漫画賞を受賞しています。 第3回講談社児童まんが賞 |1・2・3と4・5・ロク,魚屋チャンピオン 第7回講談社出版文化賞児童まんが部門|おれは鉄兵 第23回小学館漫画賞青年一般部門|のたり松太郎 第6回日本漫画家協会賞特別賞|のたり松太郎 ちばてつやの代表作といえば「あしたのジョー」ということになりますが,なぜかこの作品は漫画賞を受賞していません。 1960年代と70年代の「講談社まんが賞」の受賞履歴を下表にまとめてみました。 同時期の作品に比しても,社会的反響の大きさからも「あしたのジョー」が選定されてもまったくおかしくはありません。 このことからこの時期の漫画賞の選考基準がどのようなものであったかを推測することができます。 やはり,ジョーが犯罪を犯し「特等少年院」に送致されるところから物語が始まったところが当時のマンガのあるべき姿から逸脱しているという評価をされたのではないでしょうか。 ちばてつやが少年誌あるいは一般誌に連載した作品の主人公は「ハリスの旋風の石田国松」,「あしたのジョーの矢吹丈」,「おれは鉄兵の上杉鉄兵」,「のたり松太郎の坂口松太郎」のように社会的な規格を大きく逸脱した人物となっています。 このような社会の規範からはみ出した人物像がちばてつやの一つの理想像のようです。 「あしたのジョー」の場合はそのような行動が反社会的な犯罪にまで進んでしまったため漫画賞の選考委員の評価を下げたのでしょう。 当時の漫画では「不良」を主人公にした反社会的な匂いのする作品などはほとんど先例がありませんでした。 この辺りの設定は先行する「巨人の星」の主人公である優等生の星飛雄馬の正反対のものです。 それは原作者の「高森朝雄(梶原一騎)」の持ち味の一つであり,ちばてつやのテイストにも合致していたようです。 ジョーの少年院送致はこの物語の原点となっており,普通の感覚ではどん底ともいえる少年院やドヤ街の生活からボクシングを通してあしたを目指すことが物語の骨格となっています。 それが原因で漫画賞を逃したのであればずいぶん気の毒なことだと考えます。 初期設定を少年院以外の環境に置くことも可能かもしれませんが,少年院を舞台においたとしても物語全体が反社会的だという評価にはならないと考えますが,1960年代末の少年誌の倫理的規範からすると仕方がないのかもしれません。 漫画賞を受賞しなくても,個人的には「あしたのジョー」はちばてつやの代表作であり,同時期のマンガ作品と比較しても燦然と輝く金字塔であると評価しています。 最初はKCコミックス(全20巻)によるものであり,これは扱いが悪かったこともありボロボロになってしまいました。 1970年代になると第一次漫画文庫本ブームとなりました。 ちばてつや漫画文庫が講談社から刊行され「あしたのジョー」を含め全作品を揃えました。 その頃は毎月のように書店に通い,その月に刊行されたものを買い求めていました。 当時は漫画の文庫化が流行っており,小学館も同じように有名作品を文庫化しています。 文庫本はサイズが小さく保管には便利なので好きな作品はほとんど揃えました。 しかし,文庫本には大きな欠点がありました。 絵が小さすぎて迫力がないし,ネーム文字も比例しないまでも小さくなります。 これでは少し老眼が入るととても読みづらくなります。 さらに,第一次漫画文庫本ブームはじきに終焉し,新しい作品は刊行されなくなりました。 そのため,我が家の文庫本はすべて処分し,新しく新書版で買い直したり古本屋から購入することになりました。 文庫本の処分により我が家の「ちばてつや」作品は一点も無くなってしまいました。 当時,ビッグコミックに連載されていた「のたり松太郎」は揃えることはできましたが,「あしたのジョー」は古本屋でも入手困難でした。 ところが,1993年に「完全復刻版」が刊行されました。 これは連載終了後20年を記念してのイベントなのでしょう。 私はこの情報にしばらく気が付かず数年が経ってから本屋で注文したところ,第8刷となっていました。 連載終了後も「あしたのジョー」の高い人気が分かります。 こうして,我が家の書棚には久しぶりに「あしたのジョー」が並ぶことになりました。 この頃の講談社の完全復刻版としては「ゲゲゲの鬼太郎(水木しげる)」,「デビルマン(永井豪)」も並んでいます。 梶原一騎原作の二つのスポーツ漫画 「あしたのジョー」は1968年1月から1973年6月まで少年マガジンに連載されました。 原作者の梶原一騎はこの作品では高森朝雄という異なるペンネームを使用しています。 少年マガジンには「あしたのジョー」より1年半先んじて1966年6月に「巨人の星(原作:梶原一騎,作画:川崎のぼる)」の連載が開始されています。 原作者のペンネームを変えたのは,すでにスポーツ根性ものとして少年マガジン誌上で人気作品となっていた「巨人の星」と同系列の作品であると読者が先入観をもつことを編集部サイドが危惧したためとされています。 少年マガジン誌上ではこの二大スポーツ漫画の人気が沸騰し,同誌の発行部数は飛躍的に増大しました。 しかし,「巨人の星」は飛雄馬が巨人軍に入団してからは荒唐無稽な魔球に手を染めるようになり,リアリズムからはどんどん離れていきました。 それに対して「あしたのジョー」は(一部にリアリティを失する場面はあるものの)最後まで本格的なボクシング漫画として成長していき,あの伝説の最終場面に到達します。 スポーツ漫画としてどちらの作品がより歴史的評価に耐えられるかは明らかです。 黎明期のなんでもありの状態から,次の段階として非超人の人間が活躍する作品ではマンガといえども一定のリアリズムが要求されるようになっています。 「梶原一騎」という当時の売れっ子原作者をもつ作品でも,「川崎のぼる」は原作をそのまま絵にし,「ちばてつや」は自分の感性に合わせて原作を改変したようです。 連載が終了して40年も経過し,梶原一騎はすでに鬼籍に入っています(1987年死去)が,ネットの普及によりちばてつやと梶原の関係についてもいくつかのエピソードをチェックすることができます。 一つは漫画家と原作者の関係です。 ちばてつやは少女漫画からスタートしましたが,「あしたのジョー」の連載を始める前に「紫電改のタカ」,「ちかいの魔球」および「ハリスの旋風」を発表しており,少年漫画においても大きな地歩を占めていました。 当時の漫画界では一流の仲間入りを果たした漫画家が原作物を手掛けることは敬遠されていました。 ちばてつやが(おそらく編集部がおぜん立てをした)原作付きのボクシング漫画に同意した理由は「ハリスの旋風」の一部で描いたボクシングに本格的に取り組んでみたいという願望があったからと伝えられています。 また,主人公の設定がちばてつやの感性に合致していたことも大きな理由だったのでしょう。 当時の梶原一騎は原作の改変を激しく嫌うことで有名でした。 それに対してちばてつやは作画を引き受けるにあたり,「時と場合に応じてこちらの方で原作に手を加えさせてくれ」と注文をつけました。 担当編集者が恐る恐る梶原にその旨を伝えたところ,梶原は「手塚治虫とちばてつやは別格だ,いいでしょう」と快諾しました。 ところが,連載1回目にちばてつやはいきなり「話の導入部がわかりづらい」と梶原の用意した原稿を丸々ボツにして新たに第1話のストーリーを作り上げました。 「好きに手を加えてくれ」と言った梶原もさすがにこれには激怒し,連載を止めるとまで言い出して編集者が梶原を説得し,何とか継続させるほどの大騒ぎにななりました。 (wikipedia あしたのジョーより引用) 力石徹の過酷な減量エピソードはちばてつやと梶原一騎の設定確認の行き違いによって生まれたものです。 原稿には力石とジョーの身長差などは設定されてません。 「ハリスの旋風」に見られるようにちばてつやは彼我の体格差を強調する描写が持ち味となっています。 原稿の内容からちばてつやは特等少年院でも無敵の力をもつ力石を(西のように)大柄な体格の人物として解釈しました。 そのため,ジョーと力石の初対面のシーン(豚と一緒に脱走を図る)において,力石の身長をジョーより頭一つ分高く描いてしまいました。 発行された誌面を見た梶原はこの身長差では二人が同じ階級で戦えないということに気付き,後に話のつじつまを合わせるため力石に過度の減量を強いることになります。 ジョーとの試合後に力石が死亡する件については,ちばてつやは大反対し激論になったというエピソードもあります。 ちばてつやは漫画家として当時,飛ぶ鳥を落とす勢いの原作者に対して一歩も引かずに自分の作品として描こうとする姿勢が伝わってくるエピソードです。 (wikipedia ,他より引用) 当時の梶原一騎は連載を何本も抱え超多忙であり,「あしたのジョー」の原作も滞りがちでした。 そのため,物語の後半のストーリーはほとんどちばてつやが考えていたとされています。 「あしたのジョー」を不朽の名作に押し上げたのは最終回の真っ白に燃え尽きたジョーの姿でしょう。 この最終回に関しては次のようなエピソードが残されています。 梶原が最初に作った最終回は「ホセ・メンドーサに判定で敗れたジョーに段平が『お前は試合では負けたが,ケンカには勝ったんだ』と労いの言葉をかけるものでした。 ラストシーンは白木邸で静かに余生を送るジョー見守る葉子の姿」というものでした。 しかし,その原稿を手渡されたちばてつやは「今まで死ぬ思いでボクシングをやってきたのに,最後の最後で『ケンカに勝った』はないだろう! 」と猛反発し,「結末は自分が作る! 」と梶原にねじ込んだそうです。 多忙なスケジュールに追われていた梶原はあっさりとこれを承諾しました。 このような経緯で最終回はちばてつやが考え出すことになりましたが,それは容易なことではありませんでした。 彼はアシスタントと一緒に20通りものアイディアをひねりだしても納得がいくものはありませんでした。 締め切り時間が迫る中で悩んでいたちばてつやに作品を最初から読み返していた当時の担当編集者がジョーが紀子に「ほんの瞬間にせよ,まぶしいほどまっ赤に燃えあがるんだ。 そしてあとにはまっ白な灰だけが残る。 燃えかすなんか残りやしない。 まっ白な灰だけだ」と語るシーンを発見し,「これこそあしたのジョーのテーマではないか!」と進言しました。 ちばてつやはこの意見に同意し,あの伝説となったラストシーンを描き上げました。 その後,5日間は何もできず,ご飯もおかゆしか食べられなくて家族も心配していたと週刊誌の取材に述べています。 (wikipedia より引用) 連載終了後しばらくちばてつやはジョーの絵が全く描けなくなったそうです。 また後年,「今でもたまにジョーや力石のイラストを描くが,あの頃の迫力には全く及ばない」とも語っています。 まさに,この作品は30代のちばてつやが心血を注いだ作品となりました。 実際,「あしたのジョー」が進行するとちばてつやは他の連載をすべて断り,「あしたのジョー」に専念していました。 苦吟の結果に生まれた「真っ白に燃え尽きた」ラストシーンを見て梶原一騎は「この漫画は君のものだ」と告げたそうです。 ジョーが特等少年院に送致される 東京の片隅にあるドヤ街からこの物語は始まります。 ドヤ街の一角にある玉姫公園でジョーは丹下段平や太郎たちと出会います。 ジョーのケンカする姿の中にボクサーとしての素質を見出した段平はジョーと契約し風来橋(泪橋)の下に小屋を立て,ささかなボクシングジムを開くことになります。 しかし,ジョーは太郎たちと遊び歩きボクシングにはまったく身が入りません。 そんな中で詐欺事件を起こしジョーは鑑別所に収監されます。 ボクサーを育てる夢を捨てられない段平は独房にいるジョーに葉書を出します。 そこには「あしたのために・その1,ジャブ」とあり,下記のような内容が記されています。 攻撃の突破口をひらくため,あるいは敵の出足を止めるため,左パンチをこきざみに打つこと。 このさい,ひじを左わきの下からはなさぬ心がまえで,やや内角をねらい,えぐりこむようにして打つべし。 せいかくなジャブ3発に続く右パンチは,その威力を3倍にするものなり。 これを読んだジョーはいったん葉書を細かく引き裂いてしまいますが,独房における退屈をまぎらわすために再び組み合わせて内容をじっくり読みます。 段平の葉書のように繰り出したジャブは「シュッ」と空気を切る音がします。 ジョーは正しいパンチが大きな威力をもつことに気が付き,退屈しのぎもありひたすらジャブに取り組みます。 観察期間が終了し大部屋に移されたジョーは西が仕切る部屋のリンチに遭遇します。 さらに,夕食を取り上げられるに及んで大部屋のメンバーを段平直伝のジャブでたたきのめします。 ジョーは再び独房に戻され,裁判の結果,特等少年院に送致されることになります。 現在ですと少年審判のケースですが当時は家裁の裁判の形になっていたようです。 この裁判の席上でジョーは白木葉子と対面します。 力石との邂逅 特等少年院では西と同じ部屋に入れられ,(当然のように)収容生と問題を引き起こします。 ジョーは脱走のチャンスを待つことにします。 そんなとき,模範収容生の力石が段平からの葉書(あしたのためにその2・右ストレート)を届けに来ます。 豚の一群とともに脱走しようとしたジョーは力石により阻止され,プロの本格的なパンチの威力に驚きます。 ジョーの関心は脱走から打倒力石に向かいます。 ジョーから通信教育の追加を催促された段平は白木葉子の学生慰問団と一緒に少年院に入ります。 院内の雨天体操場で行われた劇の途中でジョーはミスキャストの茶番という捨て台詞を残して席を立ちます。 白木葉子の祖父は力石の後援者という関係もあり,再びジョーと力石は拳でまみえることになります。 そこに駆け付けた葉子にジョーは学生慰問団が彼女自身のためにやっているのではと看破します。 院内では(当然ですが)私闘は禁止されていますので,葉子の提案で1週間後にボクシングという形で決着をつけることにします。 段平はなまじの特訓ではすでにプロボクサーとして大物の力石には対抗できないと必殺技をジョーに身をもって教えます。 ジョーは完全に気を失って倒れ,それを見た人々は段平を責めますが,彼は「これはあしたのために・その3なのだ」とつぶやき倒れ込みます。 この「あしたのために」という言葉は葉子の胸に深く刻まれることになります。 1週間後の試合は段平の進言によりダウン無制限の条件で行われます。 けんかではなくボクシングに徹した力石の強さは本物であり,ジョーは何度となくダウンさせられます。 そして,力石がとどめのストレートを繰り出したときロープの反動を利用したジョーの右のクロスカウンターがさく裂しダブルノックアウトになります。 この壮絶な試合に感動した収容生の間でボクシング熱が沸騰します。 寮の対抗試合における青山との試合でジョーは防御の重要性を学ぶことになります。 しかし,力石は対抗試合の途中で出所することになり,二人の対決はプロのリングに持ち越されます。 葉子と紀子 出所したジョーは風来橋(泪橋)の下にある丹下ボクシングジムからプロ入りを目指します。 とはいうものの生活費を稼がなければならないのでドヤ街にある林屋という乾物店で西とともにバイトをすることになります。 ジョーは林屋の一人娘で高校生の紀子が葉子とそっくりなことに驚きます。 「あしたのジョー」に出てくる主要な女性キャラクターは葉子と紀子だけです。 紀子はジョーに出会ってからすぐに彼に好意をもったようです。 彼女の造形はちばてつやの少女漫画にしばしばでてきており,ちばてつやのお気に入りのキャラクターです。 しかし,葉子は容姿こそ紀子に似ていますが,ちばてつやのそれまでの漫画には登場していないキャラクターであり,こちらは梶原一騎による設定ということなのでしょう。 どちらもジョーに好意を寄せることになりますが,三角関係のような展開にはなりません。 「あしたのジョー」は硬派の拳闘漫画に徹しています。 それでも二人の女性は物語の中でそれぞれ重要な役割を果たします。 葉子はどん底まで落ちたジョーを復活させ,パンチドランカーの心配を払しょくし,世界タイトルに向けて野生の勘を取り戻させるように仕向けます。 紀子は丹下ジムに出入りするようになり,なにかとジョーの身の回りの世話を焼きます。 そして,たった一度のデートでジョーの人生観を引き出します。 このときジョーが語った内容が物語の最終回を決定づけます。 丹下ボクシングジムのライセンス 丹下ボクシングジムはかっていくつもの問題を起こしたため,他のジムの会長たちの反対により日本ボクシングコミッショナーからライセンスが交付されません。 そのためジョーは一計を案じます。 新人王決定戦でバンタム級の新人王となったアジア拳の「ウルフ金串」とのけんかに持ち込んだジョーはクロスカウンターで相打ちとなります。 これがマスコミの格好の話題となり,ウルフ金串の名誉回復をめざすアジア拳会長の強引な主張により丹下ジムのライセンスが交付されます。 西とジョーはB級ライセンスを取得し,ドヤ街の人々はそのお祝いにかけつけます。 彼らが届けてくれた酒やごちそうは新聞記者の乗ってきた自動車を分解して売り払ったお金で仕入れたというおちも付いています。 この辺りは梶原節ではなくちばてつや節なのでしょう。 プロ入り後の初戦でジョーはノーガードで打たれながらクロスカウンターの一撃でKO勝ちを収め,その後も順調に勝利を重ね,ウルフ金串との一戦を迎えます。 ウルフはジョーのクロスカウンターを逆手に取るダブル・クロスでジョーをマットに沈めます。 何回かのダウンの末にダブル・クロスのタイミングを体で覚えたジョーはダブル・クロスに合わせたトリプル・クロスカウンターでウルフをKOします。 ウルフはあごを複雑骨折し,引退を余儀なくされます。 力石との死闘 ウルフとの試合結果を見届けた力石は「おれの姿が見えるか,おれの声が聞こえるか,次はいよいよおれの番だ!」と話しかけ,バンタム級に向けて減量を開始します。 現在はバンタム級やフェザー級は2つに区分されていますが当時はバンタム級が115-122ポンド(52. 2kg-55. 3kg),フェザー級が122-130ポンド(55. 3kg-59. 0kg)だったと思われます。 本来ならウエルター級の体格をもつ力石は厳しい節制によりかろうじてフェザー級を維持していますが,バンタム級に移るにはさらに4kgの減量が必要です。 そのため,自分の意志で過酷な減量を開始します。 バンタム級転向の初戦で力石はひどく痩せた姿をさらし,ジョーとの戦いの主要武器となるアッパーカットを披露します。 このアッパーカットはジョーの必殺技であるクロスカウンターを完全に封じるものであり,段平はそのことに気が付き戦慄します。 力石との一戦は後楽園ホールで行われ,ジョーは腰の引けたショートフックで対抗しますが,一発必殺のアッパーカットに比べて分の悪い闘いとなります。 そして,ねらいすました一打をあごに受け倒されます。 試合の帰趨はもう誰の目にも明らかです。 第6ラウンドにジョーが苦し紛れにはなった大振りのパンチが力石のテンプルをとらえ,力石は転倒するとき最下段のロープに後頭部を打ちつけます。 立ち上がった力石はジョーが得意とするノーガードでジョーに迫ります。 丹下会長はトリプル・クロスを危惧してジョーに声をかけます。 足を使って逃げていたジョーは対抗策として自分のノー・ガートにすることを思いつき,二人は先に手を出せないままリングでにらみ合いとなります。 第7ラウンドになっても両者のにらみ合いは続き,観客の罵声に背中を押されるようにジョーがダブル・クロスをしかけます。 しかし…,ダブル・クロスの右ストレートはかわされがら空きになった顔面に力石のアッパーカットがさく裂します。 ジョーにとっては最初で最後のテンカウントKO負けとなります。 ジョーがリング下で握手を求めると力石は手を差出しそのまま倒れ,控室で死亡します。 力石に奇妙な友情を感じていたジョーはひどいショックを受けます。 控室で横たわる力石の顔には白い布がかけられており,ジョーは二度その布をめくり,持てる力を出し切って宿敵を倒した満足な死に顔を眺めます。 世界戦までの道のり 宿敵という関係ではあれ,おそらくジョーにとっては力石はもっとも身近に感じた人間であったことは確かでしょう。 玉姫公園でつっぷしたジョーの姿を木陰から葉子が覗いており,この瞬間に二人は力石を喪った悲しみを共有していたのででしょう。 遅れたやってきた段平と西に「なさけないことをいうようだが,あれ以来……あの力石の死顔を見て以来,頭がどうかしちまっているんだ。 すでに…この世に力石がいないと現実に頭の中がからっぽになっちまったんだ」と話します。 新聞記者により連れて行かれたクラブでジョーには葉子に会い,次のように指摘されます。 この葉子の言葉は「あしたのジョー」の名言の一つです。 はっきりいいます…… あなたはリング上でウルフ金串のあごを割り再起不能にし,そしてまた力石徹をも死に追いやった罪ぶかきボクサーなのよ… このままでは男として義理が立たないでしょう。 あなたはふたりから借りが…神聖な負債があるはず! いまこの場ではっきり自覚しなさい。 ウルフ金串のためにも力石くんのためにも,自分はリング上で死ぬべき人間なのだと! あなたはいま,リングを捨てるつもりらしいけれど… そうはさせないは! おそらく力石くんもウルフさんもゆるしはしないでしょう わたしもだんじてゆるしません! 葉子の指摘やウルフ金串との再会によりジョーの闘争心は見かけ上は回復していきます。 しかし,ジョーは力石の亡霊にとりつかれ,顔面を思いきり打てないボクサーになってしまいます。 試合では顔面を打ちますがそれは腰の入ったものではなく,KOパンチはもっぱらボディーを狙うようになります。 このジョーの欠点を見抜いた他のジムの会長たちはジョー潰しに動き出します。 日本バンタム級チャンピオンのタイガー尾崎戦はTKO負け,1位の原島戦は顔面に強烈なパンチを打ちますがリング上で嘔吐してしまいます。 力石の亡霊から逃れられないジョーは中央のリングを去り地方回りの草拳闘に身を落とします。 ジョーの再起を願う葉子はベネズエラから「無冠の帝王」と呼ばれるカーロス・リベラを招へいします。 カーロスは日本バンタム級第2位の南郷を相手に醜態を演じながら2発の強烈なパンチでKOします。 第1位の原島戦を前にジョーはカーロスの公開練習で相手をし,16オンスのグローブでテンプルにクロスカウンターを決めます。 この一発でカーロスが真剣になり,スパーリングは終了します。 カーロスは次の原島戦でも醜態を演じながら目立たない一打で勝利します。 そして,カーロスはタイガー尾崎戦を前に1分以内のKOを宣言し,わずか16秒でKOします。 カーロスの次元の違う強さを見せつけられたジョーは試合を申し込み,4回戦の練習試合,さらには後楽園球場での10回戦を戦うことになります。 カーロスの強さがジョーの闘争本能を刺激し,葉子が目論んだようにジョーは力石の亡霊を吹っ切ることができました。 完全復活したジョーが葉子のところにファイトマネーを受け取りに行ったとき,カーロスが世界タイトルマッチであっさり敗れたこと,彼がすでに日本の無名のボクサーに壊されていたという情報が入ります。 そんなときに丹下ジムを訪ねて来た紀子はジョーに公園に誘われます。 紀子にとっては好意を寄せるジョーとの初めてのデートです。 このとき紀子は「もうボクシングをやめたら」と話します。 それに対する答えがこの物語のラストシーンに結び付きます。 ちょっとことばがたらなかったかもしれないな・・・ おれ,負い目や義理だけで拳闘をやっているわけじゃないぜ 拳闘が好きだからやっているんだ 紀ちゃんのいう青春を謳歌するってこととちょっとちがうかもしれないが… 燃えているような充実感はいままでなんどもあじわってきたよ… 血だらけのリング上でな そこいらのれんちゅうみたいにブスブスとくすぶりながら 不完全燃焼しているんじゃない ほんのしゅんかんにせよまぶしいほどまっかに燃えあがるんだ そして… あとには真っ白な灰だけが残る 燃えかすなんか残りはしない まっ白な灰だけだ この答えの中にジョーの拳闘に対する姿勢,人生の考え方が凝縮されています。 しかし,平凡な幸せを求めている紀子は彼の考え方にはついて行けません。 「わたし・・・ついていけそうにない」と語る紀子はジョーに対する想いと訣別したようです。 カーロスとの死闘で一回り強くなったジョーは順調に東洋ランカーを破り,減量苦と戦いながら金竜飛をKO勝を収め東洋チャンピオンとなります。 丹下ジムには引退して林屋に就職した西が紀子と一緒にお祝いにやってきます。 そんなとき,ジョーが気を失って倒れるという事件が起こり,段平はパンチドランカーを疑います。 葉子もハワイで一緒に砂浜を歩いたとき,ジョーの足跡が蛇行していることから同じ疑いを持ちます。 ジョーはハワイで行われた防衛戦で見事にKO勝ちを収めます。 葉子はこの試合のフィルムをボクシング医学の世界的な権威キニスキー博士に送って診断を依頼しました。 彼の診断はまず心配はないということでした。 葉子はプロモーターとして世界チャンピオンのホセ・メンドーサと日本における試合興行権の独占契約を結びます。 これにより,葉子の意向に反した日本におけるホセ・メンドーサの世界戦は行えなくなりました。 世界タイトルマッチ 葉子は人気の中で失っていたジョーの野生味を取り戻そうと考え,世界タイトルマットに先立ち,野生児ハリマオとの一戦を企画します。 ジョーは見事に変則的なボクシングを繰り広げるハリマオを仕留めます。 この試合会場にほとんど廃人と化したカーロスが現れ,控室に連れて行かれます。 試合後にジョーは駆け出そうとして一瞬目の前が暗くなり転倒します。 さらに,ジョーは控室でカーロスに新しいシャツのボタンをかけようとしますがうまくできません。 この様子を見ていた葉子はジョーがパンチドランカーに蝕まれていることを確信します。 ジョーの世界タイトルへの挑戦はテレビ局を通じて進められます。 葉子はキニスキー博士を日本に呼んでジョーの練習を観てもらいます。 彼の診断は「かなり重症」ということでした。 葉子は世界戦の取りやめを説得しようとジョーに連絡をとりますが,ジョー自身は自分の体調と葉子の懸念を知っており,手紙を読むことも電話に出ようともしません。 そして,試合会場となった武道館の控室で葉子は必死の説得を試みます。 葉子の告白もジョーを引き留めることはできませんでした。 リングには世界一の男が待っているのです。 万全とはいえない体でジョーは善戦し15回を戦い抜きます。 コーナーでイスに座ったジョーはグラブを外してもらい,葉子に「あんたに受け取ってもらいたいんだ」と言いながら渡します。 判定の結果はホセの勝利となりますが,右手を上げられたかれは老人のようにやつれ果てていました。 一方,ジョーはまっしろな灰を象徴するように描かれており,その顔には満足な笑みが浮かんでいます。 この最終ページの1枚を描くためちばてつやは精魂を傾けたのです。 作品データ• 原 作 : 梶原一騎(高森朝雄)(1936-1987年)• 作 画 : ちばてつや(1939年生)• 著作時期 : 1968年-1973年• 単行本数 : 全20巻• 発表雑誌 : 少年マガジン ちばてつや作品集 ママのバイオリン ユカをよぶ海 リナ ちかいの魔球 1・2・3と4・5・ロク ハチのす大将 紫電改のタカ パパのお嫁さん 島っ子 少年ジャイアンツ ハリスの旋風 アリンコの歌 みそっかす ジャンボ・リコ あしたのジョー テレビ天使 若とのゴン モサ 餓鬼 おれは鉄兵 のたり松太郎 おれイガオくん 練馬のイタチ あした天気になあれ 男たち 少年よラケットを抱け ハネ太 1958-1959年 1959-1960年 1960年-1961年 1961-1962年 1962年 1963年 1963-1965年 1964年 1964-1965年 1964-1966 1965-1967年 1965-1966年 1966-1967年 1967年 1968-1973年 1968年 1968年 1969-1970年 1970年 1973-1980年 1973-1998年(中断) 1975年 1980年 1981-1991年 1982-1983年 1992-1994年 1998-1999年 主要登場人物 矢吹 丈(やぶき じょう) 通称はジョー,ドヤ街にふらりと現れ,けんかにおける身のこなしにボクサーとしての天性を認めた丹下段平の指導を受けることになる。 しかし,ボクシングには身が入らず詐欺行為により少年院に送致される。 そこで力石徹と出会い,彼への対抗心から本格的にボクシングを始める。 出所後は丹下ジムでプロボクサーを目指す,階級はバンタム級。 丹下 段平(たんげ だんぺい) 古いタイプの拳闘屋である。 かつては日本タイトルに挑戦するほどの強豪プロボクサーであった。 左目の怪我が元で引退し,ジムの会長に収まったが所属選手やボクシング協会を問題を起こし,ボクシング界から追放されてしまう。 ドヤ街に住みわずかな日銭を稼いで酒を買うすさんだ生活を送っている。 ジョーのパンチに惚れこんでボクサーとして指導しようとする。 マンモス西 ジョーが収容された少年院鑑別所で部屋の巨漢のボスでジョーに打ちのめされる。 少年院送致後はひたすら低姿勢で臆病者とされる。 出所後はドヤ街の乾物屋でまじめに働きながら丹下ジムからプロボクサーを目指す。 ジョーのよき理解者である。 階級はミドル級。 林 紀子(はやし のりこ) ドヤ街にある林屋という乾物店の一人娘,少年院から戻り,林屋で初めて会ったときジョーは思わず葉子とつぶやきたほど容貌は葉子に類似している。 ジョーに好意をもち丹下ジムに出入りして何かと世話をやいてくれる。 カーロス戦のあとジョーに誘われ,公園でデートをするがジョーの考え方について行けそうもなくなり,彼への想いを断ち切る。 白木 葉子(しらき ようこ) 大富豪である白木財閥の令嬢であり本作のヒロイン,少年院に収容されていた力石徹を祖父が後援していることもあり,少年院に学生慰問団としてしばしば訪問する。 ジョーとは反りが合わずにいつも衝突する。 力石の死後は白木ボクシングジムの会長に就任し,プロモーターとしてジョーの再起や世界タイトルマッチへの準備を進める。 力石 徹(りきいし とおる) ジョーにとっては最大の敵役でありながら,拳を交えることによりジョーとは奇妙な友情で結ばれるようになる。 デビュー時はウェルター級であり,大物ボクサーの片りんを見せるが,試合中に汚い野次を飛ばした観客を殴って負傷させ,少年院に送致される。 少年院ではジョーとしばしば衝突し殴り合いになる。 力石の出所により少年院でのボクシングでは決着がつかなかったため,ジョーがプロデビューを果たすと過酷な減量を乗り越えてバンタム級で対戦し,勝利するものの後頭部をロープで強打して死亡する。 ウルフ金串(ウルフ かなぐし) 「未来の世界チャンピオン」と言われたバンタム級の大型若手ボクサー,所属はアジア拳。 全日本新人王決定戦でバンタム級の新人王となった直後に控え室でジョーにけんかを売られ,クロスカウンターを食う。 ジョーのプロ入り後に対戦し,ダブル・クロスで何度もダウンをうばうが,最後にジョーのトリプル・クロスであごを砕かれ引退する。 カーロス・リベラ ベネズエラ出身の強打の天才ボクサー,上位ランカーが対戦を避けているため世界ランクは6位に留まっているが,「無冠の帝王」あるいは「ベネズエラの戦慄」の異名をもつ。 力石の死亡後にジョーがボディーしか打てない欠陥ボクサーになったとき,葉子が招聘してジョーと対戦させるように仕組む。 結果は勝負なしであったが,ジョーは顔面を打てるボクサーとして復活する。 世界戦ではホセ・メンドーサの強打を受けボクサーとしては廃人となる。 金 竜飛(きん りゅうひ) 韓国出身のボクサー,東洋太平洋バンタム級チャンピオン。 正確無比のテクニックから「精密機械」と呼ばれている。 幼少期の朝鮮戦争における悲惨な経験から食事の量はとても少なく減量で苦しんだことはない。 ジョーは彼の悲惨な体験にたじろぐが,力石の自分の意志による過酷な減量を思い出し逆襲に転じ,KO勝ちを収める。 ハリマオ マレーシア出身の野生児ボクサー,ジャングルの村にやって来た英国人からボクシングを教わり,卓越した運動能力で奇抜な野性味あふれるボクサーとなる。 人気の高まりにより野性味を失いかけたジョーを復活させようと葉子が日本に招へいした。 試合では奇抜な技や野生の獣のような反則にもかかわらず,ジョーはボクサーとしてハリマオを仕留めた。 ホセ・メンドーサ メキシコ出身のボクサーで世界バンタム級チャンピオン,正確な技術と冷静沈着な頭脳をもち「完全なるチャンピオン」と呼ばれている。 カーロス・リベラとのタイトルマッチでは強打によりボクサーとして廃人にしてしまう。 ジョーをイエロー・シープと呼ぶように差別感覚ももっている。 ジョーとのタイトルマッチは判定勝ちとなったものの,精神的に追い詰められて老人のようにやつれ果てた姿となってしまう。 のたり松太郎 人並み外れた傍若無人な性格と怪力の持ち主である「坂口松太郎」が力士とのけんかをきっかけに相撲部屋に入門します。 同期に一緒に入門した小柄で研究熱心な田中がおり,二人で廃業の危機を迎えたこともあります。 しかし,坂口は持ち前の怪力を生かして,田中は熱心な稽古と研究により力士として成長していきます。 坂口は大相撲のしきたりを次々と破るため相撲協会の役員たちに嫌われながらも十両,幕内と番付を上げ,それにひきずられるように田中も幕内に定着します。 この作品に登場する力士は連載当時の有名力士の四股名を少し変えただけで顔もそっくりですので,相撲通ならすぐに分かるようになっています。 この作品は中断を挟みながら1973年から1998年までビッグコミックにおいて連載されており,最後の駒田中奮闘編(33-36巻)が終了しても表向きは完結していない不思議な作品です。

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あした の ジョー 最後

【あしたのジョー2 47話 青春はいま…燃えつきた】 個人的趣味で感動の最終話を記録しておきます。 感動のセリフ・名シーンが甦る! (リンクはご自由にどうぞ) 矢吹 丈 「つえーや、やっぱりつえーや、ホセは。 完璧だよ、すげーボクサーだ、すげーや。 」 丹下段平 「もうよそうかジョー? その偉大な男相手に しかも片目だけでこんなに立派にやったんだ。 終わりにしよう、なぁ?」 矢吹 丈 「いや、ダメだよおっつぁん。 俺はまだ真っ白になってねぇ。 」 丹下段平 「真っ白? 真っ白とはどういう意味だ、 どういう意味なんだよジョー?」 矢吹 丈 「頼むわ、おっつぁん。 真っ白になるまで何も言わねえでやらしてくれや。 」 <葉子 武道館を飛び出す> <回想シーン 控え室> 矢吹 丈 「どうした? 早く言えよ。 」 白木葉子 「矢吹くん、あなたの全身はパンチドランカー症状に蝕まれています。 しかも、相当重症の。 これはドクターキニスキーの診断であり厳然たる事実です。 」 矢吹 丈 「だからどうした?」 白木葉子 「え? だからどうした? そう、知っていたのね?」 矢吹 丈 「自分の身体だもんな、だいぶ前から薄々な。 」 白木葉子 「矢吹くん、好きなのよ矢吹くん、あなたが。 好きだったのよ。 最近まで気が付かなかったけど。 お願い、私のためにリングに上がらないで。 この世で一番愛する人が廃人になる運命となるリングに上げることは絶対にできない。 」 矢吹 丈 「リングでよ、世界一の男が俺を待ってる。 だから行かなきゃな。 」 白木葉子 「矢吹くん・・・。 」 矢吹 丈 「ありがとう。 」 <回想シーン終わり> 白木葉子 「車を、車を武道館に戻して下さい、大急ぎで。 許して矢吹くん、これからという時に逃げ出すなんて。 そう、今までの私はいつもそうだった。 でも、もう逃げないわ、決して逃げたりしない。 矢吹くん、始まるのよね。 これから何もかもが、そうよね?」 【12R】 ホセのセコンド 「チャンピオンの様子がおかしい・・・。 」 ホセ・メンドーサ 「ジョーヤブキ。 お前は死ぬことが怖くないのか? 悲しむ人間が1人もいないのか? 私は、私は怖い。 私には愛する妻と子供たちがいる。 私などとはまるで別の男なんだ。 」 丹下段平 「ジョーよ、もうわしの忍耐の限度を超えた。 いいかい、もし次のラウンドでちっとでもよろけようものなら、 もう迷わねぇでコイツを放り込むで。 悪く思わんでくれよ。 おおっ,な、何を!?」 <丈 タオルをリング外に放り投げる> 丹下段平 「ああ、お嬢さんすいません、そのタオルを、どうも。 おお・・・??」 <葉子 タオルを拾い、落とす> 白木葉子 「もう少しじゃない矢吹くん、頑張るのよ!(丈 振り向く) あなたがあの世界一強い男とどこまで立派に戦い抜くのか、 このリングの下からしっかり見届けさせてもらうわ。 さあ、いいわね。 力いっぱい打つのよ。 渾身の力を振り絞って、悔いのない様にしっかり。 」 丹下段平 「お嬢さん、そんなムチャな。 」 白木葉子 「頑張るのよ、見ているわ、私。 」 〜〜 丹下段平 「どうだジョー、具合は? 右の目、まだハッキリしねえか?」 【14R】 ホセ・メンドーサ 「私は、私は一体誰と戦っているんだ?ここにいる男は誰だ、誰なんだ? ジョーヤブキ、いやそんなはずはない。 彼は私のパンチを数限りなく浴び、とうに死んでいるはずだ。 でも現に今こうして私に向かってくるこの男は・・・。 わ、私は今、恐ろしい夢を見ている。 おそらく私は、 かつてジョーヤブキといわれたボクサーの幻影と幻と戦っているのだ。 勝てるはずがない、幻などに私が。 」 丹下段平 「たいしたもんだよなぁ、ホントによお、 なんのかんのつってついに最終ラウンドまで持ちこんじまったんだからなぁ。 こうなったらよぉ、あと1ラウンド思う存分パンチを繰り出して来い。 いいかジョー、こうなりゃな、もうテクニックもクソもねぇ、 勝ちも負けもねぇ、人間と人間、精神力の闘いだ。 その精神力なら五分と五分。 いや、おめえの方が分がいいとさえわしゃ見てる。 がんばれ、あとたったの3分だ、なぁジョー。 」 【15R】 ホセ・メンドーサ 「勝つ、たとえ相手が幻影であったとしても。 私はキングオブキングス。 」 <矢吹 ダウン> 白木葉子 「矢吹くん、しっかり! 立つのよ、今までのように何度も何度も。 そう、そうよ矢吹くん。 」 ウルフ金串 「決まった!クロスカウンター!」 <ホセ ダウン> ゴロマキ権藤 「出た!今度はトリプルクロスだ!」 <ホセ ダウン> <試合終了のゴング鳴る> レフリー 「ストーップ! 試合終了!」 【試合終了】 矢吹 丈 「燃えたよ、燃え尽きた、真っ白にな・・・。 」 「おっつぁん、おっつぁんよ。 」 丹下段平 「あん、どうしたジョー?」 矢吹 丈 「グラブ外してくれ。 」 丹下段平 「おお、よしきた。 」 実況アナウンサー 「まもなく判定が出ます。 」 矢吹 丈 「葉子、葉子はいるか?」 白木葉子 「ここよ、ここにいるわ矢吹くん。 」 <グラブを差し出す> 矢吹 丈 「こいつ、こいつをよ、もらってくれ。 あんたによ、もらってほしいんだよ。 」 実況アナウンサー 「さぁ判定はどちらか?」 レフリー 「ホセ!」 実況アナウンサー 「ホセです、判定はホセ! 日本の矢吹、善戦空しく破れ去りました。 」 観 客 「あぁ!? あのホセの顔! それに髪の毛も!?」 丹下段平 「惜しかったなジョー、しかしよくやったぞ。 わしはもう何も言うことはない。 ホントにようやった。 ジョー・・・!?」 マンモス西 「ジョー・・・」 矢吹 丈 「燃えたよ、燃え尽きた、真っ白にな・・・。 」 【完】.

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あしたのジョー 漫画 第一部 「 やや内角をねらい、えぐりこむようにして、打つべし! それ、打つべし! 打つべし! 打つべし! 打つべし! 打つべし! 打つべし! 打つべし! 」 鑑別所、大部屋。 矢吹丈と西寛一 マンモス西 との喧嘩。 矢吹丈が西寛一にジャブを連打しながら言った台詞。 「打つべし」の多さで採用。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 おれは... おれは生まれてこのかたなにひとつとして人なみにあたえられたものはなかった。 おもちゃも本も... 新しい服もあったかいふとんも... いや、やさしい親の愛すらあたえられずに育ってきたんだ。 自由だけはこのおれの腕力でなんとかもぎとって生きてきた。 そのたったひとつの自由すらうばわれてしまったらおれにはなにがのこるっていうんだい。 」 東光特等少年院へと向かう護送車の中。 西寛一 マンモス西 が東光特等少年院に着いてからの脱走話を矢吹丈に持ち掛けた場面。 脱走をしなければ 最低でも1年1ヶ月、何かあって延期されれば2年も3年も鉄格子の中で過ごさなければならないと言う西寛一の話に矢吹丈が独り言のように言った台詞。 ここでの自由は自分勝手な自由の事を言っているように聞こえます。 矢吹丈が言う自由は、大抵、そうなのですが...。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 あ... あともう一歩というところまで脱走は成功していたんだ... それを... きさまこのおれにうらみでもあるのかっ。 」 東光特等少年院、農場。 矢吹丈が自分の脱走 豚の群れを突進させて農場の門を突破しようとした を阻んだ力石徹に対して掴み掛かって言った台詞。 いつもの逆恨みです。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 ひじを左わきからはなさない心がまえで、やや内角をねらい、えぐりこむようにして、打つべし! 打つべし! 打つべし! 打つべし! 」 東光特等少年院、農場。 矢吹丈と力石徹との喧嘩。 矢吹丈が力石徹にジャブを連打しながら言った台詞。 「打つべし」の多さで採用。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 ま... まちな...。... いまさら... どこへずらかろうってんだい...。 自分で火をつけておいて... 火事場からにげだすって法はないぜ、ええ?おじょうさんよ...。 」、「 そうやってきれいなお目々をしっかりとひらいて... さいごのさいごまで見とどけるんだ。 あんたはこの... この試合の主謀者なんだから、おしまいまでちゃんと責任をもってな。 」 東光特等少年院でのボクシング対抗試合。 矢吹丈と力石徹との試合、2R。 試合の凄惨さにこれ以上見ていられなくなった白木葉子がその場から立ち去ろうとした場面。 立ち去ろうとする白木葉子に向かって矢吹丈が言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 ま、ま... まてよ、おやじ...。 いまのはダウンじゃあねぇ、スリップだ! 」 東光特等少年院での寮対抗トーナメント。 トーナメント一回戦、第六寮対第十一寮、矢吹丈と松木との試合、1R。 矢吹丈が足を滑らせたところに松木のパンチが当たり、矢吹丈のダウンとなった場面。 ダウンのカウントを取る丹下段平に対して矢吹丈が言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 強くなるぜ... おっちゃんの期待にそえるようにな。 力石にも... 負けねえよ! 」 東光特等少年院。 寮対抗トーナメント、トーナメン二回戦、第六寮対第七寮、矢吹丈と青山との試合、試合終了後。 丹下段平が青山をコーチしていたのは全て矢吹丈のためだったと言う事を矢吹丈が丹下段平から聞かされた場面。 丹下段平の行動の真意を知った矢吹丈が青山に謝った後、丹下段平に向かって言った台詞。 この少し後、矢吹丈は力石徹に果し合いを持ち掛けられて力石徹と戦う事になるのですが、そこでの矢吹丈はグローブの中に石を握り込み、それで力石徹を殴り付けていました...。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 だからおれは堂々とうけて立ったんだよ、ぜったい負けない方法をこっそり細工してな。 」 東光特等少年院。 矢吹丈と力石徹との果し合いの後。 グローブの中に石を握り込んでいた矢吹丈に対し、どう言うつもりでそのような事をしたのかと丹下段平が尋ねた場面。 自身が青山との試合で疲れていた事、日を改めようにも力石徹の方が1分も待てない様子だった事を理由に挙げた上で矢吹丈が丹下段平に言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 ふふ... こりゃあうっかりへたな試合をみせるわけにはいかねえな。 やるぜよ、おっちゃん...。 」 矢吹丈と村瀬武夫との試合 矢吹丈のデビュー戦 、試合開始前。 矢吹丈のコーナー。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 どうだい、おっちゃん... 一発できめたぜよ...。 」 矢吹丈と村瀬武夫との試合 矢吹丈のデビュー戦 、1R。 矢吹丈のコーナー。 矢吹丈が村瀬武夫を「クロス・カウンター」でダウンさせた後。 コーナーでの待機中 カウント中 に矢吹丈が丹下段平に向かって言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 ま... まいったぜ力石... あそこで... とどめをアッパーでくるとはな...。 さすがに力石だ... まいったぜ。 」 後楽園ホール。 矢吹丈と力石徹との試合、試合終了時。 力石徹の勝利に終わった後、起き上がった矢吹丈が力石徹の下へと挨拶をしに近寄って行った場面。 矢吹丈が力石徹に語りかけ握手を求めながら言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 なにが不運なんだ...。 じょうだんいうない、おれは幸運だぜ...。 血へどをはきながらあれほどの男ととことん打ち合うことができたなんて...。 」 後楽園ホール。 矢吹丈と力石徹との試合、終了後。 矢吹丈の控え室。 丹下段平が言った「ボクサーには実力プラス運てえものがある...。 同時代に力石ごとき強烈きわまるライバルがいるかいないのかの運... ジョーもわしも不運よのう... 」の言葉に矢吹丈が返した台詞。 あしたのジョー 漫画 第一部 「 ふふ... 殺しちまったよ...。 この手で... この手で力石を殺しちまったよ......。 き、力石よ.........。 きいし......。 」 力石徹戦 力石徹の死亡 の後、玉姫公園。 公園のベンチに座り、力石徹の死を悲しむ矢吹丈がその場で泣き崩れながら言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第二部 四角いジャングル編 「 も... もう一言でもウルフのことを口にしてみやがれっ...! ぶっ殺すぜっ。 」 純喫茶ゼブ... ゼブラ? の店内。 矢吹丈がウルフ金串の悪口を言うゴロマキ権藤に殴りかかって行った後、ゴロマキ権藤を殴りながら言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第二部 四角いジャングル編 「 がんばれや、カーロス。 」 空港にカーロス・リベラの見送りに来ていた矢吹丈が世界戦を控え日本を去って行くカーロス・リベラに言った台詞。 カーロス・リベラに直接言ったのでは無く、離れた場所からの独り言の台詞です。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 そこいらのれんじゅうみたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない。 ほんのしゅんかんにせよまぶしいほどまっかに燃えあがるんだ。 そして、あとにはまっ白な灰だけがのこる...。 燃えかすなんかのこりやしない... まっ白な灰だけだ。 」 矢吹丈と林紀子との散歩帰りの会話。 ボクシングに身を投じる矢吹丈の事を青春を謳歌している他の人達と比べて「みじめだわ、悲惨だわ、青春と呼ぶにはあまりにもくらすぎるわ! 」と言う林紀子に対し、矢吹丈がボクシングでの充実感を語って聞かせた場面。 その中で矢吹丈が言った台詞。 ここでは燃えて残った「灰」こそが「燃えかす」なのでは無いか... と思ってしまいました...。 恐らく、ここでの「燃えかす」は「まだ燃えるのに燃え切らずに残ったもの」の事を指しているのだと思います。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 わかるかい紀ちゃん。 負い目や義理だけで拳闘をやってるわけじゃない。 拳闘がすきなんだ。 死にものぐるいでかみあいっこする充実感がわりと、おれ、すきなんだ。 」 矢吹丈と林紀子との散歩帰りの会話場面。 矢吹丈が林紀子 本当は矢吹丈にボクシングを捨てて欲しい にボクシングでの充実感に付いて語った中で言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 な... なんてこと...。 ぶっ殺したるうう~~っ。 」 計量を行っている部屋。 金竜飛との試合 東洋バンタム級タイトルマッチ の前に行われた計量で体重がリミットを超えていた矢吹丈が、そうなるように仕向けていた丹下段平 金竜飛との試合を避けるためにジムの計器に手を加えていた を殴り付けながら言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 玉砕か... かっこいいな。 」 矢吹丈と金竜飛との試合 東洋バンタム級タイトルマッチ 、2R終了後。 矢吹丈のコーナー。 丹下段平が金竜飛の前に手も足も出ずに戻って来た ゴング後、丹下段平に連れられて帰って来た 矢吹丈に対して「ぶざまにじり貧でくたばるよりは思いきって玉砕してこい! 」と助言をした場面。 その言葉に矢吹丈が言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 みずからすすんで地獄を克服した男がいたんだ! おなじ条件で! 人間の尊厳を! 男の紋章ってやつを! つらぬきとおして死んでいった男をおれは身近に知っていたんじゃねえかっ!! 」 矢吹丈と金竜飛との試合 東洋バンタム級タイトルマッチ 、6R。 「力石徹」を思い出した事によって金竜飛への気後れが取れた矢吹丈が、金竜飛にパンチを叩き込みながら言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 金竜飛よ... おまえは力石におとるんだ...。 」 矢吹丈と金竜飛との試合 東洋バンタム級タイトルマッチ 、6R。 矢吹丈の連打を受けて金竜飛がダウンした場面。 矢吹丈がダウンしている金竜飛を コーナーに戻らず 見下ろしながら言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 力石よ... おまえのくれたチャンピオン・ベルトだぜ。 」 矢吹丈と金竜飛との試合 東洋バンタム級タイトルマッチ が矢吹丈の勝利に終わった後の表彰式。 矢吹丈が東洋バンタム級のチャンピオンベルトを掲げて 心の中で? 言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 こまかいんだよ、いうことがいちいち...。 ホセとおれの試合が判定でシロクロがつくと思ってんのかい、おっちゃん! 」 白木ボクシングクラブ。 丹下段平が矢吹丈 白木葉子の持つホセ・メンドーサの日本における興行権が無くてもその気になればメキシコに乗り込んでホセ・メンドーサの世界タイトルをもぎ取って来る事も出来ると白木葉子に話した に対し、メキシコでホセ・メンドーサとの試合をする事になればホームタウン・デジション 地元判定 の不利が生じる事を話した場面。 判定の際の不利を気にする丹下段平に矢吹丈が言った台詞。 後に行われるホセ・メンドーサとの試合では15Rが終わっても勝敗が付かずに判定での決着となっていました。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 カーロスのことは口にするなよ。 あんたがカーロスのことを口にしちゃいけねえ。 あんたにはその資格がねえ。 」 日本武道館。 矢吹丈とホセ・メンドーサ 世界バンタム級チャンピオン との試合 世界バンタム級タイトルマッチ。 矢吹丈の控え室。 白木葉子が矢吹丈に矢吹丈がパンチドランカーである事を告げ、今の状態でホセ・メンドーサと戦えば矢吹丈は一生を廃人として送る事になると話した場面。 その廃人の引き合いにカーロス・リベラの名を口にした白木葉子に矢吹丈が言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 リングには世界一の男、ホセ・メンドーサがおれを待っているんだ。 だから... いかなくっちゃ。 」、「 ありがとう...。 」 日本武道館。 矢吹丈とホセ・メンドーサ 世界バンタム級チャンピオン との試合 世界バンタム級タイトルマッチ。 矢吹丈の控え室。 試合時間が近づき、控え室を出て行こうとした矢吹丈が白木葉子 矢吹丈の事が好きで、廃人になる事を心配し、試合に出て欲しく無い に言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 たのむや、おっちゃん。 たのむや...。 まっ白な灰になるまでやらせてくれ、なんにもいわねえでよ...。 」 日本武道館。 矢吹丈とホセ・メンドーサ 世界バンタム級チャンピオン との試合 世界バンタム級タイトルマッチ。 7R終了後、矢吹丈のコーナー。 矢吹丈が試合を止めようと言い出した丹下段平に「まっ白な灰の話」を話した後、試合の続行を頼んで言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 燃えたよ...。 まっ白に... 燃えつきた...。 まっ白な灰に......。 」 日本武道館。 矢吹丈とホセ・メンドーサ 世界バンタム級チャンピオン との試合 世界バンタム級タイトルマッチ。 15R終了時。 試合終了のゴングが鳴った後、コーナーに戻る前に矢吹丈が言った台詞。 あしたのジョー 漫画 第三部 孤狼青春編 「 このグローブ... もらってくれ。 あんたに... もらってほしいんだ...。 」 日本武道館。 矢吹丈とホセ・メンドーサ 世界バンタム級チャンピオン との試合 世界バンタム級タイトルマッチ。 15R終了後、試合の判定を待っている間。 矢吹丈がグローブ 試合中に矢吹丈が着けていたグローブ。 試合終了後に外した。 をリング下にいる白木葉子に渡そうとして言った台詞。 作品内での矢吹丈の最後の言葉です。

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