赤ちゃん アトピー 性 皮膚 炎。 子どものアトピーは治る? 小児科医に聞いた、治る過程や年齢、方法について

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎とアレルギーマーチ

赤ちゃん アトピー 性 皮膚 炎

赤ちゃんにアトピー性皮膚炎が現れる時期 アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりをくりかえしながら湿疹が続く慢性疾患です。 花粉症や食物アレルギーと同じく、免疫機能の過剰反応によって不必要な炎症が起きるものです。 いまの段階では完全に治ることはないといわれており、「実はうちの子の症状はアトピーなんじゃないか」と心配する方もいるのではないでしょうか。 アトピー性皮膚炎は主に乳幼児期に発症し、大人になってから発症することはないといわれています。 アトピー性皮膚炎を発症する子供のうち7割が満1歳までに発症するといわれており、そのうちもっとも多いのが生後6か月以内に発症するケースです。 赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の症状 アトピー性皮膚炎の症状は、現れる部位に特徴があります。 症状の現れる部位、主な症状をチェックしましょう。 現れやすい部位 アトピー性皮膚炎の症状は、年齢によって現れやすい部位に違いがあります。 1歳未満…頭、顔、首に出やすい• 1歳以降…ひじやひざなどの関節の内側を中心に身体全身に出やすくなる 1歳未満の場合、顔に出る湿疹は乳児脂漏性湿疹やよだれかぶれなどさまざまな原因が考えられます。 そのため、詳しくない人が見たところでアトピー性皮膚炎による湿疹かどうかは見分けにくいとされています。 主な症状 アトピー性皮膚炎の主な症状は、強いかゆみをともなう湿疹です。 赤ちゃんのうちはジュクジュクと湿った湿疹が多い一方で、成長してくると、皮膚が乾燥してささくれ立つような症状が出てくるようになります。 症状はすぐに治るものではなく、よくなったり悪くなったりをくりかえします。 また、重症化すると赤く腫れあがり、皮がむけてさらに悪化することもあるため注意が必要です。 耳に出たアトピー性皮膚炎の症状が悪化し、耳のつけ根にあかぎれのような症状が現れて耳が切れたように見える場合もあります。 かゆみが強いことから、大きくなってからもがまんできず掻きむしってしまいます。 すると、肌のバリア機能がさらに弱ってかゆみももっと強くなるうえに、皮膚もゴワゴワになっていきます。 かゆくなって掻きむしり、肌が荒れてさらにかゆくなるという悪循環を断ち切るためにも、アトピー性皮膚炎は適切な治療とスキンケアで症状をコントロールすることが大切になります。 では、このようなアトピー性皮膚炎はなぜ起きてしまうのでしょうか。 アトピー性皮膚炎の原因 アレルギー疾患であるアトピー性皮膚炎は、さまざまな原因が複雑に関係して起こります。 アトピー性皮膚炎患者の共通点から、親からの遺伝、環境が関係していることが考えられています。 また、アトピー性皮膚炎患者は、その他のアレルギーを持ち合わせている傾向が多いのもポイントです。 ぜん息• 食物アレルギー• アレルギー性鼻炎• 花粉症 など アトピー性皮膚炎を発症した赤ちゃんは、その他のアレルギー疾患がないか注意をはらい、発症の引き金になる要素から避けることがポイントになります。 また、他のアレルギーによるアトピー性皮膚炎の症状を悪化させてしまう場合があり、特に乳幼児においては食物アレルギーによる影響でアトピー症状を悪化させないようにすることが重要です。 母乳と子どものアトピー性皮膚炎に関係はあるの? 母親の食べたものの中に、子どもにとって食物アレルギーとなる原因物質があり、それが母乳によって赤ちゃんに吸収されることで発症するのではないか、という論調もあるようです。 しかし、母乳による子どもが食物アレルギーを発症させるという根拠はないことがわかってきています。 また、母親がアトピー性皮膚炎であったとしても母乳が原因で子どもにもアトピー性皮膚炎が発症するというようなこともありません。 子どもにアレルギー疾患が発症することに対して「私が悪いのかも…」と自分を責めてしまう母親もいるかもしれません。 ですが、責められるようなことは全くありません。 仮に赤ちゃんにアトピー性皮膚炎が現れたとしても、誰の責任でもありません。 専門家である医師に相談しながら、赤ちゃんの治療を進めていけばよいのです。 自己判断のもと、なんらかの食品を母親が全く口にしないようにするといった食事制限は、栄養バランスがくずれることがあるため好ましくありません。 また、病院で診てもらうことなく赤ちゃんの食事から特定の食品を抜くといったこともやめましょう。 では、「うちの子の湿疹、実はアトピー性皮膚炎の症状かも」と感じたとき、保護者はどうすればよいでしょうか。 アトピー性皮膚炎かもと思ったら 顔や身体に湿疹が見られて赤ちゃんがかゆがっているような場合、早めに小児科や皮膚科で診てもらうことが大切です。 先ほど少し触れましたが、赤ちゃんのうちは皮膚が薄くバリア機能がもともと弱いため、アトピー性皮膚炎以外の要因で湿疹が起きる場合も多くあります。 また、肌が荒れた状態は皮膚のバリア機能がさらに弱まっている状態であることから、外部から刺激物質が侵入しやすくなり、アレルギーを起こす可能性が高まるという指摘もあります。 このようなことから、赤ちゃんに湿疹が見られる場合は、早めに適切な対応を行うことが大切です。 しかし、湿疹の状態を素人が見て、どのような原因による湿疹か見極めるのは非常に難しいものです。 そのため、保護者は早めに赤ちゃんを病院に診せるのが大切と言えるのです。 アトピー性皮膚炎の発症リスクを下げるには ここまで解説してきたように、アトピー性皮膚炎の発症には体質も関係しており、セルフケアで完全に発症しないようにすることは難しいと考えられます。 また、発症してしまってからは病院で診てもらい、医師と相談しながら治療を進めていくことが大切です。 しかし、「全身の保湿ケアをすることで、アトピー性皮膚炎の発症リスクが低下した」という報告もあり、日ごろのケアが肌を守るために大切と考えられています。 スキンケアで大切なのが、清潔を保つこと、保湿ケアをこまめにすること、紫外線対策を適宜行うことです。 清潔にすること 肌を清潔にすることは、肌トラブルを防ぐ基本です。 赤ちゃんの髪や身体を洗ってあげるときは、以下のポイントを意識してください。 洗浄力のやさしい石けんやボディソープを使用する• しっかり泡立ててやさしく洗う• 首のまわりや手首・足首などのくびれができている部分も洗う• ぬるま湯ですすぎ残しがないように洗い流す 熱いお湯で洗い流すと肌がもともと持っている保湿成分まで洗い流してしまい、ただでさえ乾燥しやすい赤ちゃんの肌をさらに乾燥しやすくしてしまいます。 ぬるま湯でやさしく洗ってあげるのが赤ちゃんのスキンケアの基本です。 使用する石けんやボディソープは、できるだけ洗浄力がマイルドで肌にやさしいものがよいでしょう。 石けんの場合は、透明もしくは半透明のものが保湿成分を多く配合していて、洗い上がりがしっとりしやすい傾向があります。 また、ボディソープの場合は、ベビー用という標榜だけではなく成分表示を確認し、前のほうに「〇〇グルタミン酸」「アンホ」「ベタイン」といったものがつく名前の成分が多いことを確認するとよいでしょう。 上記はいずれも汚れを落とす界面活性剤の名前につくことが多いものですが、「〇〇グルタミン酸」はアミノ酸系、「アンホ」「ベタイン」は両性界面活性剤で、いずれも比較的刺激の弱いものです。 そのため、赤ちゃんの肌にもおすすめと言えるでしょう。 これらの洗浄剤をしっかり泡立て、大人が手のひらや指の腹を使ってやさしく洗ってあげましょう。 保湿すること 保湿ケアは、赤ちゃんの肌の状態を見ながらこまめに行うとよいでしょう。 1日に何回、と回数の目安が気になる方も多いかもしれませんが、回数だけにこだわるよりは赤ちゃんの肌が少しカサついてきていると感じたときや、おむつを替えたり口周りの汚れを拭き取ったりした後に赤ちゃんの肌の様子を見て、必要に応じて行うことが望ましいでしょう。 また、お風呂上りは非常に乾燥しやすい状態になっています。 赤ちゃんの身体をふいたらできるだけ早く保湿剤を使って保湿ケアを行ってあげましょう。 保湿剤の種類はクリームタイプや乳液、ローションなどさまざまな形があります。 季節や空気の乾燥具合、赤ちゃんの肌の乾燥具合などに合わせて選ぶとよいでしょう。 保湿剤が少なすぎると、肌への摩擦刺激になってしまったり十分な保湿効果を期待できなかったりします。 保湿ケアを行うにあたっては、適切な量の保湿剤を塗り広げるようにしましょう。 塗り広げたあとの赤ちゃんの肌がしっとりとしているくらいがよいとされているので、目安にしてみてください。 紫外線対策をすること 昔は、赤ちゃんを含めた子供の日焼け止めが必要とは思われていないころもありました。 しかし、今では紫外線の影響から赤ちゃんのデリケートな肌を守るため、必要に応じて紫外線対策が必要だといわれています。 紫外線による肌へのダメージは、アトピー性皮膚炎の原因になる可能性があるものです。 また、紫外線のダメージは確実に蓄積されていくものです。 赤ちゃんのうちから紫外線対策をしっかり行い、赤ちゃんの肌を守ってあげましょう。 紫外線対策として日焼け止めを塗ることを思い浮かべる方が多いでしょう。 日焼け止めを選ぶときは、ベビー用と標榜されている日焼け止めを選びましょう。 また、お出かけが長時間に及ぶ場合は、2,3時間に1回は日焼け止めを塗り直してあげましょう。 日焼け止めの効果は時間とともに薄れるため、塗り直してあげることが大切です。 日焼け止めは、1日の終わりには肌に残らないよう洗い流してあげることも大切です。 日焼け止めを塗るほかにできる赤ちゃんの紫外線対策として、以下のことがあげられます。 できるだけ紫外線をさえぎるようにし、赤ちゃんの肌を守ってあげましょう。 帽子をかぶる• ベビーカーであればフードを下げてひざ掛けをかけてあげる• 紫外線の強い10時から14時くらいの間は長く外にいないように心がける• 肌の露出が少なく風通しのよい服を選ぶ 赤ちゃんのスキンケアにおすすめのアイテム9選 清潔にするケア ドゥーエ ベビー|ソープ(資生堂) 販売価格(編集部調べ):1,080円(税込) 内容量:100g 顔・からだ用 敏感な肌のために。 資生堂がおくる安全性を最優先に考えたシンプルで低刺激なスキンケア化粧品「2e(ドゥーエ)」のベビーライン。 使ってみた感想 何よりも泡のきめ細かさとその泡の弾力が印象的な石けんです。 フワフワでもっちりとした泡で優しく洗え、お湯でさっと流すだけで簡単にすすぐことができます。 娘がヨチヨチ時は、片手が常に娘に取られていてなかなか使えなかった石けんですが、今では一緒に泡立てをしたりして楽しくバスタイムを過ごせています。 きめ細かな泡で関節や首のシワまで優しくしっかり洗えた気がします。 お風呂上がりの肌もしっとりした感じでした。 スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘 ママバター|ベビーソープ(ビーバイ・イー) 販売価格(編集部調べ):1,728円(税込) 内容量:250ml 全身用 ヒトの肌になじみやすい、天然油脂のシアバター(シア脂)を配合した保湿スキンケアシリーズ「MAMA BUTTER(ママバター)」のベビーライン。 使ってみた感想 さらっとした泡タイプの全身用ボディソープ。 全身これ一本で洗うことができます。 すすぎでの泡切れがよく、さっとお湯で洗い流せるのはラクでいいですね。 そんなに強い成分が入っている感じはせず、全体的に優しい(裏を返すと薄い)感じがする。 しっとりよりも、さっぱりしたい夏の時期にいい商品だと思います。 泡で出てくるポンプタイプなので、使い勝手がよく、どんな月齢、年齢のお子さんにも使いやすい商品です。 スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘 アトピタ|保湿全身せっけん(丹平製薬) 販売価格(編集部調べ):842円(税込) 内容量:80g アトピタは、ママのお腹ので赤ちゃんを守る「胎脂」に着目。 肌あれ・乾燥を繰り返しやすい赤ちゃんの肌を守るケアシリーズです。 使ってみた感想 透明な石けんで、結構やわらかい感触。 無香料だけど独特のニオイがありますね。 個人的にはそんなに気にならないです。 泡のキメは大きめだけど、泡立ちが良いのとササーッとすすげるので洗うのがラクで良いですね。 洗い上がり後は、少し肌が突っ張ってるかな?という感じがするくらいで、洗浄力は強いのかもしれない。 スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘 保湿ケア ドゥーエ ベビー|ミルキーローション(資生堂) 販売価格(編集部調べ):1,404円(税込) 内容量:150ml 敏感な肌のために。 資生堂がおくる安全性を最優先に考えたシンプルで低刺激なスキンケア化粧品「2e(ドゥーエ)」のベビーライン。 使ってみた感想 サラサラとした質感の乳液タイプのベビーローション。 さっと伸びて適度に保湿できている感じがします。 ポンプタイプのボトルなので片手で扱うことができて便利です。 娘の肌は乾燥しがちで保湿ケア後でも肌を掻いていることがあるのですが、このベビーローションを使ってからひっかき傷が少し減った気がします。 しばらく使い続けてみたら、明らかに娘の肌がしっとりして、ひっかき傷だらけだった太もももきれいになりました!少し油分が少ない気がするので、特にしっかり保湿しておきたい部位は、ワセリンも併用しています。 スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘 ママバター|ベビーオイル(ビーバイ・イー) 販売価格(編集部調べ):2,376円(税込) 内容量:100ml ヒトの肌になじみやすい、天然油脂のシアバター(シア脂)を配合した保湿スキンケアシリーズ「MAMA BUTTER(ママバター)」のベビーライン。 使ってみた感想 ワンプッシュで結構量が出るので、広範囲をカバーできます。 全身塗ってしまうとフローリングに足跡がついたりしてしまうので、特にかぶれなどが気になるおむつで隠れる部分や顔やあご(子どもは首が短くて蒸れやすい)など、部分使いするのもいいなと思いました。 かわいいウサギのデザインで、洗面所に置きたくなるおしゃれなパッケージです。 スキンケア大学編集部ママさん 2歳2ヶ月息子の子育て中 NOV|ベビー ミルキィローション(常盤薬品工業) 販売価格(編集部調べ):1,296円(税込) 内容量:120ml 敏感肌スキンケアブランドの定番ともいる「NOV(ノブ)」。 赤ちゃん用のスキンケアシリーズも期待できそうです。 使ってみた感想 市販のワセリンといえば、パッと思いつく製品のひとつがコレ。 どこのベビー用品店でも薬局でも大体取り扱ってますよね。 おうちにひとつは常備しておきたいワセリン。 乾燥が気になるところにしっかりと塗ってください。 伸びはいいので、少量をしっかり薄く伸ばして塗って使っています。 スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘 まとめ アトピー性皮膚炎は、生後6か月以下の赤ちゃんからでも現れることのあるものです。 1歳未満の場合は症状が頭や顔に出やすく、次第に身体に降りていくという特徴があります。 強いかゆみと湿疹が出て、かくことでさらにかゆみが増すという悪循環が起こることもあり、アトピー性皮膚炎の場合は医師の診断のもと適切な治療を行って症状をコントロールするのが大切です。 また、赤ちゃんの顔に湿疹が出る病気はアトピー性皮膚炎以外にも考えられるため、赤ちゃんの顔の湿疹は早めに病院で相談するのも重要です。 アトピー性皮膚炎のリスクを下げるには、肌を清潔に保つと同時に保湿をしっかり行い、紫外線の刺激からも肌を守ってあげることが大切といわれています。 今回紹介したケア方法やおすすめのスキンケアアイテムも参考に、赤ちゃんに合ったスキンケアを行ってあげたいものです。 デリケートな赤ちゃんの肌を守るのは、まわりの大人です。 肌を健全に保ち、アトピー性皮膚炎のリスクを高めないためにも赤ちゃんの肌にとって正しいスキンケアを継続するようにしましょう。

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赤ちゃんのアトピー性皮膚炎 うちの治療法&おすすめ保湿剤6選!

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アトピー性皮膚炎とは アトピー性皮膚炎ってなに? アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。 そのため、外から抗原や刺激が入りやすくなっており、これらが免疫細胞と結びつき、アレルギー性の炎症を引き起こします。 また、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、かゆみを感じやすい状態となっており、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。 アトピー性皮膚炎の悪化要因 アトピー性皮膚炎を悪化させる要因は、1つの要因だけでなく、以下のような様々な要因が重なり合って起こることが多いため、これらの悪化要因の対策を行うことも治療を行う上で大切なことになります。 悪化要因の例 ・黄色ブドウ球菌 ・ダニ ・カビ ・汗 ・ペット ・ストレス など アトピー性皮膚炎と食物アレルギー かつては、食物アレルギーがある子がアトピー性皮膚炎を発症すると考えられていました。 しかし近年は、湿疹がありバリア機能が低下している皮膚から食物が入り込むことによって、食物アレルギーが発症するという仕組みが分かってきました。 当院で行われ、2016年に発表された研究結果からは、アトピー性皮膚炎のある乳児に対しその湿疹をしっかり治療しながら加熱鶏卵を少量ずつ経口摂取させることで、卵アレルギーの発症を減少させることができることがわかりましたが、アトピー性皮膚炎の治療が十分でなかった場合には効果が低いことがわかりました。 このことからも、早い時期から正しい治療を行い、皮膚を良い状態に保つことが大切だといえます。 アトピー性皮膚炎の検査・診断 アトピー性皮膚炎の検査 アトピー性皮膚炎の状態を把握する手がかりとして、血液検査を行います。 アトピー性皮膚炎に特有の血液検査として、TARCという皮膚の細胞から作られる物質の量を検査するものがあります。 これは、湿疹が悪化すると高くなり、良くなると低くなるという特徴があり、アトピー性皮膚炎の状態を表す指標として用いられます。 また、特異的IgE抗体検査を行うことにより、ダニやカビ、ペットなど、以下の悪化要因がどのように関わっているかを検討します。 アトピー性皮膚炎の診断 アトピー性皮膚炎の診断には、国内外の様々な診断基準が用いられています。 当センターでは、英国のガイドラインや世界的な疫学研究で使用されている下記のUKWP The U. Working Party の診断基準を用いています。 UKWPの診断基準 大基準 1 と3項目以上の小基準 2 を満たすものをアトピー性皮膚炎と診断する。 1 お子さんは皮膚がかゆい状態である。 または、両親から子どもが皮膚を引っかいたり、こすったりしているという報告がある。 または、一等親以内に喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の既往がある。 アトピー性皮膚炎の治療 アトピー性皮膚炎治療の重要性 アトピー性皮膚炎の症状である「痒み」によって夜十分に眠れないと、身長の伸びが悪くなったり、学校生活で本来の力を発揮できなくなってしまったりすることがあります。 顔に症状がある場合には、白内障や網膜剥離といった眼の合併症のため視力に影響が出ることがあります。 ご家族の負担や心労も大変大きいものです。 適切な治療を早期に行うことによってこのような影響を防ぐことができます。 また、重症アトピー性皮膚炎の赤ちゃんでは、全身状態の悪化や、成長・発達への影響から、治療に緊急性を要することもあります。 正しい治療を行うことで症状をコントロールして、湿疹などの症状が出ない状態にすることができます。 治療前に症状を繰り返しやすかった方は、「寛解導入」後も引き続きプロアクティブ療法(症状が良くなったあとも計画的に抗炎症薬を塗って悪化を防ぐ治療法)により「寛解維持(湿疹のないすべすべのお肌を維持すること)」を行います。 薬の使用間隔を患者さんの状態に応じて調整しながら減らすことで、薬の副作用を避けながらこの状態を維持できるようにしていきます。 治療を開始すると、多くの方はすぐに見た目がきれいになります。 しかし、目に見えない皮膚の下の炎症は続いていて、この時点で治療をやめてしまうと、すぐに湿疹が再発してしまいます。 治療のポイントは、ステロイド外用剤でしっかりと皮膚の炎症を抑えたあと、すぐに治療をやめずに、徐々にステロイド外用剤を塗らない日を増やしていくことで、炎症を抑えた状態を維持することです。 薬物療法の副作用について ステロイド外用薬の副作用については、「免疫抑制」、「成長障害」、「糖尿病」などを聞いたことがあるかもしれませんが、これらは、外用(塗る)ではなく全身投与(内服や注射)で使用した場合のものです。 また、ステロイド外用薬の使用で皮膚に色素沈着(黒ずんだ色調になること)が起こるのではないかと心配される方も多いのですが、これは薬剤の副作用ではなく皮膚の炎症が長く続いたことによるもので、湿疹の治療により改善します。 ステロイド外用薬を長期に使用すると皮膚が薄くなったり、にきびなどの局所的な副作用が出現したりすることがありますが、当センターでは薬の使用間隔を患者さんの状態に応じて調整しながら減らすことで、このような副作用を回避します。 このためにはスキンケアや環境整備により、アレルゲンや汗などへの対策を十分に行って悪化要因を減らしていく努力も欠かせないのですが、着実に薬剤を減らしながら湿疹のないお肌を維持できるようにします。 アトピー性皮膚炎 国立成育医療研究センターの方針 アトピー性皮膚炎治療の考え方 ガイドラインに基づいた標準的治療を基本とし、信頼性の高い最新の医学的エビデンスを取り入れ患者さんごとに決定します。 患者さんとご家族が病気を克服し、QOL(生活の質)を高められることを目標とします。 どんな重症の患者さんも、ステロイド外用薬の副作用を回避しつつ湿疹のないお肌で過ごすことを目指した治療を行います。 患者さんとご家族が正しく効果的なスキンケアの手技を身につけることができるよう、医師と看護師、PAE(小児アレルギーエデュケーター)などのスタッフが分担・協力して支援します。 特に力を入れている診療 アトピー性皮膚炎の患者さんの中には、いろいろな医療機関で診療を受けたにも関わらず、治らないという経験がある方が多くいらっしゃいます。 しかし、実際には、外用薬の塗り方が間違っていたり、適切な指導を受けられていなかったりすることも多々あります。 当センターでは、アトピー性皮膚炎に対する正しい知識を伝えるとともに、スキンケアの手技を身につけることができるようにスタッフが協力して支援しています。 また、当センターでは、重症のアトピー性皮膚炎で、成長障害や電解質異常をきたしてしまった患者さんの診療経験も豊富です。 そのような方々も、しっかりと時間をかけて治療を行うことで、皮膚を良い状態にコントロールすることが出来ます。 短期教育入院 アトピー性皮膚炎の患者さん(原則として未成年)を対象としており、2018年1月現在、土~日曜日にかけての1泊2日のスケジュールでスキンケアの指導、生活リズムや環境整備などについての面談を行っています。 外来受診された際にお問い合わせください。 治療の継続のために アトピー性皮膚炎の治療は毎日続ける必要があるため、お子さんが嫌がる場合や、掻く行動が繰り返される場合(習慣的掻破行動)には困難なこともあります。 このようなとき、周囲の環境やご家族など大人の対応を変えることで解決策を見いだせることがあります。 当センターでは応用行動分析(行動療法)に基づいた解決策を一緒に考えていきます。 お急ぎの場合 全身に皮膚炎が広がる、かゆみのために眠れない・学校に行けないなど重症で緊急性が高い場合には早めに予約をいたします。 予約センターへ直接ご連絡いただくか、かかりつけの医療機関までご相談ください。 受診方法 外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。 国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。 当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。 紹介状をお持ちでない場合、別途選定療養費がかかります。 詳しくは、予約センターにお問い合わせください。 なお、緊急で受診が必要なときは、現在かかっている医療機関の医師から直接、医療連携室(TEL:03-5494-5486 (月~金 祝祭日を除く 8時30分から16時30分))へご連絡をお願い致します。

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乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違いと見分け方は?

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日本小児科学会専門医。 2002年、慶応義塾大学医学部卒。 神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。 内科・小児科・アレルギー科を担... 赤ちゃんの肌はとてもデリケートなので、肌トラブルがよく起こります。 特に「アトピー性皮膚炎」になると、見た目の湿疹もひどく、心配になりますよね。 乳児湿疹であれば多くは1歳頃にはよくなりますが、アトピー性皮膚炎の場合はいくつか注意点があります。 今回は赤ちゃんのアトピー性皮膚炎について、症状や乳児湿疹との違い、治療法、家庭でのケアをご紹介します。 赤ちゃんのアトピーとは?アトピー性皮膚炎のこと? アトピーとは、「アトピー性皮膚炎」のことで、皮膚にアレルギー反応による炎症が現れます。 原因は、特定のアレルギー物質のみならず、寒暖差などによる汗のかきやすさによって起こることもあります。 主な症状は、頭部や首、顔、耳のうしろ、ひじ、ひざの裏などの関節部分に強いかゆみを伴い、ときには皮膚が切れることもあります。 慢性的な湿疹で、よくなったり悪くなったりを繰り返す特徴があります。 赤ちゃんのアトピーと間違えやすい「乳児湿疹」とは? 乳児湿疹とは、乳児期に起こる湿疹の総称です。 乳児湿疹という病気があるわけではなく、様々な原因で起こる湿疹をまとめて「乳児湿疹」と呼びます。 乳児湿疹の主な原因として、ホルモンバランスの変調により生後3ヶ月頃までは皮脂が詰まることがあげられ、それ以降は乾燥によって起こることがほとんどです。 多くの場合、肌が赤くなる・小さい水ぶくれができる・うろこ状のかさぶたができるなどの症状が現れます。 乾燥する湿疹のタイプもあれば、じくじく湿ったタイプもあります。 頬やおでこなど顔に現れやすく、お腹や背中など全身に広がることもあります。 乳児湿疹は生後2週間を過ぎた頃から現れ始め、1歳を迎える頃には治まることがほとんどです。 関連記事 赤ちゃんのアトピーの特徴は? 前述の通り、アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の原因は異なりますが、症状は似ているため、医師でも見分けることが難しいといわれます。 素人目では症状だけを見ていても、それがアトピー性皮膚炎なのか、乳児湿疹なのかを特定することはできません。 アトピー性皮膚炎は慢性的な湿疹でよくなったり悪くなったりを繰り返す特徴があります。 アトピー性皮膚炎の主な診断基準• 生後28日未満の新生児に乳児湿疹がみられたとしても、それがアトピーなのかどうか診断することはできません。 新生児期の乳児湿疹が気になる場合は、新生児訪問や1ヶ月健診のときに相談してみましょう。 赤ちゃんのアトピーの治療法は? 赤ちゃんに湿疹が現れて乳児湿疹と診断されたら、まず乳児湿疹のケアを行います。 しかし、ケアをしていても症状がよくならなかったり、悪化したりする場合には、アトピー性皮膚炎の可能性が考えられます。 そのときは、小児科か皮膚科のどちらでもかまいませんので受診しましょう。 アレルギー科があるクリニックでは、アトピー性皮膚炎の診断・治療に関してより的確に対処してもらえますよ。 アトピー性皮膚炎と診断されたら、アレルギー物質と考えられるものを取り除いたうえで、できるだけ症状を悪化させないように、病院から処方された薬を使って治療を続けることになります。 自宅での保湿剤などのスキンケアが重要です。 赤ちゃんのアトピーにステロイドは使ってもいいの? アトピー性皮膚炎でよく利用されるステロイドですが、ホルモン剤ということもあって、赤ちゃんに使ってもいいのか、心配に思うママやパパも多いですよね。 ステロイドはアトピー性皮膚炎の治療に有効で、適切な量や使用法であれば副作用も抑えることができます。 ステロイドの副作用には、ニキビや水虫による肌荒れ、肌が赤く腫れる、黒ずむといった症状が見られることがありますが、いずれも使用を一時的に控えることで症状を抑えることができます。 赤ちゃんの肌の様子に合わせて、医師に相談のうえで適切なレベルの薬の使用を調節していきましょう。 関連記事 赤ちゃんのアトピーは、家庭でどうケアするの? 赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の治療では、普段から肌を清潔に保ち、保湿を心がけるといった、家庭での肌のケアを怠らないようにしましょう。 下記に、赤ちゃんのアトピーのケアのポイントをご紹介します。 シャンプーや石鹸のすすぎ残しを避ける アトピーのケアには、赤ちゃんの体を清潔にすることが大切です。 シャンプーや石鹸のすすぎ残しや過度な使用があると、刺激によって皮膚炎を誘発することがあります。 使用するシャンプーや石鹸自体も低刺激なものに変えるといった対処をしてあげましょう。 乳児湿疹もアトピー性皮膚炎も、清潔を保つ方法は同じです。 関連記事に詳しくご紹介しているので、あわせて参考にしてください。。 関連記事 赤ちゃんのアトピーではアレルギー物質を避けるべき? 赤ちゃんのアトピーの原因として、食べ物やダニ、ほこりといったものがアレルギー物質となって、症状を悪化させていることがあります。 しかし、たとえば食べ物が原因と疑われる場合、無理にアレルゲン除去食を取り入れると、赤ちゃんの発育に影響が出るといった心配な点もあります。 まずは適切なスキンケアを行うことが大切です。 医師と相談のうえ、治療法や日々の食事を検討するようにしてくださいね。 同様に、環境要因としてのアレルゲンを除去しても、完全には治療できません。 ただし、症状の緩和には効果が見られるので、ダニやほこり、花粉、ペットの毛などを避けるように部屋を清潔に保ってあげましょう。 赤ちゃんのアトピーは治るの? 赤ちゃんがアトピー性皮膚炎と診断されると、治らないものと考えてしまうかもしれません。 しかし、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、成長して年齢が高くなるにつれて、症状が良くなる割合が高いとされています。 ただ、症状の強さによっても治癒する時期は異なるため、年齢が上がってもママやパパがしっかり赤ちゃんの肌の状態を見て、適切なケアをしてあげることが大切です。

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