地 縛 少年 花子 くん 画集。 あいだいろ画集 地縛少年花子くん (Gファンタジーコミックス)

【地縛少年花子くん】花子くん(あまね)がかっこいい・かわいい!ヤシロとの恋愛・キスシーンやつかさとの関係は?

地 縛 少年 花子 くん 画集

「…あのぅ、花子くん…?」 「なぁに?ヤシロ」 いつもの、無邪気な笑顔。 でも、その裏に隠れたものに思わず飲み込んでしまいそうになる質問を、必死に口から搾り出す。 「こ、これはなんなのでしょう…」 「紐」 いや紐、じゃなくて。 当然のように応える花子くんに、ぱくぱくと声にならない言葉を発する。 「どうしたのヤシロ?魚みたいに…あ、エラ呼吸が恋しいなら水持ってくるよ?」 「そんなわけないでしょ!!なんで拘束されてるのかって聞いてるのよ!」 そう、今私には、紐だか縄だかわかんないものが巻きついてる。 手首と足が縛られてて、身動きが取れない。 いつも私が綺麗に掃除してるしほとんど誰も使わないからいいけど、ここは仮にもトイレの床だよ花子くん。 キッと睨むと、どこか不機嫌な雰囲気をまとった花子くんの瞳が、私を捉える。 口元は意地悪く口角が上がっているのに、目は笑っていない。 「なんで、かぁ…自分の胸に聞いてみてよ、ヤ・シ・ロ・さん?」 いつもより低い、苛立ちを堪えるような声。 花子くんはそう言って私の額をつつくと、もっけに見張りを頼んでどこかへ消えてしまった。 呆然と、花子くんの消えた場所を見つめていたけど、すぐにはっとして、花札を始めたもっけたちに助けを求める。 「もっけちゃん助けて!この縄、解いて!」 言うとすぐに、「できぬ」と返ってくる。 どうしてかと問えば、「飴」「もらった」「等価交換」と言われた。 もっけの耳にはしっかりと、ぶどう味やいちご味の飴玉が握られている。 なんということだ、花子くんはこの子たちを買収したのか。 …それならば。 「もっけちゃん!この縄解いてくれたら飴あげる!飴玉じゃなくて、棒つきキャンディ!」 キランッと、もっけたちの目が光った気がした。 「…とれない?」 手首に集中するもっけたちに聞くと、戻ってくるのは「すまぬ」「無理だ」「とれぬ」という無慈悲な言葉たち。 怪異が使っている紐だからだろうか。 特殊なものらしく、いくら解こうにも輪ゴムのように縛りつく。 私ははぁ…と息をついて、もっけたちに笑顔を向けた。 「ごめんね、ありがとう。 「は、花子くん!?」 「もっけお疲れ様ー。 はい飴。 見張りありがとー」 驚く私をスルーして、花子くんはもっけに飴を渡す。 追加報酬をもらったもっけたちは大喜びで、ぴょんぴょんと自分たちのテリトリーへと帰っていった。 夕暮れのトイレに、気まずい空気が流れる。 私の視線の先には花子くんがいるけど、もっけたちが出て行った扉のほうを向いたまま、振り向かない。 なんだかその背を見たくなくて、私は視線をそらす。 それでも行き場がなくて、結局トイレの床を見つめる。 「…ヤシロ」 「え?」 ふいに名前を呼ばれて顔を上げると、鼻と鼻がくっつくくらいの距離に花子くんの顔があった。 短い悲鳴をあげると、そのポーカーフェイスが少し崩れる。 私が後ずさってトイレの壁にもたれかかると、花子くんは不機嫌そうに私の顔の横に両手を叩きつけた。 ダンッという音が耳元で鳴り、思わずぎゅっと目を瞑る。 次はなにがくるのかと身構えたけど、いつまでたってもなにもない。 状況を確認したくて、私は薄く目を開けた。 「…花子、くん?」 目に飛び込んできたのは、切なそうな、悔しそうな、そんな花子くんの顔。 目を逸らせなくて、だけど、声も出なくて。 硬直してしまった私に、花子くんが詰め寄る。 「ねェヤシロ?俺が顔近づけたら、嫌なの?……アイツとも同じくらいの距離で話してたのに」 「あ、あいつ…?」 「とぼけないでよ、ヤシロ」 ぐっと、さらに距離を詰めてくる。 あと少しで、唇がくっつきそうなくらいの距離。 お互いの吐息がかかって、間近でかち合った瞳を逸らすことは許されない。 「ほ、本当にわからないのっ!!とぼけてるわけじゃないのよ…っ」 「ふぅん…いいよ、教えてあげる。 今日の昼休み、見慣れない男とこのくらいの距離で話してたでしょ?」 「え…?」 「見てないとでも、思ってたの?」 花子くんの目が、私を見つめる。 何も言えないでいると、ふっと唇に、何かが、触れた。 それは冷たくて、やわらかくて、優しくて。 なのに、触れたところは熱くなって。 唇を合わせただけの、幼稚園児がおままごとでするようなキス。 だけど、そんな簡単なものでも、私の頭を真っ白にするには十分なもので。 ゆっくりと、唇が離されていって、ひんやりとした感触がなくなって、残った熱だけが体を、顔を熱くする。 「…こんなことができる距離で話してたんだけど、まだわかんない?」 「あ、の、花子くん、それは…」 「言い訳は、聞きたくないから」 「んっ!?」 真実を告げようとした口は、花子くんのでふさがれる。 しかも、さっきよりもはるかに深く。 手も、足も動かない。 紐は未だに外れない。 なんとか抵抗しようとするけど、体の力が抜けて、なにもできない。 空気を求めて口を開けたら、そこからぬるりとしたものが腔内に入ってきた。 それは私の舌先をつついて、誘い出すように絡める。 背中をゾクゾクしたものが駆け抜け、体を小さく振るわせた。 腔内を撫ぜられ、飲みきれなくなった唾液が口元を伝い、自然に出た涙が頬を濡らす。 「ふ、ぅ、っは…っぁ、苦し…っ」 息継ぎができなかった私の、ほんの小さな呟き。 それを聞いたのか、たまたまなのか、花子くんの唇が、私から離れていく。 最後に名残惜しそうに唇を舐めて、顔を離した。 銀色の糸が照明に反射して、キラキラと光る。 お互いの息が、荒い。 すぅっと、花子くんの手が伸びてきて、私の頬に触れた。 その手は目元の涙を拭って、私を強く抱きしめた。 「は、なこく…っ?」 「……ゴメン。 俺が勝手に だけだから」 「え…な、なんて…?」 ぎゅうっと、私を抱きしめる腕に力が入った。 「俺が勝手に、嫉妬しただけだから」 「嫉妬って…」 「ヤシロが…男と楽しそうに話してるの、見たことなかったから…」 そう言って、花子くんはもう一度、「ごめん」と謝った。 私は密着した体を優しく離す。 目線をそらす花子くんの顔に向かって、こう言った。 「あの、私が話してた人は…女の子、だよ?」 「…え?」 ぽかんとした花子くんが、私を見つめる。 「え、え?でも、だって、男子の制服着て…?」 「今朝、雨だったでしょ?それで、濡れちゃったらしくて…保健室の予備が男子の制服しかなくて。 それで…」 「あ、え、じゃあ、俺は、勘違いして…っ!?」 「うん…さっき言おうとしたんだけど、その…口、塞がれちゃったから…」 「っ、~~~~っっっ!?」 ぼんっと、花子くんの顔から火が出る。 わなわなと口が動いて、顔どころか耳までもが赤く染まっていく。 目は泳ぎまくっていて、花子くんはふらりと一歩後ずさった。 「あ、あの…」 「ややややヤシロごめん!!俺、すごい勘違いして、ヤシロにあんな…っ!?」 「は、花子くん、落ち着いて…!」 なだめても、なだめても、花子くんは身もだえ続ける。 口元を手で隠して、私に顔を見られないようにした花子くんは、恥ずかしさで震えている。 「花子くん、あの…ヤキモチやいた理由教えてもらっても」 「っ!!や、ヤシロ!今日はもう帰っていいよっ!じゃあまた明日ね!!」 「えっ?あ、え!?」 カバンを持たされ追い出され、大きな音を立ててトイレの扉が閉じられる。 「理由、明日教えてくれるかな」 いまだ熱を持つ唇に触れながら、私はそっと呟いた。 「っぅあああああああああ、なんであんなことやったんだよ俺の馬鹿……」 ヤシロのいなくなった女子トイレで、俺は一人・・・発狂していた。 「あーっ、恥ずい…ヤシロに嫌われたかな…ていうか理由聞かれたらなんて答えれば…」 ううう、と空中で身を捩る。 もう自分の気持ちがわからない。 嫉妬、ってヤシロには言ったけど、なんで嫉妬したのかは俺にもいまいちわかっていない。 …いや、自分の気持ちに向き合ってないだけなのだろうか。 「明日、逃げないで会えるといいけど…自信、ないな」 ついたため息と言の葉は、誰もいなくなったトイレにいつまでも反響していた。

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现货日版 地缚少年花子君あいだいろ画集 地縛少年花子くん

地 縛 少年 花子 くん 画集

地縛少年花子くんは[月刊Gファンタジー]で連載されている漫画で、ストーリーが短編で進んでいくので、新しく登場する人物やお化けを覚えやすく、次の話では前回戦ったお化けが味方になったり、また敵として登場するのでキャラクターへの愛着も湧き、読み進めやすいです。 時々出て来る、 花子くんと同じ見た目の男の子が何者なのか、 花子くんの過去が読んでいくうちにわかることも読みたい気持ちを誘います。 さっそく【地縛少年花子くん】結末ネタバレを紹介していきたいと思います。 驚いたことに花子さんは、昔の学生服を来た少年で、 適当な恋愛グッズを進めてくるのでした。 呆れていた寧々ですが、その中に縁を結ぶ「人魚の鱗」を見つけ飲み込むと、水に濡れると魚になってしまう体になってしまいます。 人魚が家来として迎えに来たことに怯えていると、花子がもう一枚の鱗を飲んで、 寧々と花子に縁が結ばれました。 人魚は退散し、ほっとした寧々ですが、花子から学校の他のお化けの暴走を止める手伝いや、トイレ掃除を命じられるのでした。 最初は、花子を倒そうとした陰陽師家系の源コウも、紆余曲折ありながらも仲間になり、学校の怪談のお化けと戦ったりと、交流していくストーリーです。 一番最初に読んだ時の印象は、昔からよくあるお化けに、片思いを成就させてほしいと願い事をしようとする女の子が呼び出した、学校に伝わる「トイレの花子さん」が、 まさかの男の子で、 女子トイレの地縛霊として登場するのに笑ってしまいました。 ヒロインの女の子は 大根足を気にする、パワフルな女の子という組み合わせも良いと思いました。 「地縛少年花子くん」を知ったのは、先に友人が読んでいて、面白いということで単行本を貸してくれたことがきっかけです。 その後、自分でも単行本を買いました。 昔からある 学校の怪談やお化け、妖怪が好きな方におすすめです。 トイレの花子さんが男の子で登場するのには驚きましたが、絵が可愛らしいながらもホラーとしてゾッとする怖い描写もあり、見応えのある面白い作品です。 【地縛少年花子くん】最終回の結末ネタバレは? 地縛少年花子くんは現在も[月刊Gファンタジー]で連載中で、2019年9月現在11巻まで発売されています。 ですので、結末がどうなるのか誰にも分かりません!! 現在のストーリーは、花子くんがクラスメートで、前に亡くなったコウの友人が生きている世界に入り込んでいます。 花子くんは偽りであっても、皆が楽しく生きている世界で良いといいますが、本心がわからず、不気味で悲しみを感じるキャラクターになっています。 いったい寧々とコウがどうするのか気になるところです。 印象に残っているシーンは、もっけという小さないたずらをするお化けが、新しい噂によって誘拐をするようになったストーリーです。 花子くんからの罰と寧々が、ポジティブな噂に変えて流布したことで、 邪気が消え、 危険のない元のいたずらお化けにもどるところが好きです。 好きな登場人物は、 源コウくんです。 まだまだ陰陽師として未熟で勝手な行動をしがちですが、友達思いの暑い少年で好感が持てて共感しやすいからです。 さらに! 時間をかけてもいいから漫画をたくさん読みたい人には、「」がおすすめ! 無料入会で100ポイント+8,18,28日に各400ポイントずつ=900ポイント 一番多くポイントがもらえる電子書籍サービスなんです。

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TVアニメ「地縛少年花子くん」第2弾PV

地 縛 少年 花子 くん 画集

「…あのぅ、花子くん…?」 「なぁに?ヤシロ」 いつもの、無邪気な笑顔。 でも、その裏に隠れたものに思わず飲み込んでしまいそうになる質問を、必死に口から搾り出す。 「こ、これはなんなのでしょう…」 「紐」 いや紐、じゃなくて。 当然のように応える花子くんに、ぱくぱくと声にならない言葉を発する。 「どうしたのヤシロ?魚みたいに…あ、エラ呼吸が恋しいなら水持ってくるよ?」 「そんなわけないでしょ!!なんで拘束されてるのかって聞いてるのよ!」 そう、今私には、紐だか縄だかわかんないものが巻きついてる。 手首と足が縛られてて、身動きが取れない。 いつも私が綺麗に掃除してるしほとんど誰も使わないからいいけど、ここは仮にもトイレの床だよ花子くん。 キッと睨むと、どこか不機嫌な雰囲気をまとった花子くんの瞳が、私を捉える。 口元は意地悪く口角が上がっているのに、目は笑っていない。 「なんで、かぁ…自分の胸に聞いてみてよ、ヤ・シ・ロ・さん?」 いつもより低い、苛立ちを堪えるような声。 花子くんはそう言って私の額をつつくと、もっけに見張りを頼んでどこかへ消えてしまった。 呆然と、花子くんの消えた場所を見つめていたけど、すぐにはっとして、花札を始めたもっけたちに助けを求める。 「もっけちゃん助けて!この縄、解いて!」 言うとすぐに、「できぬ」と返ってくる。 どうしてかと問えば、「飴」「もらった」「等価交換」と言われた。 もっけの耳にはしっかりと、ぶどう味やいちご味の飴玉が握られている。 なんということだ、花子くんはこの子たちを買収したのか。 …それならば。 「もっけちゃん!この縄解いてくれたら飴あげる!飴玉じゃなくて、棒つきキャンディ!」 キランッと、もっけたちの目が光った気がした。 「…とれない?」 手首に集中するもっけたちに聞くと、戻ってくるのは「すまぬ」「無理だ」「とれぬ」という無慈悲な言葉たち。 怪異が使っている紐だからだろうか。 特殊なものらしく、いくら解こうにも輪ゴムのように縛りつく。 私ははぁ…と息をついて、もっけたちに笑顔を向けた。 「ごめんね、ありがとう。 「は、花子くん!?」 「もっけお疲れ様ー。 はい飴。 見張りありがとー」 驚く私をスルーして、花子くんはもっけに飴を渡す。 追加報酬をもらったもっけたちは大喜びで、ぴょんぴょんと自分たちのテリトリーへと帰っていった。 夕暮れのトイレに、気まずい空気が流れる。 私の視線の先には花子くんがいるけど、もっけたちが出て行った扉のほうを向いたまま、振り向かない。 なんだかその背を見たくなくて、私は視線をそらす。 それでも行き場がなくて、結局トイレの床を見つめる。 「…ヤシロ」 「え?」 ふいに名前を呼ばれて顔を上げると、鼻と鼻がくっつくくらいの距離に花子くんの顔があった。 短い悲鳴をあげると、そのポーカーフェイスが少し崩れる。 私が後ずさってトイレの壁にもたれかかると、花子くんは不機嫌そうに私の顔の横に両手を叩きつけた。 ダンッという音が耳元で鳴り、思わずぎゅっと目を瞑る。 次はなにがくるのかと身構えたけど、いつまでたってもなにもない。 状況を確認したくて、私は薄く目を開けた。 「…花子、くん?」 目に飛び込んできたのは、切なそうな、悔しそうな、そんな花子くんの顔。 目を逸らせなくて、だけど、声も出なくて。 硬直してしまった私に、花子くんが詰め寄る。 「ねェヤシロ?俺が顔近づけたら、嫌なの?……アイツとも同じくらいの距離で話してたのに」 「あ、あいつ…?」 「とぼけないでよ、ヤシロ」 ぐっと、さらに距離を詰めてくる。 あと少しで、唇がくっつきそうなくらいの距離。 お互いの吐息がかかって、間近でかち合った瞳を逸らすことは許されない。 「ほ、本当にわからないのっ!!とぼけてるわけじゃないのよ…っ」 「ふぅん…いいよ、教えてあげる。 今日の昼休み、見慣れない男とこのくらいの距離で話してたでしょ?」 「え…?」 「見てないとでも、思ってたの?」 花子くんの目が、私を見つめる。 何も言えないでいると、ふっと唇に、何かが、触れた。 それは冷たくて、やわらかくて、優しくて。 なのに、触れたところは熱くなって。 唇を合わせただけの、幼稚園児がおままごとでするようなキス。 だけど、そんな簡単なものでも、私の頭を真っ白にするには十分なもので。 ゆっくりと、唇が離されていって、ひんやりとした感触がなくなって、残った熱だけが体を、顔を熱くする。 「…こんなことができる距離で話してたんだけど、まだわかんない?」 「あ、の、花子くん、それは…」 「言い訳は、聞きたくないから」 「んっ!?」 真実を告げようとした口は、花子くんのでふさがれる。 しかも、さっきよりもはるかに深く。 手も、足も動かない。 紐は未だに外れない。 なんとか抵抗しようとするけど、体の力が抜けて、なにもできない。 空気を求めて口を開けたら、そこからぬるりとしたものが腔内に入ってきた。 それは私の舌先をつついて、誘い出すように絡める。 背中をゾクゾクしたものが駆け抜け、体を小さく振るわせた。 腔内を撫ぜられ、飲みきれなくなった唾液が口元を伝い、自然に出た涙が頬を濡らす。 「ふ、ぅ、っは…っぁ、苦し…っ」 息継ぎができなかった私の、ほんの小さな呟き。 それを聞いたのか、たまたまなのか、花子くんの唇が、私から離れていく。 最後に名残惜しそうに唇を舐めて、顔を離した。 銀色の糸が照明に反射して、キラキラと光る。 お互いの息が、荒い。 すぅっと、花子くんの手が伸びてきて、私の頬に触れた。 その手は目元の涙を拭って、私を強く抱きしめた。 「は、なこく…っ?」 「……ゴメン。 俺が勝手に だけだから」 「え…な、なんて…?」 ぎゅうっと、私を抱きしめる腕に力が入った。 「俺が勝手に、嫉妬しただけだから」 「嫉妬って…」 「ヤシロが…男と楽しそうに話してるの、見たことなかったから…」 そう言って、花子くんはもう一度、「ごめん」と謝った。 私は密着した体を優しく離す。 目線をそらす花子くんの顔に向かって、こう言った。 「あの、私が話してた人は…女の子、だよ?」 「…え?」 ぽかんとした花子くんが、私を見つめる。 「え、え?でも、だって、男子の制服着て…?」 「今朝、雨だったでしょ?それで、濡れちゃったらしくて…保健室の予備が男子の制服しかなくて。 それで…」 「あ、え、じゃあ、俺は、勘違いして…っ!?」 「うん…さっき言おうとしたんだけど、その…口、塞がれちゃったから…」 「っ、~~~~っっっ!?」 ぼんっと、花子くんの顔から火が出る。 わなわなと口が動いて、顔どころか耳までもが赤く染まっていく。 目は泳ぎまくっていて、花子くんはふらりと一歩後ずさった。 「あ、あの…」 「ややややヤシロごめん!!俺、すごい勘違いして、ヤシロにあんな…っ!?」 「は、花子くん、落ち着いて…!」 なだめても、なだめても、花子くんは身もだえ続ける。 口元を手で隠して、私に顔を見られないようにした花子くんは、恥ずかしさで震えている。 「花子くん、あの…ヤキモチやいた理由教えてもらっても」 「っ!!や、ヤシロ!今日はもう帰っていいよっ!じゃあまた明日ね!!」 「えっ?あ、え!?」 カバンを持たされ追い出され、大きな音を立ててトイレの扉が閉じられる。 「理由、明日教えてくれるかな」 いまだ熱を持つ唇に触れながら、私はそっと呟いた。 「っぅあああああああああ、なんであんなことやったんだよ俺の馬鹿……」 ヤシロのいなくなった女子トイレで、俺は一人・・・発狂していた。 「あーっ、恥ずい…ヤシロに嫌われたかな…ていうか理由聞かれたらなんて答えれば…」 ううう、と空中で身を捩る。 もう自分の気持ちがわからない。 嫉妬、ってヤシロには言ったけど、なんで嫉妬したのかは俺にもいまいちわかっていない。 …いや、自分の気持ちに向き合ってないだけなのだろうか。 「明日、逃げないで会えるといいけど…自信、ないな」 ついたため息と言の葉は、誰もいなくなったトイレにいつまでも反響していた。

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