ひび みく。 #ひびみく #立花響 first kiss

#ひびみく #立花響 最大の敵

ひび みく

「もうだめだぁ……」 「ほーら、うなだれてる暇があるなら手を動かさないと、いつまでも終わらないよ?」 「だぁってぇ……」 8月も終わりに差し掛かろうとしている今、響を攻め立てているのは響にとって最大の敵だった。 私が知る限り、響はそれに打ち勝ったことはない。 それほどの強敵だった。 「休憩しないと効率よく戦えないよ……」 「それもそうね…。 それじゃ、休憩しよっか」 「……っ!!みくぅーー!!信じてたーーっ!!」 「それじゃ、5分だけね」 「神は死んだ……」 そして響は机へと突っ伏してしまう。 私はそれを、仕方ないなぁという想いで見つめていた。 「それにしても、毎年のことなのに対策とかは立てないの?」 「だってー…宿題に時間を費やしてたら未来との時間が無くなっちゃうんだもん……」 「も、もう…でも、それで毎年困ってるんでしょ?」 「そーだけどぉ……」 と、恨めしそうに目の前の問題集を見つめる響は、いつもの強大な敵と戦っているときのような戦意を感じなかった。 「ほら、なにか淹れてあげるから、もう少しだけ頑張ろう?響は何が飲みたい?」 「…ココアがいい……」 「うん、わかった。 ちょっと待っててね」 私は一人キッチンへと向かう。 休憩が始まってから五分が経った頃、ふとガラス越しに響の様子を伺うと、きちんと参考書へと向かい合っていた。 響はそういうところは律儀だった。 本当はもう少しゆっくり休憩したいと思うけど、ちゃんと私との約束を守ってくれる。 それは、私がその場にいてもいなくても変わらない。 私はそんな響が好き。 頑張って、一生懸命なところが好き。 だから、私は響と一緒にやる宿題が好き。 ガラス越しに自分の顔が目に入った。 ガラス越しでも、少しだけ頬が赤くなっているのが分かる。 それがバレないように、一つだけ深呼吸をしてから響の元へと向かう。 「はい、響」 「ん…ありがとう、未来」 響はそう言うと、ココアを受け取り一口だけ口をつけた。 響の言う通り、今回は少しだけ普段と違った試みを行っていた。 「いつもより、ちょっとだけココアの粉を多くしてみたの」 きっと、いっぱい頭を使っているだろうから、糖分が必要だと思った。 それに、もう一つだけ理由があるとしたら…きっと、響を想うこの気持ちが乗り移ったのだと思う。 昔、あおいさんの淹れる珈琲の美味しさの秘訣を響たちと聞いたことがある。 あおいさんも、一人ひとりの好みを考えて淹れたり、その時の相手の体調を考えたりしているけど、一番は相手を想う気持ちが大切だと言っていた。 そして、私もそう思っている。 それに、響を想う気持ちなら誰にも負けない、私にはその自信があった。 それは、私が一番美味しく作れるということなんじゃないかなと思う。 「ありがとう、未来っ」 「うん…どういたしまして」 響の嬉しそうな顔を見れて嬉しいのはいつものことだけど、今日はなんとなくドキドキしてしまう。 それほどに、今日の私は変だった。 いつも、響のことはとても魅力的に見えるけれど…今日は特に、可愛く見える…… 「ねぇ、響?」 どうして、今日の私はこんなに不安定なのかな。 夏休みが終わっちゃうから、寂しいの? 宿題に響がとられちゃって、嫉妬しているの? 響が相手をしてくれないから、拗ねてるの? 「ん?なーに、未来?」 でも、響はそんな私の気持ちなんて知らないかのように、あっけらかんと答える。 それが少しだけ悔しくて、私は意地悪をする。 「…好き」 いつもの、響に構って欲しいときの、私のパターン。 こう言うと、響は赤くなりながらも戸惑うんだ。 そして、きっと今回も同じだろう。 「み、未来……?どうしたの……っ?」 ほら、ね。 そして、そんな響の様子を見て楽しんでいる私は、本当に意地悪だと思う。 そして、そんな私にも反応してくれる響が可愛くて、また愛しさが湧いてくる。 「私、頑張ってる響が好きだよ」 「未来……」 「困ってるの人の為なら、地球の反対にだってすぐに行っちゃう響だもん。 宿題も、絶対に終わらせられるよ」 そして…… 「だから、残りの夏休みを響と二人で過ごしたいって思っている私のために、もう少しだけ頑張ってくれないかな?」 「うん…うんっ!!私、頑張るッ!!」 最速で終わらせるから、もう少しだけ待ってて! 響はそう言うと、再び机へと向かう。 その気迫は、さっきまでとは全く違うものだった。 それも、私のお願いを聞いてくれる為に頑張ってくれてるのだと思ったら、胸が熱くなる。 そして、さっきまでの嫉妬や不安が霧散していることに気がついて、我ながら単純だなぁと苦笑するのだった。

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#ひびみく #立花響 生傷

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#ひびみく #立花響 first kiss

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『私の伝えたいこと…未来と同じだったら、嬉しいなっ』 あの日、流れ星を見上げながら響に伝えた言葉。 不完全な言葉だと誰かは言った。 だけど不完全だからこそ、こんなに美しく、かけがえのないものなのだと私は思う。 不完全だからこそ、どんな言葉にするかを悩み、悩んだ分だけ相手への気持ちがこもるんだ。 そんな私が、悩み続けてきた全てを伝えたあの日…… 私と響は、特別な関係となった…… あの告白の夜から、しばらく経ったある日の事。 私と響は、とあるホテルの一室にいた。 「響、そろそろ呼ばれちゃうよ?」 私が声をかけると、響は驚いたように声をあげる。 「わっ、もうそんな時間っ!? 未来はもう準備出来てるのっ!?」 「とっくに出来てるよ。 私も手伝ってあげるから、急ごうね」 「うぅ…未来ありがとう~…っ!」 私たちがお互いに想いを告げてから、早くも一年が経過していた。 私と響はリディアンを卒業し、今も二人で暮らしている。 でも…それも今日で終わりとなる。 何故なら…… 「それにしても、こんな綺麗なドレスを着れるなんて思いもしなかったなぁ……」 「うふふ、とても似合ってるよ、響」 響が着ているのはいつもの私服でも、S. の制服でも、ましてやギアでもない、真っ白なドレスだった。 そして、私も同じ衣装を身に纏っている。 それは女の子なら一度は憧れ、一生に一度しか着ることのできない、特別な衣装であった。 「そうかなぁ…それに未来のドレスが似合いすぎてて、私なんて霞んじゃいそうだよぉ……」 「そんなことないよ。 響の方がずっと可愛いよ?」 私のその言葉に、響は照れながら手をぶんぶんと振りながら否定する。 そんな姿も可愛いと思える私は、とことん響に惹かれているのだと実感する。 「それにしても…未来が居てくれなければこんなこと、一生縁がなかったなぁ……」 「ふふ、それならよかった」 私は口ではそう言うけれど、響を選びたいという相手ならいくらでもいるのだろう。 だけど、そんなことは言わない。 言ってあげはしない。 だって、響の相手は私だけなのだから。 もしも他の人だったらなんて、そんなことは一瞬たりとも考えさせてはあげない。 だって一年前のあの時、私をそうさせてくれたのは響なのだから。 『私は未来を奪いたいッ!!人助けなんかじゃなく、私の我儘むき出しだッ!!!』 あの時、響が言ってくれた言葉…… 私が伝えられなかった想いも、覚悟も、響は真っ直ぐに伝えてくれた。 だから私も、今は真っ直ぐに気持ちを伝えられる。 響は私だけの女の子なのだと、迷わずに言える。 我儘にだってなってみせる。 そして、今日はそれを証明し、永遠とする大切な日だった。 「よーしっ!準備おっけー!」 「うん、お疲れ様」 「よし、それじゃあスタッフの人を呼ぶね!」 響はそう言い、部屋に備え付けにされてい端末を操作しようとする。 私はそんな響の手をとり、操作を止めた。 「ちょっとだけ待って、響」 皆の所へ行く前にもう一度だけ、二人きりの時に伝えたいものがあった。 「どうしたの、未来?」 「うん…式が始まる前にもう一度…響に伝えたい言葉があって……」 あの日伝えた想いを…今、もう一度…… 「…私は響を……」 「待って、未来」 響は私を止める。 そして、私を優しく抱き締め、耳元で優しく呟いた。 「その言葉、私も同時に伝えたいな」 「うん…わかった……」 響は優しく微笑むと、そっと身体を離した。 そして、私たちは小さく深呼吸をする。 一年前、初めて伝えたこの言葉…… だけど、それまではずっと伝えられなかった、この胸の内を…… そして、一度伝えたら、止まることのないこの想いを…… 「「私は、貴女を」」 精一杯心に込めて、今…もう一度…… 貴女に、伝えます…… 「「愛しています」」 そして、私たちはどちらともなくキスをした。 触れるだけの軽いキス。 だけど、この胸は響への愛で満たされていた。 しばらくして、扉をノックする音が聞こえる。 どうやら、式の準備が整ったようだ。 「行こ、未来っ!皆が待ってるよっ!!」 「そうだね、響っ!」 私たちは今日、新しい一歩を踏み出す。 皆に祝福してもらって、私は響との新しい人生をスタートさせる。 そして、この愛は永遠になる。 永愛を未来に響き渡らせる……. 響と私の、二人だけで…….

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