ハイパー ハード ボイルド グルメ リポート 打ち切り。 ハイパーハードボイルドグルメリポート

「できればここを出て行きたい」ケニア最大のゴミ山で暮らす若者のスカベンジャー飯:ウルトラハイパー ハ...|テレ東プラス

ハイパー ハード ボイルド グルメ リポート 打ち切り

食うこと、すなわち生きること。 食の現場にすべてが凝縮されている。 ヤバい人たちのヤバい飯を通して、ヤバい世界のリアルを見る番組「ウルトラハイパー ハードボイルド グルメリポート」。 2017年10月深夜に、深夜枠で「ハイパーハードボイルドグルメリポート」が初放送されるや大反響を呼び回を重ね、2019年7月には初のゴールデンタイムに進出し、「ウルトラハイパー ハードボイルド グルメリポート」として放送された。 今回は、ゲストに有吉弘行を迎えてお届けした初ゴールデンの2019年7月15日放送から「ケニア ゴミ山暮らしの若者飯」を振り返る。 ケニアの巨大なゴミ山で暮らす人々の飯 ケニア共和国の人口は約5000万人。 最初に訪れた首都ナイロビは、アフリカで最も急速に成長している都市である。 ここで暮らす人々の平均月収は約6万円。 まずは腹ごしらえ。 道端で、網に乗せて焼いているものとは...... なんと牛とヤギの頭。 頭を割ってスープにするという。 隣では「アフリカンソーセージ」(5切100円)を作るため、大量の牛ひき肉と玉ねぎと唐辛子を大きな鍋で炒めている。 スープ作りは、まず焼いた牛の頭を割って湯に入れ、ヤギの頭も加え、さらにソーセージの肉汁も入れて30分煮込む。 カップで一人分をすくってシンナーが入っていた空き容器に移し、味付けに塩を加えてフタを閉め、勢いよく容器を振り泡立てる。 カップに注ぐと、クリーミーな泡がまるでカプチーノのような「牛とヤギの頭のスープ」(100円)の完成。 取材ディレクターも「めっちゃ濃厚。 武装したギャングがゴミの利権を巡って抗争を起こすなど、事件の多い危険な場所だという。 そこでは子どもたちが、ものを拾って生活費を稼いでいる。 このケニア最大のゴミ山で暮らす者たちは、一体何を食うのか? 道中、ペットボトルで何かを吸っている子どもたちが。 中身は靴修理用のゴム糊で、シンナーの匂いがする。 彼らはいわゆるシンナーチルドレンなのだ。 ケニアには路上で暮らす子どもが30万人以上いると言われ、その子どもたちの大多数はシンナーをはじめとするドラッグに溺れていく。 路上の子どもたちのまとめ役・ジョン(29歳)になぜシンナーを吸うのか尋ねると、「食べる物もない、寝る場所は外。 ストレスがたくさんある」と話す。 ジョンの両親はいるものの、貧しくて一緒には暮らせない。 ここでは親が亡くなったか、親に捨てられた子どもたちが身を寄せ合って暮らしているのだ。 「飯を見せてもらえませんか」と頼むと、よく行くという食堂に案内してくれた。 彼らはお金を持っていないため、こちらで支払うことに。 料理を待つ間、ジョンが手にした何かを吸っている。 飛行機の燃料(ガソリン系)を含ませた布だという。 体に悪いことはわかっていながらも、「ハイにしてくれる。 ストレスがあっても消し去ってくれるんだ」とジョン。 他にも「チャビス」というドラッグも見せてくれた。 運ばれてきたのは、山盛りポテトの上に大きなチキン「チキン&チップス」(240円)。 物乞い1日で稼げるのは、良いときで800~1000円くらい。 ジョンは「これを食えるのは月に1回だね」と言い、子供たちはうれしそうに食べ始める。 ところが、かなりの量を残し、子供たちはお腹いっぱいになってしまう。 シンナーを吸いすぎると食欲がなくなるというのだ。 ここでの日々は「すごく厳しい」と話すジョン。 物乞いにとどまらず日常的に強盗やスリをしなくては生きていけない。 罪悪感はないのかと尋ねると、こう答えた。 「悪いことをしてるとは思わない。 食べ物がないから仕方ないんだ。 東京ドーム5. 3個分の広さのナイロビ最大のゴミ処分場で、1日に約850トンのゴミが運ばれてくる。 ここでは3000人以上がゴミを漁り生活の糧を得ている。 人が捨てたものを拾って生きる彼らは、「スカベンジャー(屍肉食動物)」と呼ばれている。 ゴミ山の入口で、立ち上る煙を発見。 火を炊いているようだ。 煙の立つ場所にいってみると、缶を鍋にして料理をしている人がいる。 なんと、薪の代わりに燃やしているのはプラスチック。 昼食だという飯を見せてもらえませんかと頼むと、快く缶のフタを開けてくれた。 中身は牛の肉や脳みその煮込みで、柔らかくなるまであと1時間はかかるという。 ほとんど歯がないため、柔らかくしないと食べられないというのだ。 料理をしていたのはピーター(65歳)。 もう25年もゴミ山で暮らしている。 ここでゴミを拾っているほとんどの労働者は周辺のスラム街から通っており、ゴミ山の中に暮らしているのはほんの一握り。 ゴミ山唯一の食堂へ ゴミ山の入口を散策すると言うと、ピーターが案内役を買って出てくれた。 歩いていると、ゴミ山の内側から火が出ている。 大量のゴミによる圧力やゴミ自体の発酵、直射日光などによって温度が上がり、自然に発火するのだ。 さらに先に進むと、大量の牛が。 そこは家畜の餌場で、ゴミを餌にして乳牛からミルクを得ているのだという。 そろそろ煮込みも完成したころなので戻ってみると、缶がなくなっている。 散策しているうちに盗まれてしまったようだ。 金もなく、昼食もなくなってしまったピーターは黙って腹をさすっている。 責任を感じた取材ディレクターは1食シェアすることに。 ゴミ山労働者が通う、ゴミ山で唯一の食堂で出てきたのは「チャパティ&ンデング」 100円。 緑豆をトマト・玉ねぎ・にんにくで煮込んだ「ンデング」を、チャパティと共にうまそうに頬張る。 元々靴の修理をしていたピーターだが、オーナーにミシンを取り上げられ、仕事ができずやむなくゴミ山に辿り着いた。 2人子どもがいるが、ゴミ山では暮らせないので叔母の家に預けている。 「子どもと過ごすことだけが幸せなのに、もうずっと子どもに会えてないんだ」 自分のこれからもどうなるかわからない。 ここでの暮らしに幸せだと思える瞬間などないとピーターは語った。 ダンドラで飼われる豚の血中鉛濃度は一般の35倍というデータがある。 ダンドラでゴミを食べて育った豚を食べられるという店「ポークセンター」へ。 「汚染は大丈夫?」と尋ねると、店員は「汚染なんてないよ」と答える。 オーダーした300グラムの豚肉をラードで炒め、トマトと玉ねぎを加えてさらに炒めた、「ゴミ山ポークのトマト炒め」(160円)。 取材ディレクターが食べたところ、脂が甘く、トマトでさっぱりしているという。 ゴミ山に住んで4 年になるジョセフ(18歳)だ。 両親は貧しくて養ってくれないので、14歳で食べ物を探しに来たという。 ジョセフはゴミ収集のトラックに乗り込み、街中のゴミ捨て場を人より先に回ってゴミを集めている。 トラックが来るまではゴミ山でプラスチックと金属を拾う。 重さで値段が決まるので、かさばらず重いものを選んでいるだという。 朝9時、政府のゴミ収集トラックの荷台に乗り込み、ナイロビの中心部へ。 「お金持ちがたくさんいる」というジョセフに、お金持ちをどう思うか聞いてみた。 「一方では好きだけど、一方では嫌い」 お金持ちは貧しい人を救うべきなのに、助けてくれない。 けどお金持ちでなければ貧乏人を救えないからだという。 昼12時半、収集されたゴミ袋が荷台に投げ込まれる。 ジョセフはゴミからその場で作ったナイフで袋を開いてプラスチックを取り始めた。 これがジョセフの仕事。 ゴミ収集を手伝う代わりにプラスチックを取らせてもらい、ダンドラに戻ったら売って金にするのだ。 時折、咳き込むジョセフ。 ゴミ山の有毒ガスで胸をやられているらしい。 「強くないと、ここじゃ生き残れない」 家族について聞けば、妹が2人と弟が3人、遠く離れて暮らしていると。 しかし、それ以上は話さず、うつむいてしまった。 午後5時半、ダンドラに戻り、集めたゴミをゴミ山の麓の買取所に売りに行く。 この日の稼ぎは6. 5キロで90円だった。 飯の準備のため、まずは火を起こす。 使うのはクッションの中綿で、よく燃えるらしい。 案内人によると、それは人体に有害なアスベストだという。 自然発火したゴミを火種として枝と中綿を燃やし、先ほど降った雨で冷えた体を温める。 店で買った水と米とマドゥンド(煮豆)を、大きな缶で炊き上げると、「ゴミ山のお赤飯」(70円)が完成。 ペットボトルの底を皿にして、赤飯を頬張る。 ジョセフは取材ディレクターにもわけてくれ、「お金があればもっといいものが作れたのに」と。 ここでの暮らしはどうかと尋ねると、「できればここを出て行きたい」と話す。 将来は奥さんと子どもを持ち、プレイステーション屋を開く夢があるという。 アフリカの多くの国々では、家庭用ゲーム機が1台手に入れば、客をとってプレイ代で稼ぐことができるのだ。 最後に「今幸せ?」と問うと、ジョセフは穏やかな表情でこう答えた。 「あなたに会えたから幸せだよ」 この1週間後、ダンドラエリアの数ヶ所で連続強盗事件が発生し、多数の被害者が出た。 ジョセフも巻き込まれ腹と背をナイフで刺されたが、運よく病院に運ばれ翌日にはゴミ山に帰ったという。 ギリシャ難民漂着飯と激動の香港デモ飯 10月14日(月・祝)夜10時より放送の「ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート」は、"今"の飯。 ギリシャのほぼ東端、小さな島に生まれたヨーロッパ最大の難民キャンプで暮らす者たちは何を食うのか。 命を賭してボートで海峡を渡ってきた者たちは何を食うのか。 そして、トルコ側で難民たちの密航を手配するブローカーは何を食うのか。 イギリスから返還されて21年経った香港が今、中国の支配から逃れようともがいている。 デモの当事者たちは何を食うのか、その口からは何が話されるのか。

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『ハイパーハードボイルドグルメリポート』上出遼平が語る、テレビマンの矜持 「安易な物語に矮小化したくない」|Real Sound|リアルサウンド ブック

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リベリアの人食い少年兵の廃墟飯、台湾マフィアの贅沢中華、ケニアのゴミ山スカベンジャー飯など、ヤバい世界で生きる人々の飯をリポートする。 テレビ東京の同名番組を書籍化。 【「TRC MARC」の商品解説】 「ヤバい世界のヤバい奴らは何食ってんだ!? 人食い少年兵・マフィア・カルト教団……。 数多の危険と困難を乗り越えた先の取材で、「食」を通じて描かれる世界のリアルとは 2019年ギャラクシー賞受賞! 購入者特典で完全未公開エピソード配信も 番組に収まりきらなかった未公開エピソードはもちろん、危険すぎる取材の裏側を余すところなく収録! 各種ニュースサイトも注目 【番組ファンの著名人からの推薦コメント】 田原総一朗 「このような凄まじい番組を、よく放送できたものだ。 クレームを恐れた無駄な番組ばかりがどのテレビ局でも氾濫している中で、とび抜けて危険な番組である。 リベリアの旧墓地に住む、元人食い少年兵たち。 売春で生きている元少女兵もいた。 台湾のマフィアたちの宴会、そしてロシアのカルト教に潜入。 これはあきらかに、テレビのささやかならぬ暴動である。 」 井口理 King Gnu 「グルメリポートと銘打ちながら「生きるってなんだろう」「人間ってなんだろう」と問いかけてくる番組が今まであったでしょうか。 貧しくても、罪人でも、女でも男でも、みんな等しく平等に食べて生きている。 おれたちみんな血の通った人間なんだと教えてくれる。 すげー。 」 【出版社からのコメント】 この本は美食を巡るグルメ本であり、悲劇の地を辿るダークツーリズムであり、メディアに従事する者の仕事術紹介であり、危険のむこう側を活写したルポルタージュであり、人々との出会いの物語であり、分断の時代の新しい教科書です。 テレビ番組から生まれた本ですが、番組ファンはもちろん、番組を見たことのない方にこそ読んでもらいたい内容になっていると思います。 是非手に取ってみてください。 テレビ番組での本作は毎回欠かさず、YouTubeチャンネルで配信されているものも含めて見ていた。 今回、上出さんが本を出版されたとのことで、もちろんこちらも、という感じで手に取った。 正直見かけからは(失礼すぎるけど)ここまで文章が上手い人だとは思っていなかったので、良い意味で裏切られた。 テレビの画面越しでこの番組を見ると、元少女兵の売春で得た金で食べる飯など、生々しくヘビーな画面もそのまま映す。 同じ場所でも本を通してみると、画面越しに見たものを、細かい経緯や情景、作者の心情、取材相手・現地コーディネーターの細かい言動、そしてその飯の描写を、文字からより深みのあるリアルを感じることができた。 たまにクスッとくる文章があるのも作者らしい。 四字熟語も多用されているので、もともと文章を読むのが好きな方なのだろう。 「ヤバい」とこちらから勝手に感じてしまっているが、彼らからしたらそれは日常で、全然ヤバくなんてない。 そうとは分かっているのに、時折憐むような気持ちになってしまうのも事実で、生きることと食うこと、人間、平和、宗教、平等、なんだかいろいろな答えのないものについて、自然とまた、考えさせられてしまう。 生きるために食い、食うために生きる。 人間の振る舞いの何もかもが、その日の「飯」につながっている。 だから「飯」は世界を見せてくれる】(文中より引用) 「ヤバい世界のヤバい飯」を追いかけるテレビ東京の異色のドキュメンタリー番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。 その書籍版にして完全版とも言える作品です。 著者は、早稲田大学からテレビ東京へと進んだ上出遼平。 圧倒的な熱力を備えた傑作。 リベリアの少年兵やロシアの教団の話も凄まじいのですが、やはり白眉はケニアのゴミ山におけるエピソード。 善悪や常識の境界がぐわんぐわん揺さぶられる衝撃を受けました。 これは今年のランキングに間違いなく入ってきそう。 放映されるたびに釘付けになってみていた番組の書籍化。 時間を忘れて見入ってしまった。 書籍でも同じだった。 時間を忘れて読み耽ってしまった。 すさまじい濃厚さだった。 本では、放送できなかった999が補われて、1000まで書かれている。 納得の濃厚さだった。 胸焼けしそうなほど。 読み終わる頃には、圧倒されてしまった。 それほどだった。 日本ではない、物理的にも心の距離も遠い「ヤバイ」世界での、「食事」という、誰もが行う普遍的な営みを追ったドキュメンタリー。 『人は、生きるために食い、食うために生きる』と著者上出さんは書くが、確かにそのとおりで。 どんな生い立ちのどんなヤバイやつでも、わたしたちと同じように、空腹では生きてはいけないし、生きていくために物を食う。 良い奴も悪い奴も飯を食う。 リベリア 人喰い少年兵の廃墟飯 台湾 マフィアの贅沢中華 ロシア シベリアン・イエスのカルト飯 ケニア ゴミ山スカベンジャー飯 NetflixやAmazon primeのサブスクリプションでもみられる四食について書かれているが、ドキュメンタリーでは映されなかった飯も書かれている。 「現地ガイド」としてドキュメンタリーの脇役として描かれていた人々についても、本書では詳しく書かれている。 また、上出さんのジャーナリストとしての矜恃も取材するときのスタンスも興味深かった。 『取材は暴力である。 』『カメラは銃でありペンはナイフである。 幼稚に振り回せば簡単に人を傷つける。 』たとえジャーナリズムは、真実を暴く正義であったとしても、暴かれる側からしたら暴力であることには変わりない。 そのことを知ってから、ドキュメンタリーでの、時に「それを聞くのか…!」とさえ思える質問も理解できた。 とても興味深かった。 世の中にはまったくの善人もまったくの悪人もいなくて、ただ、人がいて、人は飯を食うのだ。 人生観になんらかの影響を与えること間違いのない一冊でした。 彼が写すのは、食事をすることを通してみた、彼らの生活。 それを映像化したのが、テレビ東京の「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。 そして今回書籍化したのがこちらの本であるが、 番組で放送したのが、本で書かれた全ての千分の一、と冒頭で述べるほど、内容は濃い。 リベリア、台湾、ロシア、ケニア…。 4カ国の中での出来事が語られるこの物語は、今まで読んできた本の中でも、かなり真に迫った現実を、休む間もなく突きつけ続けてくる。 読み終えて、最も衝撃だったのは、物語で最初に訪れたリベリアだった。 著者が述べるところの「世界中の不幸の盛り合わせ」みたいな国であるリベリア。 日本からの支援物資は転売され、それを買う村人。 椅子を持ち歩くのは、置いておくと盗まれるから、という子供…。 さらには、「エボラ出血熱」による惨たらしい死。 こうして不幸渦巻く現実に、エボラでさえ、富裕国による陰謀説だと唱える人もいる。 そうしなければ、受け入れられない、という。 どうしても、比べて考えてしまう。 誰かと比べて自分は幸せだとか、優位だとか劣っているだとか。 しかしそんな薄っぺらなことを、この本が伝えたかったように思えない。 いや、きっとこう感じて欲しい、というわけではなく、もちろん筆者が感じたことも綴ってはあるけれども、ただただ事実のみを描きだして、読んだときにどう感じるかを問いかけてくるような気がした。 振り返る。 私たちは食べる。 どんなに贅沢な生活を送っている人も、明日生きられるかもわからない人も。 ならば、食べることを通じてなら、あらゆる人の生き様を垣間見ることができるのではないか。 その着眼点には、思わず脱帽。 こんな短文でこの本のエッセンスは、まとまりきらない。 でもこれだけは言える。 心して読んでほしい。 そして読書を通じて味わってほしい。 そんな一冊。 なかでも、リベリア編、台湾編、ロシア編、ケニヤ編がとりあげられ。 本当にテレビに出したのはひとすくいだったのだと知る。 リベリア編でラフテーにたどり着くまでの悪戦苦闘。 ラフテーが元少年兵を一喝し、売春が行われてるストリートで撮影を咎められた際に助けてくれたのがそこを仕切るボスでラフテーのボーイフレンド、なんてことがあったとは。 台湾編も、あの会食にたどり着くまでに、2度のドタキャンと、勢いこんで行ったけどオンエアは見送った人骨を入れて精錬する刀鍛冶のエピソードがあったり。 ロシア編も、最初の企画が出発直前に頓挫し、旅立ってから転がり込んだ話でカルト教団に潜入でき。 行ってからもお仕着せのツアーをうちやぶるために、体調不良を申告し、ようやく教団指定じゃない、少年にインタビューでき、信者以外の雑貨屋店主に話ができる、なんてシーンがあり。 もう、放映されたシーンの背後にどれだけの積み重ねと試行錯誤とタイミングの良し悪し、粘り強く撮れ高をもとめる心があったのか。 そして、あとがきの、取材は暴力である、その前提を忘れてはいけない、カメラは銃であり、ペンはナイフである、幼稚に振り回せば簡単に人を傷つける、という言葉。 それでもなお…といった思い。 おもしろいって思う自分に罪悪感を感じてしまうくらい、内容は辛くて、けど辛いって思うこと自体も間違ってて。 「どちらが正しいかなんてわからない。 わからないし、比べる必要もない。 シベリアの村で誰かが言った通り、僕たちは"他人の正しさを判断するべきてはない"。 」 なにが正義で悪なのか、個人の中にあるもので決して普遍的なものではない。 自分の正義をふりかざして何者かを悪とするとき、自分にとっての正義は誰かにとっての悪であることに常に気を巡らして行かなきゃいけない。 そのためには想像力をかき集めていくしかない。 そんな想像力の糧になるような本でした。 まさに世界の裏側というべきか、もう一つの世界というのか分からないけど、間違いなく自分にとって心に焼き付く世界であった。 どれだけ働こうと1日のご飯が保証もされない日々と、身の危険がいつ起きるかわからない場所、そんな世界で生きている人々の生き方に勇気付けられる。 世界では、生きることに必死の人たちがいて、ご飯が食べられることに幸せを感じ、家族と暮らせること望む。 自分自身の生活に照らし合わせたとき、自分の立場に心から感謝し、世界の1人でも救えるような存在になりたいと思った。 この本に出会えて良かった。

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『ハイパーハードボイルドグルメリポート』上出遼平が語る、テレビマンの矜持 「安易な物語に矮小化したくない」(リアルサウンド)

ハイパー ハード ボイルド グルメ リポート 打ち切り

過去に文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。 インタビュー部門の第5位は、こちら!(初公開日 2019年10月14 日)。 10月14日(月)夜22時の放送を前に、前回の放送で危なすぎて言えなかった撮影秘話から今回の見所まで。 テレビ東京の上出遼平さんにお聞きしました。 驚きました。 上出 僕もえっ!? ってなりましたよ(笑)。 放送まで3か月もないから無理だと思って、最初断ったんですけど社内で「とにかくやるんだ!」と言われまして……。 やらせてもらえるのはありがたいことなんですけどね。 上出 そうなんです。 しかも『ハイパー』のスタッフは少なくて10人前後で制作していて、みんなそれぞれ他のレギュラー番組も抱えているんです。 でも放送日は迫ってくるので、レギュラー番組のスケジュールを押しのけてでも「すみません」って言って、海外ロケに飛び出していくしかない。 だから今、社内では相当嫌われてます。 上出 番組のラインナップを決める編成の方が『ハイパー』にすごく意味を感じてくれたんです。 それが今回のスピード復活のきっかけでした。 上出 ゴミはお金になるので利権争いが起こって治安がめちゃくちゃ悪いんです。 僕が行ったナイロビのゴミ山も周囲はスラムで取り囲まれている。 そんな場所で、取材2日目にようやく見つけたのが奥の奥で穴掘ってトタン屋根かぶせて住んでる青年でした。 上出 『ハイパー』を改めて簡潔に説明すると、ハードボイルドな『突撃!隣の晩ごはん』なんです。 観光客が入っていけないような場所に行って、そこで暮らす人が何を食べるのかを見に行く。 一緒に飯食うともっと色んな話が聞けるという番組です。 だからゴミ山に暮らしていた青年にも「ご飯見せてもらえませんか?」とお願いして。 上出 他の人たちはゴミ山に来たゴミを仕分ける仕事をしているんですけど、彼は「この方法は俺しか知らない」と言って、街へ行く車に乗ってゴミ捨て場を回るんです。 その時にすごく感じたのが周囲の人の視線で。 ごみ収集車は、絶対に必要な存在ですよね。 だけど、汚物をみるような目線で終始見られている。 すごくタフな仕事だなと思いましたね。 上出 だけど8時間ぐらいプラスチックとか金属とかお金になるゴミをたくさん集めてやっと90円ぐらい。 時給にしたら10円ちょっと。 青年はそのお金で2食分のお米と豆を買って、ごみ山で自然発火している火と空き缶でお赤飯を作っていました。 そんななけなしのお金で作ったお赤飯を僕にもひと口分けてくれて。 日本のお赤飯とは違ってお米が少し固めで良い感じに僕好み。 しかもその日は虹も出ていて、ゴミ山と言えど山ですから頂上から見た景色の中で食う飯が美味しいのは同じですよね。 もちろんゴミの臭いはしましたけど。 でも本当に青年にはそれだけなんですよね。 働いても全部飯代になっちゃうわけです。 なんですか? 上出 ゴミ山に少し水が流れている川みたいな場所があるんですけど、その脇に小さな横穴があって。 中にはビニール袋に入れた服とか彼の「宝物」が隠してあるんです。 ある時に「見せてやろうか」と言って、この隠しロッカーからお気に入りの一張羅を見せてくれたんです。 もちろん全部ゴミ山で拾ったものなんですけど、彼にとってその1枚がものすごく大切なものなんですよね。 それを僕に見せてくれたことにとても感動しました。 彼が取材の直後に強盗事件に巻き込まれたことだったんですね。 上出 強盗に刺されちゃったんですよね。 一命は取りとめたので良かったですけど。 これほど危険な場所だったということですよね。 取材中は危険なことはなかったんですか? 上出 うーん。 また社内で呆れられてしまうので言いづらいんですが……(笑)。 僕がゴミ山で暮らす人を探しているときに、めちゃくちゃ遠くから3人ぐらいにずっとつけられたりしましたね。 みんな相当目が良いんですよ。 上出 日が暮れる前にゴミ山を出るということは鉄則で守っていたんですけど、もし残っていたりしたら……ヤバかったと思います。 何回か2人で囲まれて「ここ通るなら1万円払え」みたいなことを色んなグループに言われたりして。 あんまり言いすぎるとまた怒られるからなあ……。 一部の方々に強めに刺さる。 そんな中で、意味を感じてくれた人が「絶対やるべきだ!」という声を上げてくれて制作が決定するという……。 本当に予測不可能な番組です。 あとはYouTubeのほうでも第1弾の「リベリア編」スピンオフ動画を公開したんですが、合わせて170万回再生を超えたり……。 前回は初のゴールデン進出でしたが、視聴率はどうでしたか? 上出 覚えてないですね(笑)。 うん、ここまでは許せるというラインをギリギリ越えなかったくらいかな……。 万人に愛される番組作りというか。 上出 もちろん視聴率は大事ですが、やっぱりテレビ東京には「強く深く刺さるコンテンツを作っていかなければならない」という意識があって。 そんな意識で『ハイパー』の続編が決定した部分もあると思います。 この番組はYouTuberみたいに自分でカメラ持って現地行って取材して編集してってすごく現代的な作り方だと思うんです。 「作り手が見えるコンテンツ」をテレビ局がちゃんと作ることも必要。 「みんなこれが欲しいんでしょ」という及第点を目指す番組は他の人が作ってくれますから。 ただ日程が限られていて、他の番組の収録だけして翌日に出発して、また別の特番の収録日に帰ってくるような、まさに弾丸スケジュールになりました。 ギリシャでは何を取材されたんですか? 上出 中東の難民が、EUに入国しようと押し寄せているというニュースを見たんです。 小さな15人乗りぐらいのゴムボートに45人ぐらいが乗って、トルコからギリシャのレスボス島という小さな島にどんどん入ってくる。 大体8万人ぐらいが住んでいた島だったんですけど、2015年くらいからもう7万人以上の難民が島に居座っていて、難民キャンプも大変な事態になっていると。 そんな状況だけど毎日ボートはやってくるんですよね。 警察の目を避けて深夜に到着するボートを海岸で待ち伏せて到着した人に、「何食うの?」って聞いて回って。 上出 まあそれはオンエアを見て頂ければ(笑)。 でも難民の方々に話を聞いていて、その出国を後押しするブローカーが気になってきたんです。 そのブローカーの話も聞かないと今回の『ハイパー』は完成しないなと。 それで急遽ボートが出る側のトルコに行くことにして。 でも思いつきでトルコに行って、ブローカーに会えるものなんですか? 上出 日本で探そうと思うとほぼ不可能に近い話なんですけど、現地で伝手を辿ってボートが出る沿岸を警備していた人に接触できたんです。 その人が案内してくれて、ブローカーに話を聞けました。 難民向けの違法な商売ですけど、実は成功報酬制度だったり保証制度もあってビジネスとしてシステマティックなんですよ。 すごく面白かった。 でも結構こういうパターンは多いんですよ。 だから犯罪者とコンタクトをとろうと思うと、警察とか軍人にまず通すのが一番だったりする。 でもギリシャでは数回、警察に連行されたりもして。 他の国でも経験はあるんですが、ちょっとヒヤッとしました(笑)。 上出さんは何か食べましたか? 上出 オンエアにはもちろん乗せてませんけどちゃんと美味しいもの食べてますよ(笑)。 とは言え全然贅沢はしてません。 宿代だって4000円だし。 ヨーロッパなのに。 低予算番組だと思われてるんですかね?(笑) まあでも制作費が上がってもロケ場所が増えるだけなんで基本は同じようなロケ生活になりますよ。 僕は毎回ロケ先に着いたらまず雑貨屋で300円くらいのたらいを買うんですよ。 それで毎日洗濯して。 見てくださいよ、手ガサガサになりますから。 辛いです。 香港ですね。 上出 僕が行きたかったんですけど、もう1人のディレクターが代わりに行ってくれました。 これもギリシャにかぶるんですが、ニュースに出ていることは本当に真実なのか? っていうのを知りたかったんですよね。 催涙弾とか投石は見飽きたし、彼らが本当はどう思っているのかが気になる。 それこそ「飯見せてよ」が活きる現場だなと。 フルマスクで。 彼らがこの先どうなっていくのかを聞くことができました。 あと、やっぱり今は「香港=デモ」ですけどデモ以外の生活もあるわけで。 週末に路上でたむろしているフィリピン人のメイドさんたちにも話を聞きました。 彼女たちのご飯からも「デモの裏側」を見ていただけると思います。 公式アカウントでは違うハッシュタグでしたよね?(笑) 上出 すみません! なんか後でやっぱり「 ハイパー」にしようってなって(笑)。 今回こそは「 ハイパー」でこの記事を見た人はつぶやいてください。 早稲田大学法学部卒。 2011年テレビ東京入社。 バラエティ番組を制作する制作局に配属。 その後ADとして『世界ナゼそこに?日本人』の立ち上げに関わり、当番組でディレクターデビュー。 海外ロケばかりを繰り返す6年間を経て、『ハイパーハードボイルドグルメリポート』を立ち上げ。 現在は『学校では教えてくれない!所さんのそこんトコロ』のディレクターなど兼任。 (「文春オンライン」編集部) 外部サイト.

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