レムデシビル 治験。 【国際医療センター】新型肺炎薬の治験参加へ‐「レムデシビル」有効性を評価|薬事日報ウェブサイト

【国際医療センター】新型肺炎薬の治験参加へ‐「レムデシビル」有効性を評価|薬事日報ウェブサイト

レムデシビル 治験

通常、医薬品は承認されるまで1~2年はかかるが、レムデシビルは申請からわずか3日での承認だ。 異例ともいえる超スピードで承認されたレムデシビルだが、未解明の新型コロナウイルスに対して、どのような基準で効くと判断されたのか。 米中でレムデシビルの治験が行われたが、結果が効く、効かないで正反対だったと報じられている。 レムデシビルは新型コロナに効くのか、なぜ米中の治験で異なる結果が出たのか。 そもそも薬が効くとはどういう状況なのか、医薬品開発に携わる薬剤師として考えてみたい。 先日「期待のアビガンが簡単に処方できない理由」という記事で書いたが、新型コロナの特効薬として期待されているアビガンも、元々は新型インフルエンザの薬だ。 新型コロナの薬として開発されたものではなく、その副作用から厳重な取り扱いが求められている薬である。 レムデシビルは、この薬を開発した米国の製薬会社、ギリアド社の試験で新型コロナウイルスの患者に試したところ効果が確認され、候補薬に挙がるようになった。 2月24日、中国を視察した世界保健機関(WHO)の担当者が、「現時点で本当に治療効果があるとみられる唯一の薬」と発言したことで期待は高まり、多くの治験が開始された。 しかし4月29日に米国と中国から出された臨床試験結果は正反対だ。 「回復が早まった」とする米国に対し、中国では「効果は確認できなかった」とされた。 これは日本国内のメディアでもすでに多数報じられている。 なぜこのようなことが起きたのか。 薬は効くか効かないか2つに1つ、白黒はっきりするものではないのか? と不思議に思うかもしれない。 この治験結果の違いから見えてくるのは、「薬が効いた」と判断する基準と、その基準の決め方の難しさだ。 米中、そしてギリアド社の治験の詳細な違いは後述するが、どんな指標を使って、どの程度変化したら改善と判断するのか、その定義によって結果は変わってしまう。 評価項目の妥当性を研究することもあるほどだ。 より正確にレムデシビルの効果を調べるため、それぞれの試験の計画段階で、専門家が適切な評価方法を十分に検討してはいるものの、「薬が効いた」という判断はそれでも難しい。 加えて中国の治験は、都市封鎖の影響で患者が減少し、計画していた人数が集まらず途中で打ち切られた経緯もある。 予定通りの人数が集まっていたら、また違った結果が出ていた可能性もある。 つまり、患者が改善するまでの日数が、レムデシビルを使った患者と使わなかった場合で差があるかどうかを確かめた。 結果を簡単にいえば、レムデシビルを使おうが使うまいが、改善までの日数に差はなかった。 差がないという結果なので、確かに「効果は確認できなかった」という結論は正しい。 (2)ACTT試験 (米国国立アレルギー感染症研究所:NIAIDの治験) この治験では退院するか、日常生活に戻るまでの回復期間を指標として、レムデシビルを投与してから15日目の患者の状態を8段階で評価している。 結果は、レムデシビルを使った方が、使わないよりも早く回復するという結果になった。 一方で死亡率は、レムデシビルを使っても使わなくても差はなかった。 (3)アメリカ・ギリアド社 SIMPLE試験 この試験では、患者の「改善」とは、7段階スケール(退院~酸素療法の必要性~死亡)で評価し、投与前と後で2段階以上の改善が見られることとした。 また、酸素療法と治療が不要となるか、退院することが「回復」と定義された。 現在、試験は実施中である。 それぞれ評価方法は少しずつ異なっているが、レムデシビルが効くかどうかは、患者の臨床的な状態を6~8段階で評価すること、その指標で2段階以上良くなったとした場合を改善と定義していることが共通している。 そしていずれの治験も事前に決めた評価方法に沿って、効果あり・効果なし、という結論が出ている。 したがって評価基準が違えば、また違った結論になっていた可能性がある。 どれかが正しくてどれかが間違っているということではなく、あくまで評価基準の違いが結果に反映された、ということになる。 これが難しい論点であることを示す話がある。 「3た論法」だ。 薬を使って症状が良くなったとき、「使った、治った、効いた」(3つの「た」)と単純に評価してしまうロジックを指す。 その薬を飲まなかったとしても自然に治っていたかもしれないし、併用していた他の薬が効いたのかもしれない。 「3た論法」では、本当にその薬が効くかどうかは判断できない。 この論法を使うと「雨乞いはすべて当たる」ことになってしまう。 ずっと雨乞いをし続けていると、いつかは雨が降るからだ。 そこで、医薬品に効果があるかどうかを確かめるためには指標を用いる。 そして「効果あり」とする基準も決める。 スポーツに例えるならば、指標とは得点、基準とはルールだ。 例えばサッカーならば、勝ち負けは得点=指標で判断し、ゴールにボールを入れると1点、というルール=基準が必要だ。 治験を開始する前には、何がどうなれば薬が効いたと判断するか指標や基準が決められる。 例えば指標には、死亡率や再発率、血圧や臨床検査値などがある。 米中で結果が正反対になった理由も、サッカーに例えた通り、ルールを変えてしまえば得点が変わり、結果として勝敗も変わり得る。 これと同様にどんな指標を用いるかによってその治験の結果が変わる、ということになってしまう。 薬が効くかどうかを調べる場合、どのような指標をどんな基準で用いるかは、結果を左右するほど重要な問題なのである。 特例承認の条件の1つに、「一定数の症例データが蓄積されるまで、可能な限り全症例についてデータを収集、報告する」とある。 治験では、決められた指標によって「効く」と判断されたレムデシビルではあるが、今後はさまざまな人種、年齢、合併症を持った人が、他のいろいろな薬と併用することが想定される。 薬が効くとは必ずしも病気が完治すること、予後がずっと健康であることを意味するわけではない。 例えば抗がん剤は、がんの腫瘍が小さくなれば「効く」と治験では判断されることが多い。 新型コロナウイルスに感染した人が、レムデシビルで一命を取り止めて退院できた。 その場合、基準上明らかに「改善」だ。 しかしその後、完治できない深刻な副作用が発生する可能性もある。 アビガンで懸念されるような副作用が、レムデシビルにはないと言い切れる段階にはない。 人はなぜ薬を使うのか。 病気から回復するため、日常生活を送るため、その先の未来を生きるためだ。 レムデシビルは、薬としてまだ最初の一歩を踏み出した段階にすぎない。 新型コロナウイルスに対する特効薬となるかは現時点では未知数であるが、医薬品に携わる職業人のひとりとして、そして薬に助けられるかもしれない一個人として、今後の調査結果に期待したい。 (松本華哉 薬剤師 企画協力:シェアーズカフェ・オンライン).

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新型コロナ治療薬、レムデシビルの治験は「4月に結果が得られる」:日経バイオテクONLINE

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2 米国と中国の治験が正反対の結果になった理由 米国と中国で正反対の結果が出た背景は、一言で言えば「何をもって薬が効いたか?」という指標の違いによるものだ。 米中、そしてギリアド社の治験の詳細な違いは後述するが、どんな指標を使って、どの程度変化したら改善と判断するのか、その定義によって結果は変わってしまう。 評価項目の妥当性を研究することもあるほどだ。 より正確にレムデシビルの効果を調べるため、それぞれの試験の計画段階で、専門家が適切な評価方法を十分に検討してはいるものの、「薬が効いた」という判断はそれでも難しい。 加えて中国の治験は、都市封鎖の影響で患者が減少し、計画していた人数が集まらず途中で打ち切られた経緯もある。 予定通りの人数が集まっていたら、また違った結果が出ていた可能性もある。 つまり、患者が改善するまでの日数が、レムデシビルを使った患者と使わなかった場合で差があるかどうかを確かめた。 結果を簡単にいえば、レムデシビルを使おうが使うまいが、改善までの日数に差はなかった。 差がないという結果なので、確かに「効果は確認できなかった」という結論は正しい。 (2)ACTT試験 (米国国立アレルギー感染症研究所:NIAIDの治験) この治験では退院するか、日常生活に戻るまでの回復期間を指標として、レムデシビルを投与してから15日目の患者の状態を8段階で評価している。 結果は、レムデシビルを使った方が、使わないよりも早く回復するという結果になった。 一方で死亡率は、レムデシビルを使っても使わなくても差はなかった。 (3)アメリカ・ギリアド社 SIMPLE試験 この試験では、患者の「改善」とは、7段階スケール(退院〜酸素療法の必要性〜死亡)で評価し、投与前と後で2段階以上の改善が見られることとした。 また、酸素療法と治療が不要となるか、退院することが「回復」と定義された。 現在、試験は実施中である。

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米国のレムデシビルの臨床試験、最初の被験者はあのクルーズ船の乗客:日経バイオテクONLINE

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【AFP=時事】新型コロナウイルスの治療薬候補「レムデシビル」の最初の無作為臨床試験(治験)が失敗に終わったことが23日、明らかになった。 世界保健機関(WHO)が誤って結果を公表したことで判明し、効果が注目されていたレムデシビルに対する期待は低下している。 治験結果の要約の草稿がWHOのウェブサイトに公開され、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)と米医療関連ニュースサイトのSTATが最初に報じた。 WHOはその後、草稿を削除したが、STATは草稿のスクリーンショットを掲載した。 しかし、レムデシビルを開発した米製薬企業ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)は、データは「潜在的な有効性」を示しているとし、治験結果の解釈に異議を唱えた。 この草稿によると、中国で実施されたこの治験は新型コロナウイルス患者237人を対象とし、うち158人にレムデシビルを投与し、残る79人の対照群と経過を比較した。 投与した患者のうち18人は、副作用のため早期に投与を中止された。 草稿の著者らはレムデシビルについて、対照群と比較して「症状が改善するまでの期間の差と関連付けられない」と指摘。 治験開始から1か月後に、レムデシビルを投与された患者の13. この差は統計的に有意ではない。 WHOはフィナンシャル・タイムズ紙に対し、草稿は査読中であり、誤って公表されたと説明した。 ギリアドの広報はAFPに対し、公開された草稿には「治験に対する不適切な解釈が含まれる」と述べ、参加者が少なく早期に中止されたため、統計的に有意な結果は出ていないと説明した。 その上で「治験の結果は確定的でないが、このデータの傾向から、特に早期に治療を受けた患者に対してレムデシビルの潜在的な有効性が示されている」と述べた。 今回の治験は、有効性についての最終的な結論を示すものではない。 現在、より進んだ段階の複数の大規模治験が複数行われており、より明確な実態がまもなく明らかになる見通し。

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